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愛知万博開催に関する質問主意書

衆議院 第140回 第30号

提出者
衆議院
提出日
1997年6月17日
内閣転送 1997年6月18日
答弁書受領日
1997年7月15日
提出から28日
答弁の項目数
5
質問 1,471字/答弁 1,404字

質問本文

二〇〇五年の万博開催地が愛知県に決定したとのことであるが、財政危機の中、政府はその財源についてどのように考えているのか。閣議決定されたばかりの「財政構造改革の推進方策」との関係はどのようになっているのか大きな疑問がある。また、従来より開催予定地の自然破壊へも大きな懸念がある。

したがって、次の事項について質問する。

一 愛知万博開催に要する費用について

(一) 総額いくらくらいと想定しているのか。また、その内国費の負担はどれくらいになると想定しているのか。

(二) 想定している場合、その算定根拠は何か。算定できていないとすれば、このような大規模プロジェクト開催を、予算の裏付けもなく、国際的に誘致した責任をどう考えるか。

(三) 九十五年十二月十九日の閣議決定によると、「会場建設費は極力圧縮」とあるが、どのような概算から極力圧縮するのか。極力圧縮できたかどうかの判断は誰がどのように行うのか。

(四) 同閣議決定において、国が会場建設費の約三分の一をも負担することとなっているのはいかなる根拠によるのか。

(五) 同閣議決定によると「会場運営費は、入場料等で賄い、国庫によるいかなる負担も助成も行わない」とのことだが、この方針に変更はないか。変更ないとすると、もし赤字が出た場合はどうするのか。

(六) 交通インフラ整備など、万博に付随・関連する公共事業には、いくらくらいかかると想定しているか。一兆円規模との報道もあるが、事実か。その内、国費が使われる部分はどのような部分で、どれくらいの金額が想定されるのか。

(七) 同閣議決定には「通常の公共事業費の中での適切な配分により対処」「新たな特別の財政措置は講じない」とされているが、この方針に変更はないか。

二 愛知万博に要する費用と「財政構造改革の推進方策」との関係について

(一) 「財政構造改革の推進方策」の中で愛知万博開催に関連する費用と関係する記述はどこか。

(二) 同方策に述べられた「一切の聖域なし」とされる歳出の改革と縮減の対象にこの万博の費用は当然含まれると考えるがどうか。

(三) 同方策の趣旨に鑑み、九十五年の閣議決定からふみこんで、どのような財政的配慮が必要になると考えるか。

三 いずれにしても、現下の財政危機において、こうした新たな多大な出費は、たとえその効果が大きなものであっても、厳に抑制すべきものと考えるが、内閣はどう考えるか。

四 万博開催予定地は「海上の森」と呼ばれる貴重な動植物に恵まれた豊かな里山である。この森を切り開く万博は、本国会で制定された「環境影響評価法」の評価対象か。評価対象でないとするとその理由は何か。

五 法改正によりアセス法の対象に含める、もしくはアセス法と同様以上に厳しい手続きの環境影響評価を行うべきと考えるが、検討できないか。アセス法と同様以上の手続きをとれないとすると、その理由は何か。

六 このアセスにおいては、開催反対派を含む、幅広い住民の声を聞くべきと考えるが、どうか。

七 財政事情、環境アセスなど様々な見地から検討した場合、場合によっては、中止・候補地返上、開催地変更、規模縮小など様々な選択肢を検討することもありうると考えるがどうか。この内、選択肢となりえないものはあるか。あるとすれば、開催まで八年もある事業に対し、こうした選択肢をとりえないと決めつける理由は何か。

八 前問のような選択肢をとりうるとすれば、いつ頃までにこのような決定を行えば、対外的な影響を最小限にできると考えるか。

右質問する。

衆議院の原文・経過

政府答弁書

一の(一)から(五)までについて

平成七年十二月十九日の愛知県における国際博覧会(以下「本博覧会」という。)の開催申請に係る閣議了解においては、「政府としては、現下の極めて厳しい財政事情の下、徹底的な歳出削減等の財政改革に一層強力に取り組まざるを得ない事態であることにかんがみ、開催のための諸経費については、関係各省の既定経費の枠内でねん出せざるを得ない」としたところである。

本博覧会は、自然環境を保全・創造し、循環型の新しいまちづくりの実験場として、時代を切り拓く意義を持つ国際博覧会であり、厳しい財政状況の下でもその開催が可能と判断し、閣議了解したものであり、本博覧会に要する費用については、今後会場計画策定作業の進ちょく等に合わせて具体化していく予定である。

会場建設費については、過去に我が国で開催された博覧会の例等を総合的に勘案し、国、関係地方公共団体及び民間等が同率の負担を行うこととしており、「長期的地域整備により行われるべき土地造成、施設整備等は会場建設事業から除外する」等の開催申請に係る閣議了解の方針に沿って、極力圧縮していく予定である。

また、会場運営費についても、過去の博覧会と同様、適正な入場料の設定等により賄うものとしている。

政府としてはこれら方針に基づき、内外の多くの人が関心を持ち参加する博覧会の効率的な開催を目指すこととしている。

一の(六)及び(七)について

本博覧会の開催に関連する公共事業については、本博覧会の開催申請に係る閣議了解において「その必要性等について十分な検討を行い、通常の公共事業費の中での適切な配分により対処することとし、新たに国及び地方公共団体による特別の財政措置は講じないこと」が方針として確認されており、今後、この方針に基づき効率的な博覧会の開催を目指す所存である。

二及び三について

財政構造改革会議において決定された「財政構造改革の推進方策」においては、今世紀中の三年間を「集中改革期間」と定め、その期間中は「一切の聖域なし」とされる歳出の改革と縮減を進めることとしている。

政府としては、これを受けて、本年六月三日同内容の「財政構造改革の推進について」を閣議決定したところである。本博覧会に要する費用についてもこの趣旨に沿って今後具体化していく予定である。

四、五及び六について

環境影響評価法(平成九年法律第八十一号)の規定による環境影響評価その他の手続が行われる事業の具体的な種類及びその規模については、今後同法に規定する要件に従って政令で定めることとしている。一方、本博覧会の開催に当たっては、開催申請に係る閣議了解において、環境影響評価を適切に行う方針を確認しているところである。

この環境影響評価の実施時期、国民の意見の反映手法を含む実施手続等については、その実施主体、本博覧会の構想の内容等の検討状況を踏まえ、同法の適用の有無を含め、今後検討することとしている。

七及び八について

平成九年六月の第百二十一回博覧会国際事務局(BIE)総会において、二〇〇五年国際博覧会の我が国での開催が決定されたのは、我が国が提案した新たな国際博覧会の在り方の構想と「人と自然の共生」という理念とが多くの国から高く評価された結果である。政府としては、今後、こうした国際的な評価と期待に十分応えるよう本博覧会の内容を具体化していく予定である。

衆議院の原文

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