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米国における同時多発テロと国連憲章及び国際法との関係に関する質問主意書

衆議院 第153回 第1号お答えすることは困難 ×2趣旨が明らかではない ×2

提出者
民主党・無所属クラブ
提出日
2001年9月27日
内閣転送 2001年10月1日
答弁書受領日
2001年10月5日
提出から8日
答弁の項目数
9
質問 1,131字/答弁 1,589字

質問本文

九月十一日に米国において発生した同時多発テロに対し、ブッシュ米大統領はこれを「戦争行為」と発言し、報復の意志をあらわにしている。

また日本政府もこの事件に対応して対米協力の姿勢を表している。

今回の事件は誠に痛ましいものであるが、一時の感情に流されて我が国が日本国憲法の枠組みから逸脱することは許されない。

まずは国連憲章及び国際法の枠組みにおいて、今回の事件をどう位置付けるかを明確にすることが、日本国憲法に基づく対米協力の方針を定める上で必須であり、政府の見解を明らかにするために以下質問する。

一 テロリズムについて

テロリズムを憎み、この撲滅を目指すことは国際社会の共通の認識である。しかしながらテロリズムの手段は多様であり、その定義に関して国際社会が認識を共有しているとは言い難い。

そこで以下の点に関して政府の見解を明らかにされたい。

1 日本国政府は、「米国における同時多発テロへの対応に関する我が国の措置について」等において「テロリズム」の用語を使用しているが、この「テロリズム」に関する日本国政府の定義を明らかにされたい。

2 国際条約等で「テロリズム」に関する定義が存在すれば、その定義と関連条文を明らかにされたい。

二 同時多発テロの国連憲章上の位置付けについて

以下の点について政府の見解を明らかにされたい。

1 今回の同時多発テロは国連憲章の次の条項にそれぞれ該当するのか。

�@ 第三十三条第一項でいう「いかなる紛争」。

�A 第五十一条でいう「武力攻撃」。

2 今回の同時多発テロに関連して安全保障理事会による

�@ 「平和に対する脅威、平和の破壊又は侵略行為の存在」(国連憲章第三十九条)の決定は行われたのか。

�A 国連憲章第四十一条及び第四十二条に従って「いかなる措置をとるかを決定」(同条)されたのか。

をそれぞれ明らかにされたい。

三 米国の国連憲章上の位置付けについて

以下の点について政府の見解を明らかにされたい。

1 現在米国は、国連憲章第三十三条でいう「当事者」に該当しているのか。

2 現在米国は、国連憲章第五十一条が認める「個別的又は集団的自衛の固有の権利」を行使しているのか。

3 ブッシュ米大統領は九月二十一日(日本時間)の米上下両院合同本会議における演説において、今回の同時多発テロを「戦争」と表現している。そこで米国は現在、戦争状態にあると日本政府は見なしているのか。

四 米軍の国際法上の位置付けについて

「本件テロに関連して措置を取る米軍」(「米国における同時多発テロへの対応に関する我が国の措置について」)は、現在、戦時国際法の諸権利を行使できるのか、政府の見解を明らかにされたい。

右質問する。

衆議院の原文・経過

政府答弁書

一の1について

お尋ねの「同時多発テロ」(以下「今回のテロ攻撃」という。)に関して発表したお尋ねの文書を含む政府見解における「テロリズム」の用語については、特定の厳密な定義に基づいてこれを用いたものではなく、一般に、「テロリズム」の用語は、特定の主義主張に基づき、国家等にその受入れ等を強要し、又は社会に恐怖等を与える目的で行われる人の殺傷行為等をいうものとされていることを踏まえて、これを用いたものである。

一の2について

我が国が締結した条約その他の国際約束には、「テロリズム」の用語を定義した規定は存在しない。

二の1の�@及び三の1について

国際連合安全保障理事会(以下「安保理」という。)決議第千三百六十八号及び第千三百七十三号は、今回のテロ攻撃につき、アメリカ合衆国(以下「米国」という。)を国際連合憲章(以下「国連憲章」という。)第三十三条にいう「当事者」とする「紛争」に当たるものとしてではなく、国連憲章第三十九条の「平和に対する脅威」に当たるものとして認めていると考えている。

二の1の�Aについて

今回のテロ攻撃についての安保理決議第千三百六十八号は、国連憲章第五十一条の「個別的又は集団的自衛の固有の権利」について改めて言及しているところ、今回のテロ攻撃は、同条の「武力攻撃」に当たり得ると考えている。

二の2の�@について

今回のテロ攻撃についての安保理決議第千三百六十八号においては、国連憲章第三十九条の「平和に対する脅威」の存在を認める決定が行われたものと考えている。

二の2の�Aについて

安保理決議第千三百七十三号において、安保理は、国連憲章第七章の下に行動して、すべての国はテロリズムを行う者への資金提供の防止等をしなければならないこと等を決定しているが、この決定は、国連憲章第四十一条に基づくものであると考えている。

三の2について

お尋ねについては、ライス国家安全保障問題担当大統領補佐官は、平成十三年九月二十三日に、「米国は、自衛権を有している。(中略)大統領は自衛の行動をするために更なる権限が必要とは考えていないものと考えている。」と発言しており、その後も、米国政府高官は、これと同旨の発言をしているが、現在、米国は自衛権を実際に行使しているか否かを明らかにしておらず、また、米国の軍隊が今回のテロ攻撃に関連して具体的にいかなる措置をとっているのかについても必ずしも明らかではないことから、お答えすることは困難である。

三の3について

ブッシュ大統領は、御指摘の会議において、「九月十一日、自由への敵が我が国に対して戦争行為を行った。」と述べており、この発言は、平成十三年九月十二日に同大統領が「昨日実行された我が国に対する計画的かつ激しい攻撃は、(中略)戦争行為であった。」と述べたことと軌を一にするものであると理解している。他方、これらの発言において「戦争」という用語が用いられた趣旨について、パウエル国務長官は、同月十四日の記者会見で、「ブッシュ大統領や自分は、この種の行為に対して米国及び国際社会のエネルギーを駆り立てるために戦争と言っている。(中略)この作戦は、軍事、経済、政治、外交、財政等のあらゆる措置を伴う長期的なものとなるという意味で戦争と称している。厳密に法的な意味での戦争ではない。」と述べていること等から、政府としては、国家の間で国権の発動として武力を行使し合うという伝統的な国際法上の意味における戦争は、現在、行われていないと考えている。

四について

お尋ねの「戦時国際法の諸権利」については、お尋ねにおいて想定されている内容等が必ずしも明らかではなく、また、現在、米国の軍隊が今回のテロ攻撃に関連して具体的にいかなる措置をとっているのかについても必ずしも明らかではないことから、お答えすることは困難である。

衆議院の原文

この答弁書に出てくる定型句

お答えすることは困難 ×2趣旨が明らかではない ×2

語の一致で数えたものです。答弁の評価ではありません。同じ型の答弁が過去にどれだけあるかは、型を押すと出ます。

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