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小泉政権におけるテロリズムに対する認識に関する再質問主意書

衆議院 第153回 第29号お答えすることは困難 ×1

提出者
民主党・無所属クラブ
提出日
2001年12月4日
内閣転送 2001年12月5日
答弁書受領日
2002年2月5日
提出から63日
答弁の項目数
5
質問 1,130字/答弁 1,857字

質問本文

「衆議院議員金田誠一君提出小泉政権におけるテロリズムに対する認識に関する質問に対する答弁書」(平成十三年十一月二十七日答弁、以下「十一月二十七日答弁書」という。)の不明な点について再度質問する。

一 米国における同時多発テロとテロリストとの関係について

1 十一月二十七日答弁書では、米国における同時多発テロ(以下政府答弁書に合わせて「今回のテロ攻撃」という。)に関与したテロリストは、オサマ・ビン・ラーデンの率いるアル・カイダとしている。

その一方で同答弁書は、今回のテロ攻撃がいかなる主義主張に基づいて行われたかについては、「政府として今回のテロ攻撃に関与した者の主義主張の内容を直接知り得る立場にないことから、お尋ねの主義主張の内容について、確定的なことを申し上げることは困難である」としている。

「衆議院議員金田誠一君提出米国における同時多発テロと国連憲章及び国際法との関係に関する再質問に対する答弁書」(平成十三年十月十六日答弁)では、「テロリスト」とは「テロリズム」を行う者を指し、「テロリズム」とは「特定の主義主張に基づき、国家等にその受入れ等を強要し、又は社会に恐怖等を与える目的で行われる人の殺傷行為等をいうもの」との見解を示している。

さて「関与した者の主義主張の内容を直接知り得る立場にない」我が国政府が、これをテロリズムと判断した根拠について明らかにされたい。

2 十一月二十七日答弁書によれば、「今回のテロ攻撃を行った者等による同様のテロ攻撃が再発する蓋然性が高い状態が継続している」とのことであるが、日本政府がそのように考える根拠について明らかにされたい。

二 テロ攻撃と自衛権の行使について

1 十一月二十七日答弁書でいう「ある国家が自衛権を行使するための要件」について明らかにされたい。

2 十一月二十七日答弁書によれば「安保理が国連憲章第七章の下で採ることのできる措置のいずれかを採った場合において、それ以後加盟国が国連憲章第五十一条の個別的又は集団的自衛権を行使し得なくなるか否かについては、それぞれの場合の具体的状況によって決せられる」とのことであるが、過去の事例について明らかにされたい。

三 中立法規の有効性について

「陸戦ノ場合ニ於ケル中立国及中立人ノ権利義務ニ関スル条約」(明治四十五年条約第五号)及び「海戦ノ場合ニ於ケル中立国ノ権利義務ニ関スル条約」(明治四十五年条約第十二号)の有効性に関して、政府は「これらの条約における中立国に係る規定がそのまま適用されるものではないと考えている」(十一月二十七日答弁書)とのことである。

そこで両条約中、現在も有効な条項について政府の見解を明らかにされたい。

右質問する。

衆議院の原文・経過

政府答弁書

一の1について

種々の情報を総合的に勘案すれば、オサマ・ビン・ラーデンの率いるアル・カイダが、お尋ねのアメリカ合衆国(以下「米国」という。)における「同時多発テロ」(以下「今回のテロ攻撃」という。)に関与しているとの米国の説明は、政府として十分説得力のあるものと判断している。

政府としては、オサマ・ビン・ラーデンが、例えば、平成十一年一月十一日発行の米国の雑誌タイムに掲載された記事において、記者の質問に答える形で、「マホメットが生誕しコーランが彼に啓示を与えた地の至る所で異教徒がうろついている。(中略)イスラム教徒は怒っている。米国人は、自分達が行う不正義に対するイスラム世界からの反発を覚悟すべきである。(中略)米国に対する攻撃は宗教上の義務であり、(中略)イスラム教徒はいわゆる超大国米国の伝説を終わらせることができると確信している。」と述べ、今回のテロ攻撃についても、平成十三年十月八日にアル・ジャズィーラ衛星放送によって放映されたビデオ・テープの映像において、「我々が我々の地及びパレスチナにおいて安全と安心を感じることがない限り、米国は夢を見ることはなく、米国に住む者は安全と安心を享受することはないと偉大なる神に誓う。」と述べるなど、かねてから米国の対イスラム諸国政策を強く批判する見解を表明してきていると承知している。このことから、政府としては、オサマ・ビン・ラーデンが右のような見解を含む独自の主義主張を有しており、今回のテロ攻撃は、そのような主義主張に基づき行われたものであって、テロリズムに当たると考えている。

一の2について

平成十三年十一月二十七日に提出した御指摘の答弁書の引用部分は、平成十三年九月十一日のアメリカ合衆国において発生したテロリストによる攻撃等に対応して行われる国際連合憲章の目的達成のための諸外国の活動に対して我が国が実施する措置及び関連する国際連合決議等に基づく人道的措置に関する特別措置法(平成十三年法律第百十三号)第一条にいう「テロ攻撃によってもたらされている脅威」の意味を述べたものであり、同答弁書提出時における政府の認識を述べたものではない。

二の1について

一般国際法上、ある国家が自衛権を行使するための要件は、国家又は国民に対する外部からの急迫不正の侵害があること、これを排除するのに他に適当な手段がないこと、必要最小限度の実力の行使であることと一般的に考えられており、国際連合憲章(以下「国連憲章」という。)第五十一条は、この憲章のいかなる規定も、国際連合加盟国に対して武力攻撃が発生した場合には、安全保障理事会が国際の平和及び安全の維持に必要な措置をとるまでの間、個別的又は集団的自衛の固有の権利を害するものではない旨規定している。

二の2について

例えば、国際連合安全保障理事会決議第千三百七十三号において、安全保障理事会は、国連憲章第七章の下に行動して、すべての国はテロリズムを行う者への資金提供の防止等をしなければならないこと等を決定する一方、国連憲章にいう「個別的又は集団的自衛の固有の権利」について改めて言及しており、その意味で、この決議は今回のテロ攻撃に対応して米国等が個別的又は集団的自衛権を行使し得ることを確認したものと考えられる。

三について

お尋ねの「陸戦ノ場合ニ於ケル中立国及中立人ノ権利義務ニ関スル条約」(明治四十五年条約第五号)及び「海戦ノ場合ニ於ケル中立国ノ権利義務ニ関スル条約」(明治四十五年条約第十二号)は、現在も有効であり、例えば、「記名国ニ非サル諸国」がお尋ねの両条約に「加盟」する場合や「締約国」がお尋ねの両条約を「廃棄」する場合は、両条約の関係規定(前者の条約については第二十二条及び第二十四条、後者の条約については第三十条及び第三十二条)に基づいて手続等が行われることとなる。

しかしながら、これらの条約は、国際法上一般に戦争が違法とされていなかった時代に作成されたもので、戦争が違法化された国連憲章の下では、戦争が違法でないことを前提とした「中立国」という概念は用いられなくなっており、現在では、お尋ねの両条約における中立国に係る規定がそのまま適用されるものではないと考えている。一般論として言えば、戦争犠牲者の保護といった国際人道法の基本原則に係る規定等については、一定の状況の下では、基本的にこれらに従った取扱いがされるべきものと考えるが、その他の規定については、確定的にお答えすることは困難である。

衆議院の原文

この答弁書に出てくる定型句

お答えすることは困難 ×1

語の一致で数えたものです。答弁の評価ではありません。同じ型の答弁が過去にどれだけあるかは、型を押すと出ます。

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