ことばで探す › 衆議院 第153回
諫早湾干拓事業の見直しと「防災」機能等に関する質問主意書
衆議院 第153回 第21号お答えすることは困難 ×1
質問本文
小沢和秋 赤嶺政賢
諫早湾干拓事業の見直しと「防災」機能等に関する質問主意書
八月二十四日に開かれた九州農政局の国営事業再評価第三者委員会は、諫早湾干拓事業について「環境への真摯かつ一層の配慮を条件に事業を見直されたい」と答申した。八月二十八日に、農水大臣は「環境への一層の配慮等の視点に立って、本事業を自然と共生する環境創造型の農業農村整備事業の先駆的取組みにしたい」という談話を発表した。これを受け十月三十日、農水省はこれ以上新たな干陸化を行わないという事業の縮小案を明らかにした。しかし、今回の見直し案は西工区の農地造成等をこれまでどおり続行し、調整池水位は今後もマイナス一メートルで維持するというもので、有明海再生の視点を全く欠いた小手先の見直しにすぎない。
よって次のとおり質問する。
(一)
そもそも今、なぜこのような見直しを行うのか。潮受け堤防を建設し始めてから直後魚介類の水揚げが激減し続け、堤防閉め切り後ついにノリ養殖まで大打撃を受けるに至り、沿岸漁民、住民だけでなく全国民的な「干拓中止」の声を無視できなくなったため以外としか考えられない。しかし、この見直し案にはそういう世論にこたえる姿勢が全く感じられない。この見直し案では国民の声をどう考慮したのか。
(二)
今、有明海ノリ不作等対策関係調査検討委員会(第三者委員会)が、ノリ不作等の原因究明調査を行っている。もし今回の見直し案で工事を再開した後、干拓事業との因果関係を認め、さらに重大な見直し・中止を迫る同委員会の結論が出た場合、莫大な事業費の無駄使いになる可能性がある。こういう事態を避けるためにも、同委員会の結論を待って干拓事業の最終的見直しの方向を決めるのが当然ではないか。
(三)
同様なことが「漁場調査委員会」についてもいえる。この委員会は潮受け堤防着工直後、タイラギがほとんど採れなくなったためその原因を調査するため一九九三年に設けられたが、現在まで何の調査結果も報告されていない。一九九七年以後、委員会も開かれていない。この状況は干拓工事への影響をおそれて、結果の公表を先のばしにしているためとしか考えられない。この機会に改めてその一日も早い公表を要求するが、干拓工事の最終見直しには、この調査結果もノリ養殖と同様に反映することが求められるのではないか。
(四)
今回の見直し案では第一に「防災機能の十全な発揮」が掲げられている。農水省の土地改良法に基づく本事業が「防災」を第一に掲げざるをえないこと自体、この事業がいかに目的喪失−事業のための事業と化しているかをよく示している。しかも、その防災機能も数年前からは諫早市中心部の防災に役立たないことを認めざるをえず、今や残っているのは干拓背後地周辺の低平地だけである。農水省は「潮受け堤防完成後、低平地の湛水被害と排水不良が解消した」という。しかし、これも実際には今でもしばしば湛水被害が発生している。潮受け堤防閉め切り後、今日まで被害がどのように発生しているのか具体的に答えられたい。
(五)
農水省は第三者委員会で「調整池水位がマイナス約〇・五メートル以上に上昇した時には、背後地に湛水が生じる」と、調整池水位をマイナス一メートル以下に保つ理由にしている。しかし、潮受け堤防で閉め切る前は、諫早湾の満潮時水位は小潮時でもプラス一メートル、大潮時には二・五メートルもあったのに、大雨が降らない限り湛水は低平地でも起こらなかった。なぜ堤防を閉め切って以後、大雨が降らなくてもマイナス〇・五メートル以上に調整池水位が上昇すれば湛水が起こるようになったのか。もしこういう変化が事実であるとすれば、潮受け堤防を建設したこと自体が誤りだったということで、堤防を撤去する以外にないが、少なくとも水門を常時開放しておくべきだということになるのではないか。
(六)
結局、湛水被害や排水不良を本当に解決するためには、佐賀県沿岸のように排水ポンプを増設・増強する以外にない。また、既存排水樋門前面の潟土は、重機による浚渫などによって解決できる。この方法の方が費用も安いと思われる。なぜこの方法に変えないのか。要するにここまできたので、今さら変えられないということではないのか。
(七)
農水省は諫早湾干拓の防災効果を証明するものとして、一九九九年七月二十三日の豪雨を例に上げ、総雨量三百四十二ミリを記録した中で、低平地の水田では一時的な湛水が発生したものの、いち早く排水ができ農産物被害は三百万円にとどまったと説明している。しかし、実際には低平地は諫早市内のような大雨ではなかった。総雨量三百四十二ミリという数値は諫早市役所雨量計の〇時から十三時までの総雨量であるが、同時刻の森山町役場の雨量計総雨量は六十四・五ミリ、愛野町役場では三十ミリ、干拓中央観測所では百三十八ミリであった。湛水被害はその水域の降雨量に左右されるもので、低平地の湛水被害を論ずるのならば、これらの雨量を基準とすべきである。降雨量の多かった諫早市内の降雨量があたかも低平地全域降雨量のように見せかけ、湛水被害が少なかったと主張するのは人を欺くものではないか。
(八)
農水省は長崎海洋気象台の一九九九年の諫早地域の降雨予報と実績を取り上げ、気象庁の降雨予報は当てにならず、緊急に調整池水位を下げる対応ができないことを、水位をマイナス一メートルより上昇させない理由にしている。しかし、我々が問い合わせたところ、気象庁と気象台は当時二日前から高層予想図などで大雨の可能性があり警戒を要する状態が続いていたことを把握していたという。緊密に気象台と連絡を取りあえば、調整池水位を常時マイナス一メートルに保つ必要はないのではないか。現在の予報技術で、二日前ならほぼ確実に大雨を予測できるのではないか。気象庁の責任ある見解を求める。
(九)
見直し案が「新たな干陸は行わない」としているのは当然としても、問題はこれまで干潟だった西工区を既に干陸化していることを理由に、あくまで農地にしようとしていることである。西工区こそ、これまで有明海の子宮であり腎臓であるとされてきた干潟の中心部であった。この地域に海水を導入して、稚仔魚などをはぐくむ生物再生産の場、有明海の浄化機能の場としての干潟を再生させることこそ今求められているのに、見直し案にはこの視点が全く欠落している。なぜそのことを検討しないのか。
(十)
見直し案では「環境への一層の配慮」と称して、東工区を「自然空間として現在のまま保全」するという。もともとあった干潟を干陸化し、諫早湾を調整池によって淡水化させて生態系を完全に破壊しておきながら、それを自然の姿のごとく描き出し、これを「保全」するというあまりもの偽善に、怒りを禁じえない。見直すというなら、ここを本来の干潟に戻すのが当然ではないか。
(十一)
東工区の工事中止で当初完成予定の農地約千三百ヘクタールのうち七百ヘクタールが未造成に終わり、小江工区と合わせても農地は約半分の七百ヘクタールしか造成されない。総事業費は二千四百九十億円から二千四百六十億円に縮小されるが、造成地は大きく減り、「経済効果」のうち少なくとも「作物生産効果」と「国土造成効果」は大きく低下するはずである。今でも土地改良法の要件としてぎりぎりの一・〇一という費用対効果は、さらに下回って一未満になり、もはや事業として成り立たなくなるのではないか。今回の見直しで費用対効果がどう変化するか、数字を示し具体的に答えられたい。
(十二)
今回の見直し案は土地改良法上の手続きとして行われているため、国はもっぱら長崎県を相手に協議を行っているが、干拓工事の被害が福岡県・佐賀県・熊本県にも及んでおり、むしろこれらの県の住民、とりわけ漁民から強く干拓事業中止の要求が提起されている。なぜ土地改良法上の手続きに固執して、これら各県の関係者の意見を聞こうとしないのか。今からでも意見を聞くべきではないか。
(十三)
農水省は「水門の護床工外側の流速を一・六メートル/秒以下に制限しないと底泥層の洗掘が起こり、護床工の強化と拡充の対策を行おうとすれば相当な期間と費用を要するので、水門を開けることは困難」と主張している。しかし、第三者委員会が「開門して調査」という方向を打ち出しているのだから、それを真剣に受け止めたのであれば今年三月から半年以上の間、護床工の強化、拡充など多くの対策を打てたはずである。それを何も行わず、これから対策を打つのに相当な時間がかかると主張するのは、開門調査を妨害するための理屈としか考えられないがどうか。一方、大雨時の調整池の排水は水門を全開にして行われている。我々の試算では一・六メートル/秒をはるかに超える流速になるが、これまで一回もそれを超えたことがないと断言できるか。
(十四)
先に我々は、干拓工事現場での土壌固化材として五万トンを超える大量のセメント使用について質問した。有明海沿岸の各県では海岸保全事業などでコンクリートを使う際、事前に関係漁協と協議し、自主的に毎年九月から翌年三月までのノリ養殖の時期にはコンクリートを使う工事を控えている。県だけでなく、国の工事でもこのやり方は守られている。これは国もセメントがノリ養殖に及ぼす有害な影響を認めたからではないか。第六回第三者委員会で農水省は、セメントが水に溶け出していないと電子顕微鏡での検討結果まで持ち出して報告している。しかし、その分析に用いた水は漁民の抗議で工事が中断されて五ヶ月もたった後の水で、これが無害の証明になるのか。セメント打設直後の水にも全く溶け出さないと主張できるのか。もしそうならば、なぜノリ養殖の時期にセメントを使用しない慣行ができたのか。この慣行は何の意味もないのか。
(十五)
農水省は、干拓工事現場でのセメントは軟弱地盤を固めるため広範囲で潟土をいったん固め、その後掘削したと説明している。一九九七年度から掘削した排土十六万五千m3は小江工区と西工区に置かれたままである。セメントの混じった排土は産業廃棄物として適切に処分しなければならないが、なぜ廃棄物処分場に持ち込まず放置したままなのか。今後どうする予定か。
(十六)
セメントを土壌固化材として使う場合、土壌環境基準を超える濃度で六価クロムが溶出するおそれがあるため、六価クロム溶出試験を実施し溶出量が基準以下であることを確認するよう、昨年三月に農水省構造改善局から通達が出されている。この通達はセメントの使用が環境に悪影響を与えるおそれがあるから出されたのではないか。
右質問する。
政府答弁書
(一)について
農林水産省においては、現在、食料の安定供給と美しい国づくりに向けて、農業農村整備事業を含め農林水産公共事業全般について「自然と共生する環境創造型事業」に転換を図ることとしている。こうした中で、国営諫早湾土地改良事業(以下「本事業」という。)については、「国営土地改良事業等再評価実施要領」(平成十年三月二十七日付け農林水産省構造改善局長、畜産局長通知)に基づき再評価を行い、その結果について公正中立な審議をつくす目的で農林水産省九州農政局に設置された第三者委員会から出された意見を踏まえ、防災機能の十全な発揮、既に干陸し整備されつつある土地の早期の利用、環境への一層の配慮、予定された事業期間の厳守の四つの視点に立って、本事業地域において「農と緑と水辺空間」の実現が達成されるよう総合的な検討を行っているところである。
(二)及び(三)について
本事業については、(一)についてで述べたとおり総合的な検討を行っているところであるが、検討に当たっては、本事業がこれから開始されるものではなく、既に潮受堤防の設置により防災機能が発揮され、地元から高い評価を得ていること、また、本事業地域では既に干陸地において農地としての整備が進んでいること等の状況を出発点として、既に干陸し整備されつつある土地の早期の利用等の視点に立った検討を進めることが重要であると考えている。
なお、本年九月二十日に農林水産省有明海ノリ不作等対策関係調査検討委員会(以下「委員会」という。)から発表された「有明海のノリ不作の対策等に関する中間取りまとめ」においては、平成十二年度のノリ不作の主な原因は、かなり異常な気象・海象によって発生した大型珪藻の赤潮によるものであるとされているが、アサリやタイラギ等の二枚貝の不漁の原因は、現時点では特定されるには至っていないとされており、農林水産省においては、引き続き、関係省等と共同で有明海の環境悪化の現状把握と原因解明のための調査を実施することとしている。
また、諫早湾漁場調査委員会においては、調査結果の取りまとめに向けて、学識経験者から構成される専門部会を本年十一月二十日に開催したところであり、同委員会を経て、取りまとめ結果を早急に公表してまいりたい。
(四)について
本事業については、地元の要望に沿って、防災機能の強化と優良農地の造成を目的に、着実に実施してきたところであり、今般、総合的な検討の過程において長崎県等に提示した検討案(以下「検討案」という。)においても、その目的を何ら変更していない。
潮受堤防の締切り以降、調整池の背後地の一部で発生した農作物の被害については、別表のとおりである。なお、湛水が起きた場合であっても排水が円滑になされたときは、一般に湛水による被害は発生しない。
本事業については、既に平成九年四月に諫早湾の一部を潮受堤防で締め切り高潮を防止するとともに、調整池の水位を標高マイナス一メートルとなるように管理して、潮汐の直接的な影響を受けることなく河川、排水路等から調整池への排水が速やかに行われることにより、大雨時でも洪水被害の軽減が図られるなど、諫早市街地の一部を含む諫早湾周辺地域では、これまでに防災機能が発揮されているところであり、湛水に関しても地元からは、その程度が大幅に軽減されたと高い評価を得ているところである。
(五)について
御指摘の委員会における農林水産省の説明は、平成九年四月の潮受堤防締切り以降における標高マイナス一メートルに管理していた調整池の水位の変化の実績として、大雨時の降雨が河川等を通じて調整池に流入し、水位が最も上昇した時は標高ゼロメートル程度であり、標高マイナス〇・五メートル以上に上昇した時が十一回あったことを示したものである。さらに、降雨前には調整池の水位を標高マイナス一メートルに管理していても、降雨により調整池の水位が標高マイナス〇・五メートル以上に上昇するような場合には、降雨の状況により湛水の程度は異なるが、背後地に一時的に湛水が生じている状況についても示し、仮に、降雨前の調整池の水位が標高マイナス一メートルよりも高く設定されていたならば湛水の頻度がより高く、かつ被害の程度も大きくなるおそれがあることについても説明したものである。なお、降雨がないのに調整池の水位が標高マイナス〇・五メートル以上になり湛水が起こった事実はない。
(六)について
諫早湾周辺地域は、極めて低平地であることから、これまで幾度となく高潮・洪水の被害を受け、また潮汐の影響等により円滑な排水に支障が生じていたことに加え、諫早湾が狭あいな地形を有していることから、本事業の計画策定時において、潮受堤防で諫早湾の一部を締め切り、内部堤防との間に調整池を設けることによって高潮の防止と洪水時の円滑な排水を可能とすることが、既存堤防の強化や排水ポンプの整備等を行うことと比較し、防災機能の点で有効かつ効率的であると判断して実施しているものである。また、既に防災機能が発揮され、地元から高い評価を得ている中で、御指摘のような背後地防災対策に切り替えることは適切ではないと考えている。
なお、諫早湾周辺地域における排水不良対策については、潮受堤防の設置により可能となった調整池の水位を標高マイナス一メートルに保つことを基本に、関係機関が連携を図りながら、排水路の整備等を順次実施していく必要があると考えている。
(七)について
御指摘の内容は、農林水産省が本年九月二十日に開かれた委員会に提出した資料によるものと考えられるが、当該資料は諫早市を対象に、潮受堤防締切り前の昭和五十七年七月二十三日の降雨時と締切り後の平成十一年七月二十三日の降雨時におけるそれぞれの農地の湛水や農作物被害の発生状況について比較したものであり、森山町や愛野町を含む諫早湾周辺低平地全域を対象としたものではない。
(八)について
現在の予報技術では、二日程度前に西日本等の広い地域を対象として台風、低気圧等に伴う降雨の発生傾向を予測することは可能であるが、諫早地域のような限定された地域を対象として二日前に確実に大雨を予測することは困難である。
本事業の防災機能を十全に発揮するには、予測し得ない大雨等の発生にも備えておくことが求められ、このため、本事業において調整池の水位を降雨前には標高マイナス一メートルに管理しておく必要があると考えている。
(九)及び(十)について
本事業については、(二)及び(三)についてで述べたとおり、これから事業が開始されるものではなく、既に潮受堤防の設置により防災機能が発揮され、地元から高い評価を得ていること、また、本事業地域では既に干陸地において農地としての整備が進んでいること等の状況を出発点として、検討することが重要であると考えている。仮に、このような状況を踏まえずに、調整池に海水を導入して西工区を干潟に戻すことは、既に干陸し整備されつつある土地の農地としての効用を無に帰するだけでなく、既に高潮や洪水等の災害から生命、財産等を守る役割を果たしている潮受堤防や調整池の機能を失わせることとなることから、干陸した西工区を元の干潟に戻すことは考えていない。
(十一)について
本事業については、本年十月三十日に検討案を提示し、今後長崎県を始めとする関係者と意見交換しながら、年末までに成案を得たいと考えている。
したがって、現時点において、費用対効果がどのように変化するかなど、具体的な検討結果をお示しすることはできない。
(十二)について
検討案については、本事業を円滑に実施する観点から、佐賀県有明海漁業協同組合連合会、福岡県有明海漁業協同組合連合会、熊本県漁業協同組合連合会等に説明し、意見交換を行ったところである。
(十三)について
潮受堤防の排水門を開けての調査(以下「本調査」という。)については、現在、委員会において、その内容及びそれを実施するために必要な対策についての議論がなされているところであり、農林水産省においては、委員会での結論を踏まえ、本調査を実施するためにどのような対策が必要かを検討することとしている。
なお、現状において、大雨時に調整池から排水した場合、御指摘のように一・六メートル/秒を超える流速が発生することがあると推定されるが、このような排水門操作は調整池に流入した河川水等を外潮位が低い間にできるだけ速やかに排水し、洪水被害を軽減するためであり、防災上やむを得ないと考えている。一方、本調査は調査の目的で排水門を通じて調整池に海水を出入りさせるものであることから、排水門操作によりその出入量や流速を調整することは十分可能であり、委員会においては、本調査による悪影響を回避・低減する観点から「洗掘された底泥の堆積で河口閉塞や樋門の機能が喪失しないよう、底泥の洗掘が生じない流速で排水門の開門操作の方法を行うこと」が開門調査に当たっての前提条件の一つとして検討されているところである。
(十四)について
有明海沿岸で国が行う工事の実施に当たっては、それを円滑に進める観点から、漁業協同組合等からの要請があれば、必要に応じてノリ漁期におけるコンクリート工事を控えているところである。
御指摘の「電子顕微鏡での検討結果」については、調整池の濁りがセメントに由来するものであるかどうかを明らかにするため、調整池の懸濁物質、底泥及びセメントの電子顕微鏡写真を比較した結果、調整池の懸濁物質はセメントとは明らかに異なり、底泥と似たものであったことを報告したものである。また、セメントは水と反応して難溶性の物質になると認識している。
なお、本事業においてコンクリートやセメント材を使用する工事については、必要に応じ工事に伴う排水を中和処理する等の対策を講じているところであり、調整池の水質調査結果においても、セメントの影響と考えられる明確な水質の変化は認められていない。
(十五)について
本事業においては、セメント材等を使用して排水路の地盤の改良を行っているが、改良後の掘削土については、道路等の用土として利用しているところである。
なお、掘削後の仮置きしている土は、廃棄物の処理及び清掃に関する法律(昭和四十五年法律第百三十七号)第二条第一項の廃棄物には当たらないと考えている。
(十六)について
御指摘の通達とは、「セメント及びセメント系固化材の地盤改良への使用及び改良土の再利用に関する当面の措置について」(平成十二年三月三十一日付け農林水産省構造改善局建設部長通知)であると考えられるが、本通知では、セメント及びセメント系固化材を使用した改良土から、条件によっては「土壌の汚染に係る環境基準について」(平成三年環境庁告示第四十六号)に定める環境基準(以下「土壌環境基準」という。)を超える濃度の六価クロムが溶出するおそれがあるため、国営土地改良事業等の工事の施工に当たっては、六価クロム溶出試験を実施し六価クロム溶出量が土壌環境基準以下であることを確認する等の措置を講ずる旨指示したところである。
なお、平成十二年度以降実施された国営土地改良事業等の工事の施工に当たり行われた六価クロム溶出試験においては、その結果はすべて土壌環境基準を下回る値であった。
似た質問主意書
件名と質問本文の冒頭の意味が近いものを、前もって計算しておいた表から近い順に8件並べました(multilingual-e5-large)。同じ言葉を使っていなくても出ます。論点が少しずれていることもあります。