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ケニア、ソンドゥ・ミリウ水力発電事業の見直しに関する質問主意書

衆議院 第154回 第185号趣旨が明らかではない ×2

提出者
社会民主党・市民連合
提出日
2002年7月30日
内閣転送 2002年7月31日
答弁書受領日
2002年9月20日
提出から52日
答弁の項目数
6
質問 1,982字/答弁 2,608字

質問本文

現在、ケニア共和国西部で日本政府の支援によってソンドゥ・ミリウ水力発電事業が進められている。本件については、これまでも質問主意書ならびに衆議院予算委員会や外務委員会などで問題点を指摘してきた。政府は昨年十月十日に条件付きで第二期分への円借款を進める旨をケニア政府に伝えているが、日本政府としてケニアの貧困削減のための環境円借款の供与を決定するにあたっては、さらに検討すべき重要な課題が残されているのではないかとの視点から、以下質問する。

一 水力発電事業の妥当性について

本事業は半乾燥地帯での水力発電事業であり、地域の水供給の確保と水力発電事業への水量確保の両立は必要不可欠な課題である。本事業に関わる地域の水供給の確保はこれまで十分な配慮がなされてきたとは言えないが今後は再調査が行われ改善が進むものと期待している。

一方、特に乾季における地域への水供給を確保するためには、水力発電事業への水量確保に影響が及ばざるを得ないとの認識のもと、乾季においては取水および発電を一時停止することも含め、現地における水供給確保を最優先するとの判断は大いに評価するものである。

河川流量の変化に伴う発電計画の見直しは具体的にはどのように進められているのか。また、その際の事業の経済性についての再調査の内容について説明いただきたい。

二 水力発電事業上流の森林破壊について

ソンドゥ川上流のマウ森林ではケニア政府の入植計画により森林の破壊が進み、二〇〇一年十月二十七日付の Nation 紙によると、東マウ森林で三万五千三百一ヘクタール、南東及び西マウ森林で二万四千百九ヘクタール、西マウ森林で三百二十四ヘクタールとマウ森林だけで六万ヘクタールが伐採されることになると発表されている。

今後も急速にソンドゥ川の水源であるマウ森林の伐採が進むと土砂流出が激しくなり、土砂堆積が予想以上に急速に進む可能性があるのではないか。また、水源が保水力を失うことによって、そうでなくても不安定な雨季と乾季を通じての発電事業への安定的な水供給が非常に難しくなるのではないか。

土砂流出を防ぎ、安定的な水供給を確保するための具体的な対策を示されたい。

三 事業による河川流量の変化および周辺住民の生活への影響について

事業実施機関が河川維持流量の見直しを行うことはこれまでの議論の中で確認されたが、その後、具体的にはどのような措置が講じられているのか。また、計画どおりに行われていないと答弁のあった水供給プロジェクトはその後どのように進行しているのか。

四 汚職の問題について

本事業に伴う補償に関する汚職や工事現場での雇用における賄賂の問題については、技術委員会でも指摘されているところである。また、八月には世界銀行への返済金約二百万ドルが流用されるという大規模な汚職がケニア電力公社で起こっている。こうした事実を踏まえて、本事業に伴う資金の流れについてのモニタリング体制や監査システムを導入する必要があると考えるが、政府の見解を示されたい。

五 人権の問題について

これまで本事業に関わる社会・環境の問題を指摘してきた地元の活動家三名は、間違った情報を日本に送付した、許可なくプロジェクトサイトに立ち入り身分証明書を求めたところ抵抗し、地元警察を攻撃するように地域住民を扇動したなどの理由でケニア国内において告訴されている。しかし、三名はいずれも本案件の社会環境問題の指摘を当初から行い、問題解決に向けてもっとも力を尽くしてきた人物である。

ケニア国内での裁判であるとはいえ、活動家の人権や発言の自由を妨げるような状態のままで日本政府が事業への借款を供与することはODA大綱にある「人権の尊重」の理念に反するものである。日本政府は借款供与を決める前に、活動家の告訴が取り下げられることを確認する必要があると考えるが、政府の見解を示されたい。

六 生計手段の確保について

本事業が貧困削減を目的とする中で、事業に伴い土地を失い生計手段を失った人々が更なる貧困状態に陥らないために、必要な生計手段の確保とフォローアップの体制を整える必要があると考えるが、これまでにどのような対策が行われているのか今後の計画も含めて示されたい。

七 日本政府のモニタリング体制について

本案件の工事は九九年から始められているが、技術委員会で挙げられてきた問題は、今年一月の住民集会以来ようやく把握されてきた問題で、これまでの日本政府や国際協力銀行のモニタリング体制や事業管理の体制に問題があったといわざるを得ない。今後様々なプロジェクトを推進する上で、地元住民から挙げられる課題を適切に把握し、対応していくために日本政府として今回の経験をどのように活かしていくのか。具体的な案があれば提示されたい。

右質問する。

衆議院の原文・経過

政府答弁書

一及び三について

ソンドゥ・ミリウ水力発電計画(以下「本件計画」という。)に係る発電所が完成し、導水路にソンドゥ川の水を転流する際には、転流に伴うソンドゥ川の流量減少による生態系等への影響に配慮し、事業実施機関であるケニア電力公社が、乾季においても河川維持のために必要な流量を確保することとなっていると承知している。計画上の河川維持流量については、事業実施機関、事業実施業者、地域住民、非政府組織(以下「NGO」という。)及び有識者から構成される本件計画に関する技術委員会(以下「技術委員会」という。)における議論等も踏まえ、事業実施機関が近々見直しを行い、技術委員会においても検討に付されるものと承知しているが、仮に、現在の計画上の河川維持流量が変更されたとしても、過去の季節的な流量変動等にかんがみれば、その程度が大幅なものになるとは想定されず、発電量に与える影響は限定的であると見込まれるので、本件計画の経済性は確保し得るものと考えている。

御指摘の水供給プロジェクトに関しては、我が国の支援によって実施されているものではないが、本件計画の実施地域に対して当該プロジェクトの当初計画どおりの水供給が行われていない状況にあり、この問題の改善等を含めて技術委員会で引き続き議論されていると承知している。また、前述の計画上の河川維持流量の見直しに際しては、当該プロジェクトの進捗状況も考慮されるものと承知している。

二について

マウ森林については、自然環境保護等のため、ケニア共和国(以下「ケニア」という。)の国内法に基づき、ケニアの環境天然資源省によって管理されており、昨年二月十六日にケニア政府によりその一部につき森林指定の解除の方針が官報で公示されたと承知しているところ、昨年十一月に現地及び本邦の専門家の協力を得ながら国際協力銀行の行った調査によれば、ソンドゥ川集水域内の南西マウ森林において予定されている森林指定解除が実施された場合の影響につき、河川流量、土砂堆積の観点から、森林管理体制や過去に実施された森林指定解除による影響等も含め検証した結果、現状において本件計画に影響が及ぶ可能性は少ないとの結論に達していると承知している。今後のマウ森林をめぐる状況については、我が国としても関連情報の収集に努めるとともに、必要に応じケニア側に適切な対応を促す考えである。

四について

一般に円借款案件に関しては、入札は競争入札によることを原則とし借入国の調達手続について規定する国際協力銀行のガイドラインに従って実施されていること、また、借款の貸付けの実行は事業の出来高に応じ適切な証拠書類に裏付けられた請負業者からの契約に基づく支払請求を受けて行われていること等、不正防止のための措置はとられている。

御指摘の本件計画の住民移転に伴う補償に関する汚職については、技術委員会における議論を経てそのような事実はないことが確認されており、昨年七月に作成された技術委員会の報告書においてもその旨明記されている。また、本件計画の雇用における賄賂の問題については、地元住民の指摘を受けて技術委員会において議論された後、同報告書に盛り込まれた勧告に従って事業実施機関において責任をもって改善措置がとられているものと承知している。

以上を踏まえ、現在のところ、本件計画に伴う資金の流れについては、前述の様々な不正防止のための措置に加えてお尋ねのようなモニタリング体制や監査システムの導入等を行うことを具体的に検討しているわけではないが、今後、前述の改善措置の実施状況を含め、事業実施機関による本件計画の適切な実施につき注視していく中で、必要に応じ、我が国としても適切に対処してまいりたい。

五について

御指摘の「地元の活動家三名」が具体的に誰を指すのかは必ずしも明らかではないが、ケニアのNGO関係者であるアーグウイングス・オデラ氏が、ケニア国内において不法侵入等の疑いにより公訴が提起されていることは承知している。右の件に関しては、現在ケニア国内において刑事裁判手続が進行中であり、事実関係等については右の手続の中で明らかにされるものと承知しているが、右のようにオデラ氏につき公訴が提起されていることをもってケニアにおける基本的人権及び自由の保障状況に問題があると判断するのは適当ではなく、したがって、第二期借款の供与決定に先立ちオデラ氏の公訴の取下げを確認する必要があるとは考えていない。

六について

本件計画の事業実施機関であるケニア電力公社は、土木工事の実施前から、本件計画の内容に加え、住民の生活への影響等に関する説明を地域住民に対して行ってきており、これらの影響等に対しては、補償方法や補償内容等についての関係住民との協議及び交渉を経て、補償手続はほぼ終了していると承知している。また、補償手続の前には、関係住民に対して、補償金の使途等についての啓発を図るための説明会が開催されていると承知している。さらに、事業実施機関は、今後とも定期的に地域住民との話合いを行っていく予定であり、住民の移転後の生活状況について、技術委員会での議論等を踏まえ、モニタリング及び評価を実施していくものと承知している。我が国としても、引き続き必要に応じ事業実施機関に対して適切な対応を促していくこととしたい。

七について

御指摘の「今年一月の住民集会以来ようやく把握されてきた問題」が具体的にどのような問題を指すのかは必ずしも明らかではないが、本件計画の自然環境及び地域社会への影響については、ケニア側が本件計画全体に係る環境影響評価書等を作成したことを受けて、海外経済協力基金(当時)が「環境配慮のためのOECFガイドライン」に照らして審査を行い、ケニア側が行うべき環境社会面の措置として、河川維持流量の確保、移転住民への配慮等があることを当初より確認している。その後も、昨年二月の国際協力銀行による環境社会調査ミッションの派遣、昨年六月の外務省担当課長による現地調査等の措置を政府及び国際協力銀行は実施してきている。

今後、円借款案件を実施するに当たっては、国際協力銀行が本年四月一日に策定、公表している「環境社会配慮確認のための国際協力銀行ガイドライン」の基本方針を踏まえ、引き続き環境社会面への影響に適切に対処してまいりたい。

衆議院の原文

この答弁書に出てくる定型句

趣旨が明らかではない ×2

語の一致で数えたものです。答弁の評価ではありません。同じ型の答弁が過去にどれだけあるかは、型を押すと出ます。

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