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廃プラスチック発電に関する質問主意書
衆議院 第154回 第83号お答えすることは困難 ×2
質問本文
廃棄物の処理及び清掃に関する法律によれば、事業活動に伴って生じた廃プラスチック類は産業廃棄物と規定され、また、当然のことながら廃プラスチック類は一般廃棄物としても排出されている。
また、循環型社会形成推進基本法によれば、循環資源の循環的な利用及び処分の基本原則としては、第一が再使用、第二が再生利用、第三が熱回収、そして最後が処分とされている。
このたび、北海道苫小牧市においては、廃プラスチック類を燃料とする発電所の計画が進行中とのことであるが、右の二法との関連において疑義がある。
よって、次のとおり質問する。
一 本件については、経済産業省から、平成一三年三月付けの株式会社サニックス名による工事計画届出書(サニックス苫小牧発電所、発電設備)のコピーの提供を受けているところであるが、それによれば同発電所は「廃棄物に由来するプラスチック」を燃料とするものと思われる。そこで質問する。
1 同発電所の燃料となる「廃棄物に由来するプラスチック」は、産業廃棄物又は一般廃棄物に該当するか。該当しないとすれば、その理由は何か。
2 同発電所の燃料となる「廃棄物に由来するプラスチック」について、その収集から運搬、処理、貯蔵、焼却、最終処分に至るまでの全工程において、各工程に関わる事業者(予定を含む)の次の事項について示されたい。
(1)事業者名、本社及び事業所の所在地及び事業内容
(2)株式会社サニックスとの関係
(3)廃掃法による許可の状況又は予定
(4)取り扱い数量及び単価
二 今後、廃プラスチック類を燃料とする発電所が増設されることになれば、再生利用が可能な場合であってもコスト比較によって熱回収が優先され、二酸化炭素の排出増につながることが懸念される。そこで質問する。
1 わが国における廃プラスチック類に関する次の数値について、一九九〇年から今日までの推移を示されたい。
(1)総排出量
(2)再生利用量
(3)焼却量
(4)焼却量に占める発電等利用量
(5)埋立量
2 廃プラスチック類を燃料とする発電所について、現在稼動中及び計画中に区分し、次の事項を示されたい。
(1)発電所名及び所在地
(2)建設(予定)年次
(3)出力
(4)発電コスト
(5)廃プラスチック類の年間焼却量
3 廃プラスチック類を燃料とする発電所が増設されることに伴い、廃プラスチックの再生利用は減少に転じ、焼却量は増加すると思われるが、政府はどのように予測しているか。
また、それによる二酸化炭素排出量の増加については、どのように予測しているか。
三 結論として、右に述べた懸念に対応する措置としては、廃プラスチック類を燃料とする発電所については本来認めるべきではないと考えるがどうか。
また、当面最低でも、廃棄物の処理及び清掃に関する法律の適用施設とすべきではないか。
右質問する。
政府答弁書
一の1について
北海道に対する御指摘の会社の説明を北海道から聴取したところによれば、お尋ねの「廃棄物に由来するプラスチック」は、産業廃棄物として排出された廃プラスチック類を破砕したものであると承知しているところ、当初廃棄物として排出されたものであっても、一連の処理の工程を経ることにより廃棄物でなくなる場合もあり得ることから、お尋ねの「廃棄物に由来するプラスチック」が産業廃棄物又は一般廃棄物に該当するか否かについては、最高裁判所第二小法廷平成十一年三月十日決定が示した基準にのっとり、「その物の性状、排出の状況、通常の取扱い形態、取引価値の有無及び事業者の意思等を総合的に勘案して」判断する必要があり、一概にお答えすることは困難である。
一の2について
環境省において、破砕された廃プラスチック類を御指摘の発電所に搬入することとしている御指摘の会社の事業場につき、同社に産業廃棄物処理施設の設置許可を与えている各道県に対し、お尋ねの各事項を照会してその把握に努めたものの、各道県においては、当該事業場が扱う廃プラスチック類の収集、運搬を行った事業者について事業者に係る資料を必ずしも有していないため、確たるものを把握することは困難であり、また、把握し得たものについても、これは、御指摘の会社と取引等を行っている事業者の事業の内容にかかわるものであり、これらの事業者からこれらの事項の公表につき、事前に了解を得ておらず、これらの事項を明らかにすることは、当該事業者の正当な利益を害するおそれがあることから、答弁を差し控えたい。
二の1について
お尋ねのうち、産業廃棄物である廃プラスチック類について、平成二年度から平成十一年度までの各年度における排出量、再生利用量及び埋立量は別表一、平成九年十二月一日から平成十二年十一月三十日までの一年間ごとの焼却量は別表二のとおりであり、その余については、統計がないため答弁することができない。
二の2について
廃プラスチック類を含む産業廃棄物を燃料とする発電所について、現在稼働中及び計画中の発電所名、所在地、建設(予定)年次、出力及び廃プラスチック類の年間(予定)焼却量は、別表三のとおりである。
廃プラスチック類を含む一般廃棄物を燃料とする発電所については、地方公共団体等の一般廃棄物用の発電機付焼却炉のうち、その大半においては、そこで焼却される家庭等から排出された一般廃棄物の中に廃プラスチック類が含まれていると考えられるが、その実態を把握することは困難であるため、発電コストの試算額を除き、答弁することができない。
発電コストについては、廃プラスチック類を含む燃料が産業廃棄物であるか一般廃棄物であるかを問わず、おおむねキロワット時当たり九円から十二円であると試算している。
二の3及び三について
廃プラスチック類については、循環型社会形成推進基本法(平成十二年法律第百十号。以下「循環法」という。)第五条、第七条等に基づき、�@発生抑制、�A再使用、�B再生利用、�C熱回収、�D適正処分の順で、その循環的な利用及び処分が図られているところであるが、廃プラスチック類の中には、その組成、汚れ等の状況から、再使用や再生利用が困難で焼却せざるを得ないものが少なくない。廃プラスチック類を燃料とする発電は、こうした焼却せざるを得ない廃プラスチック類について、既存の焼却施設に発電機を設置するなどして、焼却により排出される熱を回収し、そのエネルギーを有効利用するものであるから、これを行っても追加的に二酸化炭素が発生するものではない。また、我が国全体でみれば、石油等を燃料とする火力発電に代替することによって二酸化炭素の排出を抑制することになることから、御指摘のような懸念は当たらないと考える。
廃プラスチック類を含む廃棄物を発電に利用することについては、これまでも、新エネルギー利用等の促進に関する特別措置法(平成九年法律第三十七号)により、これを円滑に進めるために必要な措置が講じられ、また、本年三月十九日に地球温暖化対策推進本部が決定した地球温暖化対策推進大綱(以下「大綱」という。)においても、これを推進するものとしているところであり、今後とも、循環法の理念等との整合性を図りつつ、廃プラスチック類の有効利用の促進に努めてまいる所存である。
大綱においては、廃棄物の焼却に由来する二酸化炭素の排出抑制対策を推進した場合、廃プラスチック類及び廃油の焼却に由来する年間の二酸化炭素の排出量が、右対策を行わなかった場合と比較して二千十年(平成二十二年)には約三百万トン削減されるという推計を行っているところ、これは、千九百九十九年(平成十一年)と二千十年(平成二十二年)とを比較して、廃プラスチック類の年間の再生利用量は約百万トンから約四百万トンに増加し、焼却量は約八百万トンから約七百万トンに減少し、廃プラスチック類の焼却に由来する二酸化炭素の排出量は約千七百万トンから約千五百万トンに減少すると見込んで算出したものである。
また、廃プラスチック類を燃料とする発電所を設置するに当たり、当該廃プラスチック類が産業廃棄物に該当する場合には、廃棄物の処理及び清掃に関する法律(昭和四十五年法律第百三十七号)第十五条第一項の許可を受けることが必要である。
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