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芸能関係者の労働者性に関する質問主意書
衆議院 第155回 第9号
質問本文
本年七月、所謂「瀬川裁判」(映画撮影中に急死したフリーカメラマン・瀬川浩さんのご遺族が、労災適用を訴えていた行政訴訟)東京高裁法廷において、フリーカメラマンに労働者性を認める判決が出された。
フリーの映画カメラマンなど、芸能関係者に関する労働基準法第九条の「労働者」の判断基準については、平成八年に発表された労働基準法研究会労働契約等法制部会労働者性検討専門部会の報告「建設業手間請け従事者及び芸能関係者に関する労働基準法の『労働者』の判断基準について(以下、「部会報告」)」において示されているが、今回の東京高裁判決は明らかに部会報告の内容とは異なる点を含んでいる。すなわち、部会報告の具体例では、撮影技師はカメラアングルなど自己の提案が採用されることが多く、監督から一方的な指示を受けることは少ない、つまり裁量性が大きいから、労働者性は認められないとしているが、この点、高裁判決は、指揮をしているのは監督であり、撮影技師が撮影について相当程度の裁量を有していることも監督と撮影技師との指揮監督関係を否定する事情とは言えない、としているのである。これは正反対の結論と言ってよい。
上記を踏まえて、以下質問する。
一 「部会報告」の内容は、芸能関係者の労働者性の判断基準に関する、当時の労働省、つまり政府の見解であると考えてよいか。
二 一の質問につき、政府の見解であるならば、今回の東京高裁判決によってそれは変化したか。変化したのであれば、新しい見解を明らかにされたい。変化していないのであれば、高裁判決との整合性につき説明されたい。また一の質問につき、政府の見解でないならば、真の政府の見解はどこにあるのか。その内容と合わせて明らかにされたい。
三 フリーカメラマンなど芸能関係者の労働者性は、彼らへの労災適用の際に特に問題になると考えられるが、部会報告の基準では労働者性が認められる範囲が狭く、結果として芸能関係者に労災が適用されることに対する敷居を高めている。このことは瀬川さんの労災申請から高裁判決まで十五年以上の時間がかかっていることからも確認できる。政府としては、このような現状をどう考えるか。
右質問する。
政府答弁書
一について
御指摘の部会報告は、労働基準法(昭和二十二年法律第四十九号)第九条に規定する労働者に該当するか否かの判断基準(以下「労働者判断基準」という。)について、昭和六十年に労働大臣の依頼により参集した学識経験者により構成される労働基準法研究会第一部会が取りまとめた「労働基準法の「労働者」の判断基準について」(以下「昭和六十年報告」という。)をより具体化するため、平成八年に同様に同大臣の依頼により参集した学識経験者により構成される労働基準法研究会労働契約等法制部会労働者性検討専門部会が、「建設業手間請け従事者及び芸能関係者に関する労働基準法の「労働者」の判断基準について」(以下「平成八年報告」という。)として取りまとめ、同大臣に提出したものであるが、政府としても芸能関係者が同条に規定する労働者であるか否かを判断するに当たっては、これらの報告に示された労働者判断基準を参考としているところである。
二及び三について
御指摘の判決については、労働者判断基準について「業務遂行上の指揮監督関係の存否・内容、支払われる報酬の性格・額、使用者とされる者と労働者とされる者との間における具体的な仕事の依頼、業務指示等に対する諾否の自由の有無、時間的及び場所的拘束性の有無・程度、労務提供の代替性の有無、業務用機材等機械・器具の負担関係、専属性の程度、使用者の服務規律の適用の有無、公租などの公的負担関係、その他諸般の事情を総合的に考慮して判断するのが相当である」と判示しており、昭和六十年報告及び平成八年報告で示された労働者判断基準と同様の考え方に立つものであるが、認定した事実が原処分庁たる新宿労働基準監督署長とは異なったことから、労働基準法第九条に規定する労働者であるか否かについて異なる判断が行われたものと解している。
政府としては、芸能関係者が同条に規定する労働者であるか否かを判断するに当たっては、同判決のような個別事例の積み重ねも踏まえつつ、今後ともこれらの報告を参考にして適切な対応に努めてまいりたい。
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件名と質問本文の冒頭の意味が近いものを、前もって計算しておいた表から近い順に8件並べました(multilingual-e5-large)。同じ言葉を使っていなくても出ます。論点が少しずれていることもあります。