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普天間飛行場代替施設としての軍民共用空港の事業主体に関する質問主意書
衆議院 第159回 第49号趣旨が明らかではない ×2
質問本文
普天間基地は、日米両政府のいわゆるSACO合意の「五年ないし七年以内の返還」が実現されないまま、合意から七年以上が経過した。
私は、普天間基地返還に関するSACO合意は実質的に「破綻」したものと考えている。危険な普天間基地は、一刻も早く閉鎖もしくは海外に移設すべきである。
稲嶺惠一沖縄県知事は、普天間基地の県内移設を容認し、普天間基地の移設に当たって整備すべき条件として、代替施設の十五年の使用期限及び軍民共用空港を提示した。稲嶺沖縄県知事は、政府に対し、「代替施設は、民間航空機が就航できる軍民共用空港とし、将来にわたって地域及び県民の財産となり得るものであること。」を主張し、政府は平成十一年十二月二十八日、普天間飛行場の移設に係る政府方針を閣議決定し、普天間飛行場代替施設について、「普天間飛行場代替施設(以下「代替施設」という)については、軍民共用空港を念頭に整備を図ることとし、米国とも緊密に協議しつつ、以下の諸点を踏まえて取り組むこととする。」ことを明らかにした。
ところが、その軍民共用空港の事業主体は国なのか沖縄県なのか、どちらが事業主体になるべきかで沖縄県と政府との間で事業主体をめぐり意見が異なっていたが、政府が、平成十五年十二月十六日、防衛施設庁が事業主体と公表し、事業主体問題は結着した。
政府は、従来防衛庁設置法第五条第十九項を根拠に軍民共用空港民間部分の事業主体にはなれないと言明し、今回は同法同条項を根拠に防衛施設庁が事業主体になれるという結論を導き出した。普天間飛行場代替施設の事業主体についての政府決定は、関係法令を無視し、法治行政に反するものである。政府は、普天間飛行場代替施設を早期に建設せんが為に法解釈の��手品師�≠ノ変身した、と批判せざるを得ない。
以下、質問する。
一 政府は、稲嶺沖縄県知事が普天間飛行場の移設に当たって整備すべきと提示している軍民共用空港は、いかなる法律に基づく空港と定義づけられていると理解しているのか、軍民共用空港の定義と法律上の根拠を明らかにされたい。
二 政府は、米軍普天間飛行場代替施設として稲嶺沖縄県知事が提示する軍民共用空港の民間部分について、防衛施設庁が事業主体になるとの見解を公表しているが、防衛施設庁が事業主体であるとする法律上の根拠を明らかにされたい。
尚、防衛施設庁が事業主体になるということは、軍民共用空港の設置・管理者になるということか明らかにされたい。
三 マスコミ等の報道によると、政府が米軍普天間飛行場代替施設である軍民共用空港の民間部分を防衛施設庁が事業主体たり得るとする根拠として、防衛庁設置法第五条第十九項を挙げている。
防衛庁設置法第五条第十九項は、「条約に基づいて日本国にある外国軍隊(以下、この条において「駐留軍」という。)の使用に供する施設及び区域の決定、取得及び提供並びに駐留軍に提供した施設及び区域の使用条件の変更及び返還に関すること。」と定めている。
政府は、防衛庁設置法第五条第十九項の「・・・関すること」をもって、軍民共用空港の民間部分につき防衛施設庁が事業主体になり得ると判断しているようであるが、前記「・・・関すること」とは、日米安保条約に基づき駐留軍の使用に供する施設及び区域の「決定」「取得」「提供」並びに駐留軍に提供した施設及び区域の使用条件の「変更」「返還」に「関すること」を防衛施設庁の所掌事務と定めたものと解釈すべきであり、駐留軍の施設及び区域に「関すること」と解釈できないことは一見明白と考えるが、政府の見解を明らかにされたい。
四 わが国において米軍と民間航空会社が共同使用している空港はどこか明らかにされたい。また、その空港に適用されている法令及びその空港において軍が使用する地域、民間が使用する地域の各設置・管理者を明らかにされたい。
五 普天間飛行場の移設に係る政府方針(平成十一年十二月二十八日閣議決定)でいう、軍民共用空港と共同使用空港とは同じ法令上の根拠に基づく、同じ概念の空港を指すのか明らかにされたい。
六 稲嶺沖縄県知事の提示を受け、普天間飛行場の移設に係る政府方針(平成十一年十二月二十八日閣議決定)で整備を図ると政府が決めた軍民共用空港は、空港整備法に基づき整備される空港に該当するか明らかにされたい。
また、右軍民共用空港には航空法(昭和二十七年七月十五日法律第二三一号)は適用されるのか明らかにされたい。
七 防衛施設庁が事業主体となって建設されている軍民共用空港の管理は建設後沖縄県に委ねられるのか。もし、管理を沖縄県に委ねるとするといかなる法的根拠に基づくのか明らかにされたい。
八 軍民共用空港には、航空法が適用される部分と「日米安保条約第六条に基づく航空法の特例法」が適用される部分に分かれるのか、もし前記両法に適用法が分かれるとすると軍民共用空港の滑走路、着陸帯、誘導路及びエプロンなど両法の適用される部分を区分けして明らかにされたい。
また、軍民共用空港の民間空港部分における着陸料等の使用料はいかなる法律に基づき、誰が徴収するのか明らかにされたい。
右質問する。
政府答弁書
一について
お尋ねの「軍民共用空港」は、法令上の用語ではなく、沖縄県知事が平成十一年十一月に示した「代替施設は、民間航空機が就航できる軍民共用空港とし、将来にわたって地域及び県民の財産となり得るものであること」との考え方を受け、「普天間飛行場の移設に係る政府方針」(平成十一年十二月二十八日閣議決定。以下「政府方針」という。)において用いたものである。
すなわち、政府方針において、普天間飛行場代替施設(以下「代替施設」という。)については、日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約第六条に基づく施設及び区域並びに日本国における合衆国軍隊の地位に関する協定(昭和三十五年条約第七号。以下「日米地位協定」という。)に基づき我が国に駐留するアメリカ合衆国軍隊(以下「合衆国軍隊」という。)の使用に供している普天間飛行場の「移設に伴う機能及び民間飛行場としての機能の双方の確保を図る」という意味で、「軍民共用空港を念頭に整備を図る」こととしたものである。
二について
代替施設の建設については、民間飛行場としての機能にのみ供される施設の設置が予定されている区域(以下「民間区域」という。)を含め、防衛庁設置法(昭和二十九年法律第百六十四号)第五条第十九号及び第四十二条の規定に基づき防衛施設庁が行うこととしている。
お尋ねの「軍民共用空港の設置・管理者」の意味するところが必ずしも明らかではないが、代替施設の建設に当たり必要とされる環境影響評価法(平成九年法律第八十一号)、公有水面埋立法(大正十年法律第五十七号)等の定める手続については、防衛施設庁が行うこととしている。
また、代替施設の管理の在り方については、今後、関係機関と協議を行いつつ検討することとしている。
三について
防衛施設庁は、防衛庁設置法第四十二条において、同法第五条第十九号に掲げる事務をつかさどるとされ、同号の掲げる事務については、「条約に基づいて日本国にある外国軍隊(以下この条において「駐留軍」という。)の使用に供する施設及び区域の決定、取得及び提供並びに駐留軍に提供した施設及び区域の使用条件の変更及び返還に関すること」と規定されているところ、その範囲については、同号に規定する施設及び区域の「決定、取得及び提供」そのものではなくとも、これらの遂行に密接なかかわりのある事務も同号の事務の範囲に含まれるものと解している。
民間区域は合衆国軍隊の使用に供する施設及び区域そのものではないが、一についてで述べた沖縄県知事の考え方を受けて軍民共用空港を念頭に整備を図ることとしたという経緯を踏まえれば、代替施設の建設においては民間区域の建設が不可欠の前提となっていると認められ、民間区域も含め代替施設全体が不可分一体のものとして扱われるものであることから、民間区域の建設についても同号の事務に含まれるものと考えている。
四について
お尋ねの「共同使用」がどのような使用形態のものを指すのか必ずしも明らかではないが、現在、日米地位協定第二条1に基づき我が国がアメリカ合衆国に提供している施設及び区域のうち合衆国軍隊の航空機が配備されている飛行場で我が国の民間航空機の定期便(以下「民間定期便」という。)が乗り入れているものを指すとすれば、これに該当するのは、三沢飛行場である。
三沢飛行場については、日米地位協定を実施するため、日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約第六条に基づく施設及び区域並びに日本国における合衆国軍隊の地位に関する協定の実施に伴う国有の財産の管理に関する法律(昭和二十七年法律第百十号)、日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約第六条に基づく施設及び区域並びに日本国における合衆国軍隊の地位に関する協定及び日本国における国際連合の軍隊の地位に関する協定の実施に伴う航空法の特例に関する法律(昭和二十七年法律第二百三十二号。以下「特例法」という。)等が適用される。
三沢飛行場は空港整備法(昭和三十一年法律第八十号)に基づく空港として指定されておらず、また、特例法第一項の規定に基づき航空法(昭和二十七年法律第二百三十一号)第三十八条第一項の規定は適用されないので、お尋ねの「設置・管理者」とは、これらの法律にいう「設置」及び「管理」ではなく、一般的な意味で同飛行場を設置し管理している者を問うものであると解してお答えすると、同飛行場の施設については政府が設置し、合衆国軍隊が日米地位協定第三条に基づき管理しており、また、民間定期便が同飛行場に乗り入れるため使用されている右施設以外のエプロン、航空旅客ターミナル等については国土交通省東京航空局及び民間事業者が設置及び管理を行っている。
五から八までについて
代替施設については、日米地位協定に基づき合衆国軍隊の使用に供され、民間航空機が乗り入れることができるという点においては、四についてで述べた三沢飛行場と同様のものとなると考えている。
代替施設を空港整備法に基づく空港として指定し、整備することは考えていない。
代替施設のうち、合衆国軍隊の使用に供する区域については特例法第一項の規定に基づき航空法第三十八条第一項の規定は適用されず、また、民間区域についてもそれのみでは飛行場としての機能を有しないものが予定されていることから同規定は適用されないと解している。
代替施設の管理及び運営の在り方、代替施設に設置される個々の施設に対する関係法令の具体的な適用等に係るその他のお尋ねについては、今後関係機関と協議しつつ検討することとしているため、お答えする段階にはない。
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