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介護保険制度改革に関する質問主意書
衆議院 第162回 第20号
質問本文
我が国の急速な少子高齢化の進展に伴い、今後、社会保障費は経済の伸びを大きく上回って増大していくことが見込まれている。平成二〇年度の社会保障関係費は、「平成一七年度予算の後年度歳出・歳入への影響試算」(平成一七年一月財務省)によれば、平成一六年度より三・七兆円増加することが見込まれている。プライマリーバランスを均衡化させ、我が国の財政を健全なものとしていくためには一般歳出の約四割を占め、年々増加する社会保障関係費の抑制を図ることは、我が国の財政上、最大の課題である。
社会保障費の約一割を占める介護保険制度については、これまで給付費が毎年一〇%を超えて伸びており、これを支える保険料・公費負担も急増してきている。今国会に介護保険制度改正のための法律案が提出されているが、民間の力を生かし、公正で効率的な制度の運営を行うため、政府に対し以下質問する。
一 介護保険制度に関して、要介護度の認定率等については地域によって格差が生じていることが指摘されている。第一号被保険者に対する第一号認定者の割合、特に要介護度が軽度(要支援〜要介護二)の認定率については、茨城県、埼玉県は約六%、鹿児島県、長崎県、徳島県は一二%以上(厚生労働省、平成一四年度介護保険事業状況報告年報)とされ、約二倍の地域格差が生じている。また、第一号被保険者一人あたりの支給額は、埼玉県、茨城県は一五万円以下、沖縄県、徳島県は二六万円以上(厚生労働省、平成一四年度介護保険事業状況報告年報)とされ、約二倍の地域格差が生じている。さらに、各都道府県平均保険料基準額については、同基準額(第二期)が最も高い沖縄県で月額四九五七円、最も低い茨城県は月額二六一三円、とされている(厚生労働省、社会保障審議会介護保険部会〔第一四回、平成一六年六月二八日〕資料)。このような地域格差が存在しているが、政府は、これらの地域格差が生じている要因をどのように分析しているのか、また、これらの地域格差を是正するために、政府はどのような施策を展開し、今後、どのように取り組んでいくのか。
二 現在、特別養護老人ホームの経営主体は自治体又は社会福祉法人に限定されている。構造改革特別区域において、PFI方式又は公設民営方式の仕組みで株式会社等の参入が認められている。一方で、施設介護に対する需要は高く、供給が追いついていない状況がある。多様な主体が介護サービスを提供していくことで競争原理が生じ、より質の高い介護サービスがより低廉な価格で提供可能となるのではないか。利用者がサービスを選択するという介護保険の制度趣旨を踏まえ、構造改革特別区域以外でも、施設介護サービスへの株式会社などの参入促進を図るとともに、民設民営による特別養護老人ホームを認めていくことが必要であると考えるが政府の考えはいかがか。
三 利用者がサービスを選択するという介護保険の制度趣旨を担保する観点から、介護サービスの内容や運営状況に関する情報等、介護サービス事業所の情報開示が必要である。今国会に提出されている介護保険制度改正法案では、全ての介護サービス事業者に情報の公表を義務付けることとされている。具体的な情報開示項目については、例えば、施設入所者の要介護度の改善状況に関する情報というようなサービス利用者の選択に資する内容が必要であると考えるが、政府はどのように考えているのか。
四 三について、サービス利用者にとっては、正確な介護サービス事業所の情報に接することが必要不可欠である。開示された情報を第三者が検証・評価する仕組みを取り入れる必要があると考えるが、政府はどのように考えているのか。
五 介護サービス従事者の資質の向上のために、将来的に介護福祉士に一本化する方向性が示されている。サービス利用者のために従事者の資質の向上を図ることは必要であるが、要件を厳しくすることで、不足している介護サービスの担い手をさらに減らしてしまうことが懸念される。介護サービス事業を高コスト構造にしないために、サービス従事者の層を増やすための施策も必要であると考えるが、政府はどのような施策を展開し、今後、どのように取り組んでいくのか。
右質問する。
政府答弁書
一について
介護保険の第一号被保険者(以下「第一号被保険者」という。)全体に占める要介護認定又は要支援認定(以下「要介護認定等」という。)を受けた者の割合は全国的にみて地域差があり、特に軽度の要介護認定又は要支援認定を受けた者の割合に大きな地域差があるところである。この原因は、要介護認定等の申請を行った者のうち非該当となる者の割合がいずれの都道府県においても一パーセント程度であることから、第一号被保険者全体に占める要介護認定等の申請を行う者の割合の違いによるものと考えている。また、第一号被保険者一人当たりの支給額及び第一号被保険者の保険料の地域差は、いずれも第一号被保険者全体に占める要介護認定等を受けて給付を受けた者(以下「受給者」という。)の割合及び受給者一人当たりの給付額が異なることによるものであり、受給者一人当たりの給付額の違いには主として施設サービスの利用状況が影響を与えているものと考えられる。
介護保険制度は、保険者である市町村が、それぞれの地域住民のニーズを踏まえて、提供するサービスの水準と保険料の設定を行う仕組みであるが、各市町村の高齢者の人口構成や被保険者の所得水準の違いなど、必ずしも市町村の責めに帰すべきでない事由については、保険料の格差が生じないよう、国が必要な財政調整を行っているところである。このため、市町村で給付と負担の水準が異なるのは、基本的には、それぞれの地域住民の選択の結果であり、必ずしもその水準が全国一律でなければならないものとは考えていないところである。
二について
地方公共団体、地方独立行政法人(地方独立行政法人法(平成十五年法律第百十八号)第二条第一項に規定する地方独立行政法人をいう。以下同じ。)及び社会福祉法人以外の者による特別養護老人ホームの経営については、構造改革特別区域において、利用者の保護に配慮する観点から経営の安定性及び継続性を確保するため、地方公共団体が十分に関与できる民間資金等の活用による公共施設等の整備等の促進に関する法律(平成十一年法律第百十七号)第二条第五項に規定する選定事業者が特別養護老人ホームを設置する方式又は構造改革特別区域法(平成十四年法律第百八十九号)第三十一条第一項に規定する法人に地方公共団体が特別養護老人ホームの管理を委託する方式(以下「公設民営方式」という。)の下で行うことができることとしたところであり、本年四月から全国で二施設が公設民営方式での経営を開始する予定となっている。構造改革特別区域以外における地方公共団体、地方独立行政法人及び社会福祉法人以外の者による特別養護老人ホームの経営については、まず構造改革特別区域におけるこれらの規制の特例措置の実施状況について十分な評価を行った上で検討すべきものと考えている。
三及び四について
第百六十二回国会に提出した介護保険法等の一部を改正する法律案(以下「法案」という。)においては、介護サービス事業者がその提供する介護サービスに係る介護サービス情報を都道府県知事に報告し、都道府県知事が当該介護サービス情報を公表する仕組みを設けることとしている。介護サービス情報は、介護サービスの内容及び介護サービスを提供する事業者又は施設の運営状況に関する情報であって、介護サービスを利用し、又は利用しようとする要介護者又は要支援者が適切かつ円滑に当該介護サービスを利用する機会を確保するために公表されることが必要なものとして厚生労働省令で定めるものと規定されており、同省令で規定する内容については、今後、検討することとしている。
また、法案では、介護サービス情報のうち、公表に当たって第三者が公正かつ中立的な立場から調査することが必要な情報については、都道府県知事又はその指定する者が調査することとしている。
五について
介護サービスに従事する者については、今後、要介護高齢者の重度化が進み、認知症(法案第一条の規定による改正後の介護保険法(平成九年法律第百二十三号)第七条第十五項に規定する認知症をいう。)の高齢者が増加していく中で、その資質の向上が重要であることから、研修の充実を図るとともに、現在、介護サービスに従事している者が受けやすい研修を検討するなど、介護サービスに従事する者が資質の向上に取り組みやすい環境の整備を図ってまいりたい。
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件名と質問本文の冒頭の意味が近いものを、前もって計算しておいた表から近い順に8件並べました(multilingual-e5-large)。同じ言葉を使っていなくても出ます。論点が少しずれていることもあります。