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介護保険制度の見直しに関する質問主意書

衆議院 第146回 第7号検討してまいりたい ×1

提出者
衆議院
提出日
1999年11月17日
内閣転送 1999年11月18日
答弁書受領日
1999年11月25日
提出から8日
答弁の項目数
15
質問 2,118字/答弁 2,388字

質問本文

介護保険制度が、平成十二年四月から実施される。これに対して、政府は半年間の保険料徴収凍結などの見直しを決めた。このことは、「保険料徴収とサービス給付は不可分である」という保険の大原則を崩すばかりか、今日まで介護保険制度の円滑導入のために必死で準備してきた市町村の努力を無にする暴挙である。

十一月十七日に行われた衆議院厚生委員会の参考人質疑においても、市町村の首長の参考人からは「今になって制度の根幹を変えることは、現場の混乱を招く」「大きな変更は耐えがたい」などという意見が相次ぎ、困惑し混迷を深めている現場の声が一層明らかになった。

したがって、次の事項について質問する。

なお、本案件の市町村への影響の大きさに鑑み、国会法第七十五条の規定に従い、七日以内に答弁するように求める。

一 介護保険法に規定する、保険料の賦課徴収をはじめとする保険者たる市町村の介護保険事業運営に係る事務は、自治事務か法定受託事務か。

二 介護保険の第一号保険料の賦課・徴収権者は誰か。第一号保険料の賦課徴収に関する事項は、市町村条例で定めるべき事項と解されるが、いかがか。

三 国は、政府見直し案を根拠に、市町村が介護保険法の規定に基づき、条例の定めるところによって平成十二年四月一日から第一号保険料を徴収することを妨げることはできないと解するが、いかがか。

四 今般の与党三党合意に、「介護保険制度に関し、保険料に関わる部分は実施しない」とあるが、その具体的な趣旨を政府はどう理解しているのか。「保険料は徴収しない」と理解しているのか。

五 政府見直し案によれば、国は平成十二年四月以降半年間市町村が第一号保険料を徴収しないことができるよう、またその後一年間についても、経過的に第一号保険料を二分の一に軽減できるように措置するとのことだが、その具体的措置内容を明らかにせよ。

六 政府見直し案にある市町村への交付金の使途・目的は限定されるのか。限定されるのであれば、その使途は具体的にはいかなるものか。

七 政府見直し案が想定する施策を全国で実現するためには、単に未徴収・軽減徴収に係る歳入不足を補てんする財源措置をするだけでは不十分であり、各市町村保険者は、半年間保険料を徴収しない、あるいはその後一年間保険料の二分の一を軽減する内容の介護保険条例を制定することが必要になるのではないか。政府の見解を明らかにせよ。

仮に条例制定が必要であるとすると、市町村条例で規定しなければならない事項及びその内容を明らかにせよ。

八 七の保険料徴収の免除あるいは軽減を補てんするための財政措置は、この措置の一部又は全部に従わない市町村、具体的には、平成十二年四月一日から軽減せず保険料徴収を実施する市町村や、同措置とは異なる割合・異なる基準での軽減措置を行って保険料徴収を行う市町村に対しても適用されるのか。

適用されないとすれば、当該措置は保険料の賦課徴収に関し、事実上国の意向どおりの内容の条例制定を市町村に一律に強制するものにほかならず、市町村の条例制定権を侵害するものではないか。

九 介護保険法第百二十九条、第百三十条、第百四十六条等の関連条項を合理的かつ整合的に解釈すれば、法は、市町村が条例の定めるところにより、毎年度、年度の初日を賦課期日として、年度単位で第一号被保険者に対して保険料を賦課・徴収すべき旨規定しているものと解されるが、いかがか。

しかるに、これら保険料の賦課徴収に関する事項について、政府見直し案を根拠に、法律改正を行わず、財政措置・行政指導その他の方法によって、その一部又は全部を事実上実施しないよう市町村に求めることは適法な措置といえるか。

十 政府見直し案の如何にかかわらず、介護保険法等の規定により、平成十二年四月から保険料を徴収することとした市町村があれば、年金保険者は、特別徴収義務者として、当該市町村に係る第一号保険料の特別徴収を行う義務を負うものと解するが、いかがか。

十一 政府見直し案の如何にかかわらず、年金保険者は、介護保険法施行法第十六条第一項に規定する、老齢退職年金給付を受ける者に係る通知を、厚生大臣の定める期日(平成十一年十一月三十日)までに、市町村に対し行わなければならない義務を負っているものと解するが、いかがか。

十二 介護保険法施行法第十六条第三項の趣旨は何か。同項は、制度発足当初の平成十二年度の保険料について、市町村に仮徴収の方法により保険料徴収を行うことができる権能を付与する規定にすぎないのではないか。

十三 年金保険者たる政府(社会保険庁)は、介護保険法施行法第十六条第一項に規定する通知を、いつ市町村に対して行うのか。

十四 厚生省は、介護保険法施行法施行令第五十五条に規定する厚生省令で定める額(平成十二年度の仮徴収に係る保険料の基準額)をいつ定めるのか。また、その額はいくらか。定めないとすれば、定めないこととすることが出来る条文解釈の根拠及び定めないこととする理由は何か。

十五 保険料徴収凍結のための交付金を補正予算に計上することは、財政法違反ではないか。

右質問する。

衆議院の原文・経過

政府答弁書

一について

地方分権の推進を図るための関係法律の整備等に関する法律(平成十一年法律第八十七号。以下「地方分権一括法」という。)第二百三十五条の規定による改正後の介護保険法(平成九年法律第百二十三号)及び地方分権一括法第二百三十六条の規定による改正後の介護保険法施行法(平成九年法律第百二十四号)に規定する介護保険事業に関する市町村(特別区を含む。以下同じ。)の事務は、自治事務となる。

二について

介護保険法第九条第一号に規定する第一号被保険者に係る保険料(以下「第一号保険料」という。)の賦課については市町村が行う。また、同法第百三十一条に規定する特別徴収(以下「特別徴収」という。)は市町村が同条に規定する年金保険者(以下「年金保険者」という。)に行わせ、同条に規定する普通徴収(以下「普通徴収」という。)は市町村が行う。また、第一号保険料の賦課及び徴収に関する事項は、介護保険法及び介護保険法施行法並びにこれらの法律に基づく命令並びに市町村の条例により定められる。

三について

平成十一年十一月五日に決定した介護保険法を円滑に実施するための特別対策においては、同法の施行後半年間は第一号保険料を徴収しないことができるよう、また、その後一年間は第一号保険料を経過的に二分の一に軽減することができるよう、国として必要な措置を講ずることとしている。政府としては、市町村に対して、この措置の趣旨及び内容を十分に説明し、理解を得るよう努めてまいる所存であるが、同法の施行後半年間において市町村が第一号保険料を徴収するか否かは、最終的には市町村の判断によるものと考えている。

四について

平成十一年十月二十九日に与党三党の間で合意された事項のうち、「概ね半年間、保険料に関わる部分については実施しない」とあるのは、おおむね半年間は第一号保険料を徴収しないことができるようにするという趣旨のものであると理解している。

五について

政府としては、市町村が、介護保険法の施行後半年間は第一号保険料を徴収しないことができるよう、

また、その後一年間は第一号保険料を経過的に軽減することができるようにするとともに、平成十一年度以降の準備経費等の一部に充てることができるようにする目的で、これらの措置に必要な費用に充てるための基金を造成する市町村に対して国から交付金を交付することを予定しているが、その交付基準等については、現在、検討を行っているところである。

六について

五についてで述べた国からの交付金は、基本的には、介護保険法の施行後半年間は第一号保険料を徴収せず、その後一年間は第一号保険料を経過的に軽減するために使用されるべきものと考えている。

七について

市町村が、介護保険法の施行後半年間は第一号保険料を徴収せず、その後一年間は第一号保険料を経過的に軽減する場合、第一号保険料を定める条例に所要の手当てが必要になるものと考える。条例上、手当てすべき事項及び内容に関する国としての指針については、現在、検討を行っているところである。

八について

五についてで述べた国からの交付金は、介護保険法の施行後半年間は第一号保険料を徴収しない措置を実施しない市町村又はその後一年間は第一号保険料を経過的に軽減する措置を実施しない市町村に対しても、当該市町村が造成する基金の資金によって行われる措置の態様に応じて交付されるものであり、御指摘のような条例制定権の侵害には当たるものではないと考えている。

九について

介護保険法においては、市町村が、毎年度四月一日を賦課期日として、年度を単位として第一号保険料を賦課するとともに、特別徴収又は普通徴収の方法により徴収すべき旨が規定されている。

また、普通徴収の場合はその納期が市町村の条例で定めることとされていること及び特別徴収の場合は同法の施行後半年間に限ってはその実施が市町村の裁量にゆだねられていることから、市町村において、同法の施行後半年間に第一号保険料を徴収しないという取扱いを行うことは、法律上許容されているものと考えている。

十について

市町村が介護保険法の施行後半年間に第一号保険料の特別徴収を行うこととし、年金保険者等に対して特別徴収すべき額等の通知を行った場合は、当該年金保険者は特別徴収を行う義務を負うこととなる。

十一について

介護保険法施行法第十六条第一項の規定による通知については、年金保険者は、平成十一年十一月三十日までに行わなければならない。

十二について

介護保険法施行法第十六条第三項の規定には、介護保険制度発足時の経過的な取扱いとして、市町村が第一号保険料を特別徴収の方法により徴収するか否かについて、市町村の裁量の余地を残す趣旨が含まれていると解される。

十三について

介護保険法施行法第十六条第一項に規定する通知については、平成十一年十一月三十日までに行うことができるよう準備を進めているところである。

十四について

介護保険法施行令(平成十年政令第四百十二号)第五十五条第一項に規定する厚生省令で定める額の取扱いについては、現在検討しているところである。

十五について

財政法(昭和二十二年法律第三十四号)第二十九条は、補正予算を作成することができる場合として、「予算作成後に生じた事由に基づき特に緊要となつた経費の支出」を行うため必要な予算の追加を行う場合等を挙げている。

五についてで述べた国からの交付金については、介護保険法の円滑な実施を図るための特別対策を講ずることが必要となったという事由に基づき、平成十一年度中に市町村に同法の円滑な実施を図るための基金を造成することにより市町村における保険料率の決定等の同法の施行準備に万全を期すために特に緊要となった経費であることから、御指摘は当たらない。

衆議院の原文

この答弁書に出てくる定型句

検討してまいりたい ×1

語の一致で数えたものです。答弁の評価ではありません。同じ型の答弁が過去にどれだけあるかは、型を押すと出ます。

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