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公立小中学校施設の耐震化の促進に関する質問主意書

衆議院 第162回 第98号お答えすることは困難 ×1検討してまいりたい ×3

提出者
日本共産党
提出日
2005年7月12日
内閣転送 2005年7月20日
答弁書受領日
2005年7月26日
提出から14日
答弁の項目数
11
質問 2,753字/答弁 2,100字

質問本文

本年三月の福岡県西方沖地震、昨年の新潟県中越地震では、公立小中学校施設においては、直接的に子どもの生命を脅かすような事態は免れた。しかしながら、学校施設は多大な被害を受けており、今回の福岡県西方沖地震では、福岡県の玄界島における校舎の「倒壊」をはじめ、教室、体育館の内壁のひび、エキスパンションジョイントの破損、ガラスの破損、天井材の落下や備品の転倒など、被災箇所数は三六六箇所に達した。

現在までに、被災した施設の八割は、通常の教育活動ができる状態に復帰したということであるが、一定の期間、教育活動はもとより、地域住民の避難所としての使用に耐えない被害を多々受けており、それは児童生徒、地域住民に大きな不安を与えたのである。

福岡県西方沖地震は、例えば東海地震や東南海地震だけでなく、今後も全国どこでも大規模な地震が起こりうる可能性があるということを示している。

学校施設は、児童生徒が一日の大半を過ごす学習、生活の場であるとともに、地震、豪雨等の災害発生時には、地域住民の応急的な避難場所、地域の防災拠点としての中心的役割を担っている。

地震発生時において、児童生徒の人命を守るとともに、地震等の災害発生時の児童生徒、地域住民の避難場所として必要となる機能を果たせるように、施設や設備の損傷を最小限にとどめるために、十分な耐震性能をもたせて学校施設を整備することが重要である。

福岡県西方沖地震の公立小中学校施設の被害状況を踏まえ、学校施設における耐震化の確保は急務と言わなければならない。

従って、以下の事項について質問する。

一 今回の福岡県西方沖地震、昨年の新潟県中越地震の発生を踏まえて、公立小中学校施設の耐震化の緊急確保について、政府の基本的な考え方と方針を伺いたい。

二 二〇〇五年四月一日現在の公立小中学校施設の耐震改修状況について、文部科学省は調査結果をまとめて公表した。

全国の公立小中学校施設全一三万棟のうち、約八万四千棟(六三・九%)は、現行の耐震基準が定められた一九八一年以前に建築された施設である。

この八万四千棟のうち、耐震診断が実施された棟数は、四万七千棟(五六・三%)である。その中で、耐震性がある建物(改修済を含む)は、二万五六二棟(一五・七%)で、残りの約二万六五一九棟(二〇・三%)は、耐震診断によって、耐震性のない建物と確認されながら未改修のままであることが明らかになっている。

このように、全国的には、依然として耐震化が進んでいないだけでなく、半分の施設に耐震性が確認されていない状況である。これをどのように考えているのか。

三 全国で耐震性が確認されていない建物は、約六万三千棟(四八・二%)にのぼっている。福岡県西方沖地震により被災地となった福岡県の一九八一年以前の建物の耐震診断率は二一%、佐賀県一八%、長崎県一三・五%、熊本県二六・七%、大分県四一・三%、宮崎県四三・一%、鹿児島県一五・五%である。

また、一九八一年以前の建物の耐震化率については、概ね福岡県は、七%、佐賀県一一%、長崎県六%、熊本県七%、大分県一三%、宮崎県二五%、鹿児島県一二%である。

九州地方の場合には、全国と比較して、耐震診断、耐震化のいずれも北海道地方、東北地方とともに著しく遅れている。

この際、各都道府県の公立小中学校施設の耐震改修状況について、一九八一年以前と以後の建物とを区別し、それぞれの耐震診断実施済の棟数と耐震診断実施率、耐震化済(耐震性のある、及びすでに改修・補強済の建物)の棟数と耐震化率を明らかにされたい。

四 一九八一年の新耐震基準以前に建てられた、学校施設に対する耐震診断実施率と耐震化率を都道府県別に見てみると大きな地域間の格差があるが、何故生じていると認識しているのか。このような地域間の格差をなくすために、政府はどのような方針を持ち、対策を講ずるつもりなのか。

五 公立の小中学校施設は七五年代をピークとして整備が行なわれてきた。そのために、老朽化の進行がみられ始める二〇年を経過した校舎が全体の約七二・九%を占めており、なかには四〇年、五〇年を経過した校舎も存在するなど、老朽化が深刻な問題となっている。

そこで一九七一年以前の校舎、一九七二年から一九八一年の校舎は、各都道府県にどのくらい存在するのか、明らかにされたい。

六 一九七一年以前及び一九七二年から一九八一年の老朽化した校舎、特に倒壊や大破の危険性の高い校舎の耐震診断及び耐震化を優先的に図る必要があると考えるが、政府の具体的な方針を伺いたい。

七 文部科学省が、市町村に対して本年一月に行なった調査によれば、耐震化が進まない理由として、約七割が「耐震補強事業の予算措置が困難」、約六割が「耐震診断経費の予算措置が困難」と財政面での問題を指摘している。

多数の学校を抱える設置者である市町村が、多大な財政負担が生じることから耐震化を躊躇しているという現状を、どのように解決して耐震診断の実施、耐震化の促進を図るのか。

八 設置者が、学校施設の耐震化を行なう場合の現行の国庫負担・補助制度はどのようになっているのか、あらためてその概要を明らかにされたい。

九 耐震診断については、国の補助制度がないことから、政府は「耐震化優先度調査」を推奨しているが、設置者が実施する耐震診断に対して、国は、少なくとも予算措置による補助を検討すべきと考えるがどうか。

十 国は、設置者が学校施設の耐震化を促進するために、現行の国庫負担・補助制度の見直しを含めた財政措置を講ずべきと考えるが、検討する用意はあるか。

学校施設の耐震化等は、重要な社会資本の整備であり、この事業に対する国等の財政支出は経済的効果があるものと考えるがどうか。

十一 本年三月、学校施設整備指針策定に関する調査研究協力者会議は、「耐震化の推進など今後の学校施設整備の在り方について」との報告書をまとめた。これまでは建築後三〇年以上を経過した学校施設を改善する場合には、改修よりも、全面建て替え(改築)による整備が多く行なわれてきた。同報告書は、「膨大な学校施設について、限られた予算で、できる限り多くの施設の耐震性をより早急かつ効率的に確保するとともに、老朽施設の質的整備も図っていくためには、基本的に、これまでの全面建て替え(改築)方式から、工事費が安価で工期の短い改修方式による再生整備への転換を図る必要がある」との提言をしている。

政府としても、「全面建て替え方式」から「改修方式」に方針を転換する考えか、それによって、地震時に子どもたちの生命を守ることができる耐震性を確保できるのか。見解を伺いたい。

右質問する。

衆議院の原文・経過

政府答弁書

一について

公立の小学校及び中学校の施設(以下「公立小中学校施設」という。)は、児童生徒が一日のうち多くの時間を過ごす活動の場であるとともに、非常災害時には地域住民の応急避難場所としての役割も果たすことから、その耐震性の確保は、極めて重要であると考える。

このため、公立小中学校施設の耐震関連予算の確保に努めてきたところである。また、本年三月の文部科学省の学校施設整備指針策定に関する調査研究協力者会議の報告書(以下「協力者会議報告書」という。)において、より早急かつ効率的に公立小中学校施設の耐震化を図るため、全面建て替え方式から工事費が安価で工期の短い改修方式への転換を図り、今後五年間で耐震化を重点的に実施すべきこと等を内容とする提言がなされたところである。今後は、この提言等も踏まえ、公立小中学校施設の耐震性の早急な確保に努めてまいりたい。

二について

本年四月に文部科学省が実施した耐震改修状況調査(以下「耐震改修状況調査」という。)によれば、公立小中学校施設のうち、耐震性が確認されている建物の占める割合が五十一・八パーセントにとどまっている状況にあり、全国的に耐震化を図る必要があると考える。

三について

お尋ねの各都道府県の公立小中学校施設の耐震改修状況については、耐震改修状況調査の結果を本年七月八日に公表したところであり、その内容は、現在、文部科学省のホームページにも掲載している。

四について

お尋ねの耐震診断実施率と耐震化率に地域間の格差が生じている理由については、各公立小中学校施設の設置者において、大規模な地震が発生することに対する切迫性の認識に差があること等によって、耐震化の取組に差異があるためであると理解している。

しかしながら、ある程度の規模の被害を伴う地震はどの地域においても起こる可能性があり、全国的に耐震化を図る必要があることから、耐震改修状況調査の結果の公表等による意識の啓発を含めて、設置者による耐震化の取組を支援してまいりたい。

五について

各公立小中学校施設の建築年、保有面積等については把握しているが、お尋ねの区分に従って集計することは作業が膨大なものとなることから、お答えすることは困難である。

六について

協力者会議報告書において、特に倒壊や大破の危険性が極めて高い建物から優先的に耐震補強等を図るべきであるとの提言がなされたところであり、この提言等も踏まえ、公立小中学校施設の耐震性の早急な確保に努めてまいりたい。

七について

協力者会議報告書において、設置者の財政負担が大きい公立小中学校施設の整備については、国が必要な財源を安定的に保障すべきであるとの提言がなされているところであり、この提言等も踏まえ、耐震化を図るための方策を検討してまいりたい。

八について

設置者が行う公立小中学校施設の改築又は耐震補強に係る事業については、義務教育諸学校施設費国庫負担法(昭和三十三年法律第八十一号)第三条第一項等により、これに要する経費が国庫負担又は国庫補助の対象とされている。また、地震防災上緊急に整備すべき木造以外の校舎の耐震補強に係る事業等については、地震防災対策特別措置法(平成七年法律第百十一号)第四条等により、国庫補助の割合を当該事業等に関する法令の規定にかかわらず二分の一にする等の特例措置が講じられている。

九について

現行制度において、公立小中学校施設の耐震化に係る補助事業の実施年度の前々年度までに行った耐震診断の経費については、国庫補助の対象としている。また、地震防災対策特別措置法に基づく地震防災緊急事業五箇年計画等に計上されている事業に係る耐震診断の経費については、計画期間内であれば国庫補助の対象としている。

十について

協力者会議報告書においては、公立小中学校施設の耐震化を図るため、地方公共団体の主体的判断による全面建て替え方式から改修方式への転換を促すよう財政支援の仕組みを改革すべきであるとの提言がなされているところである。また、平成十六年十一月二十六日に、政府・与党で合意し、取りまとめた「三位一体の改革について」においては、「公立文教施設等、建設国債対象経費である施設費の取扱い」について、平成十七年中に検討を行い、結論を得ることとされており、「公立文教施設費の取り扱いについては、義務教育のあり方等について平成十七年秋までに結論を出す中央教育審議会の審議結果を踏まえ、決定する。」とされている。これらを踏まえ、全国的に耐震化を推進する仕組みについて検討してまいりたい。

また、学校施設の耐震化等に対する国等の財政支出は、一定の経済的効果をもたらすものと考える。

十一について

一についてで述べたとおり、協力者会議報告書においては、より早急かつ効率的に公立小中学校施設の耐震化を図るため、全面建て替え方式から工事費が安価で工期の短い改修方式への転換を図るべきであるとの提言がなされているところであり、この提言等も踏まえ、全面建て替え方式から改修方式への転換を促し、耐震性を確保する方策を検討してまいりたい。

衆議院の原文

この答弁書に出てくる定型句

お答えすることは困難 ×1検討してまいりたい ×3

語の一致で数えたものです。答弁の評価ではありません。同じ型の答弁が過去にどれだけあるかは、型を押すと出ます。

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