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新石垣空港建設整備事業に関する質問主意書

衆議院 第163回 第71号お答えすることは困難 ×3

提出者
民主党・無所属クラブ
提出日
2005年10月31日
内閣転送 2005年11月1日
答弁書受領日
2005年11月11日
提出から11日
答弁の項目数
4
質問 3,528字/答弁 1,137字

質問本文

一 新石垣空港環境影響評価書(以下「評価書」という。)に対する国土交通大臣意見に基づき沖縄県は補正を行い、本年九月九日から公告・縦覧したが、補正前の評価書について環境省は「主要なデータが足りていない。環境影響の見通しがついたとはいえない」と述べていた。補正後の評価書についても事業日程に合わせた不十分な補正との指摘があるが、補正後の評価書についての政府の見解を問う。

二 新石垣空港環境影響評価書に対する国交大臣意見1では、A洞窟及びD洞窟の保全に万全を期することが求められた。しかし沖縄県の「移動経路や洞口環境等の保全のために、A、D洞口周辺の土地を取得する」との対応は、「ゴルフ場の残地を利用して」と書かれていた補正前の評価書と実質的に何ら変わらない。また、ドレーン層の下流側への移動も大臣意見4で求められた措置を行なっただけである。大臣意見1は大臣意見2以下のA、D洞窟の小型コウモリ類に関する指摘以外の沖縄県独自にさらなる対応(努力)を「保全に万全を期すること」として求められているものであり、その点からして沖縄県はこの大臣意見1に何ら応えていない。大臣意見1に対する沖縄県の対応は適切かつ十分といえるのか、政府の見解を示されたい。

三 同国交大臣意見2に対して沖縄県は、C洞窟については、トンネルを設けて敷地外に洞口を創設するとしているが、そのトンネルは浸透池の地下を通すとしている。しかし、このトンネルの設置で浸透池の浸透能やろ過機能にどのような影響を与えるのか、検討されていないが、それについてどう考えるのか、答弁を求める。また、B洞窟及びE洞窟への対応を含めて供用後、航空騒音・振動の直下でこれらの洞窟がコウモリ類に利用される可能性はどれくらい期待できるものと判断しているのか、政府の見解を求める。

四 評価書に対する国土交通大臣意見3では事業実施区域及びその周辺洞窟の小型コウモリ類の追加調査が求められた。これに対して沖縄県は、五・六月に二回の調査を行なっただけで「集団で利用する洞窟ではない」との結論を出した。しかし、コウモリ研究者の意見書や環境省が外部に委託してコウモリ類の保全のありかたを取りまとめた報告書(「環境影響評価に関する事後調査報告等収集・整理・解析事業報告書」、平成十五年三月)、さらに国土交通省の外郭団体である国土技術政策総合研究所等が編集した「コウモリ類調査の手引2・3」(平成十七年三月)のいずれにおいてもコウモリ類は季節によって利用する洞窟を変えるため一年以上の調査の必要性が指摘されている。また、この結論の理由とされている洞窟の水没についても研究者は、自然洞窟は人間にはわからない抜け道がある可能性があり、又一年中水没しているわけではないのでせめて一年間の調査をしなければ利用の実態は把握できないと言っている。今回の大臣意見に基づく県のコウモリ類の追加調査を適切なものと評価するのか、政府の見解を問う。

五 同国交大臣意見5、6に対する沖縄県の対応は、補正前の評価書と実質的には何ら変わっていない。特にA、D洞窟の小型コウモリ類への工事中の騒音・振動に対する環境保全措置は、建設機械の稼動実態(機械の台数、稼動日数)とかけ離れた条件のもとで行なわれた調査実験に基づき策定されたものである。この環境保全措置でコウモリへの影響は回避・低減できるのか。小型コウモリ類についての沖縄県の影響評価の核であるA、D洞窟の保全に直結する事柄だけに、事後調査で対応するのではなく、稼動実態により近い条件のもとでさらに調査実験をしたうえ、環境保全措置を検討するべきではないか。政府の見解を示されたい。

六 大臣意見8の、新たに確認された場合の小型コウモリ類の利用についての調査は、四で指摘したように少なくとも一年以上は必要と考えるが、あらためて、政府の見解を示されたい。

七 大臣意見9の人工洞窟について、これまでの事例では、コウモリ類が利用している導水トンネルや避難壕は少なくとも二十数年以上の時間が経過している人口洞窟である。少々早い段階で人口洞窟を設置しても環境保全措置としては機能しないのではないか。政府の見解を示されたい。

八 国交大臣意見11に対する沖縄県の対応は、時間がかかるため新たな調査をすることなく、一地下水流域の観測値に基づき算出された流出量を地層が異なるなどの条件が違うにもかかわらず面積比だけで計算し、他の流域の地表流出量や地下水流出量として推定している。極めて杜撰と言わざるを得ない。また海域に浸出する経路については主な経路さえ示していない。大臣意見を軽視あるいは無視した沖縄県の補正は、アセスメント制度をないがしろにするものと考えるが、政府の見解を求めたい。

九 沖縄県から洞窟内の測量調査を委託された日本洞窟学会の副会長は最近の地元紙の記事において、予定地内の洞窟に珍しい鍾乳石や沖縄最大の石柱があると述べている。しかし、県はこれらの洞窟内生成物に関する調査をほとんど行なっていない。政府はこれらの貴重な文化財の調査と保護について必要な施策を県に求めるべきではないか。政府の見解を求める。

十 沖縄県は電気探査による空洞調査に基づき、滑走路下の洞窟は埋めなくても安全性に問題はないとの結論を出している。しかし、その後の実測調査で、これまでの電気探査では西方向に伸びているとされていた砂層の洞窟が、実際には滑走路の地下を滑走路に沿って南方向へ走行していることが判明するなど、当初推測されていた洞窟の位置が誤っていたことが明らかになった。しかし、沖縄県は空洞調査の再実施や滑走路の安全性について再確認を行なわないまま空港設置許可申請書を国土交通大臣に提出した。政府は空港の安全性確保のために再度の調査等を県に求めるべきではないのか。政府の見解を求める。

十一 一九九六年九月に当時の環境庁長官、沖縄県知事、そして石垣市長が白保海域を含む石垣島東海岸の国立公園化に合意している。しかしそれからすでに九年以上も経過しているにもかかわらず、国立公園になっていない。今後どのような手続きを経ていつ頃までに西表国立公園に編入する予定か、政府の方針を明らかにされたい。また、陸海の生態系は切り離されているわけではなく一体として保全するべきであるが、国立公園地域の線引きにあたって新石垣空港整備事業は重大な障害にならないか。国立公園地区内に沿岸陸域部をどの程度入れ込むべきと考えるのか、政府の見解を示されたい。

十二 航空法(昭和二十七年七月十五日法律第二百三十一号。以下「法」という。)第三十九条一項五号には「飛行場にあつては、申請者が、その敷地について所有権その他の使用の権原を有するか、又はこれを確実に取得することができると認められること」と定められ、空港設置許可の要件の一つになっている。しかし、予定地内中央部には空港建設に反対する、地元住民を含め六百人以上の地主が所有する土地があり、その約半数の地主が当該土地について「将来にわたって空港用地としては提供しない」との通知を国土交通大臣に内容証明付郵便で出している。このような状況で設置許可が可能なのか。政府の見解を求める。

十三 法第三十八条二項および施行規則第七十六条一項四号は、設置許可申請者に対して「飛行場予定地又は予定水面並びにそれらの所有者の氏名及び住所」を記載した申請書の提出を義務付けている。

しかし、沖縄県の申請書には、事業用地の譲渡で地権者から同意が得られていない二筆の土地(石垣市字盛山東牛種子二二〇番地一四六号及び同一四七号)については、一名を除いて所有者(相続による所有者を含む。以下同じ。)の氏名及び住所が記載されていない。

一方、同第三十八条三項においても飛行場の設置許可申請があったときは、二項と同様に「飛行場予定地等の所有者の氏名及び住所」を告示し現地で掲示しなければならないとされている。しかし、この手続についても一名を除き行なわれていない。

「飛行場予定地等の所有者の氏名及び住所」は法第三十九条二項で定められている公聴会で公述の申し出をした者が、当該区域内に私法上の権利を有しているか否かを国土交通大臣が確認する(公述人の選定をする場合等)には不可欠なものであり、また、土地の所有者が自らの土地が当該区域内に存しているかどうかを確認するためにも不可欠であり、これは極めて重大な瑕疵であると考えられる。従って、政府は沖縄県に対し申請書の補正を求めるか、差し戻すべきではないかと考えるが、政府の見解を問う。

右質問する。

衆議院の原文・経過

政府答弁書

一から十までについて

航空法(昭和二十七年法律第二百三十一号)第三十九条第一項の規定に基づく飛行場の設置許可の申請に係る審査に際しては、環境影響評価法(平成九年法律第八十一号)第三十三条の規定に基づき、環境影響評価書の記載事項及び国土交通大臣の意見に基づいて、環境の保全についての適正な配慮がなされるものであるかどうかを併せて審査しなければならないとされている。お尋ねの新石垣空港整備事業に関する事項については、本年九月十二日、航空法第三十八条第一項に規定する飛行場の設置許可の申請が沖縄県から国土交通大臣に提出されたところであり、現在審査中の案件であるため、現時点において具体的にお答えすることは困難であるが、今後とも適切な審査に努めてまいりたい。

十一について

白保海域を含む石垣島東海岸地域の西表国立公園への編入については、現在、地元の石垣市を始めとする関係者と調整を進めているところである。その調整が整い次第、公園区域及び公園計画の案を作成し、自然公園法(昭和三十二年法律第百六十一号)に基づく関係行政機関との協議並びに関係都道府県及び中央環境審議会の意見聴取を行っていくこととなる。これらの手続を経て可能な限り早期に編入できるよう努めてまいりたい。

また、国立公園は、我が国の風景を代表するに足りる傑出した自然の風景地を指定するものであるところ、白保海域を含む石垣島東海岸地域については、現在、詳細な風景の評価等を行い、公園区域の検討を行っているところであり、現時点においてその具体的な区域をお示しすることは困難である。

十二について

新石垣空港の設置許可の申請については、現在審査中の案件であるため、現時点において具体的にお答えすることは困難である。

十三について

御指摘のとおり、航空法第三十八条第一項に規定する飛行場の設置許可の申請に当たっては、同条第二項の規定により、飛行場予定地等の所有者の氏名及び住所を記載した申請書の提出を義務付けるとともに、当該申請があった場合には、同条第三項の規定に基づき、飛行場予定地等の所有者の氏名及び住所を告示等することとなっている。

他方、一筆の土地に多数の所有者が存在している場合に、当該多数の所有者の氏名及び住所は申請の審査上不可欠とまでは言えないこと、公聴会における公述は、飛行場を利用する者も含め、当該飛行場の設置に関し利害関係を有する者に広く認められていること、また、自らの土地が飛行場の区域内に存在しているか否かは、飛行場予定地の地番との照合により確認することが可能であることから、申請書に土地所有者全員の氏名及び住所の記載がないことに関して、沖縄県に対し申請書の補正を求める等の対応をとることは考えていない。

衆議院の原文

この答弁書に出てくる定型句

お答えすることは困難 ×3

語の一致で数えたものです。答弁の評価ではありません。同じ型の答弁が過去にどれだけあるかは、型を押すと出ます。

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