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辺野古の環境現況事前調査への掃海母艦「ぶんご」出動に関する質問主意書

衆議院 第166回 第238号

提出者
社会民主党・市民連合
提出日
2007年5月24日
内閣転送 2007年5月28日
答弁書受領日
2007年6月1日
提出から8日
答弁の項目数
5
質問 1,272字/答弁 1,781字

質問本文

那覇防衛施設局は、普天間飛行場の移設先である沖縄県名護市のキャンプ・シュワーブ沿岸部での環境現況事前調査に、海上自衛隊の掃海母艦「ぶんご」を出動させ、海上自衛隊員である潜水士を調査機器の設置作業に動員した。

ジュゴンの棲む豊穣の海を守ることは、県民、国民、国際社会の重大な責務である。かつて日本軍は、沖縄戦において住民虐殺、「集団自決」の強制などの酷い仕打ちを加え、軍隊は住民を守らないとの本質を露わにした。今また防衛省は、住民の調査阻止行動に対し、海上自衛隊を出動させている。新基地建設に反対し、辺野古の海を守ろうとする人々に威圧を加え、米軍を守る自衛隊の本質を露わにしている。

今回の掃海母艦「ぶんご」の出動や、海上保安庁の危険極まりない過剰警備を絶対に認める訳にはいかない。多くの沖縄県民は、掃海母艦の砲や銃口が、住民に向けられたものと受け止め、激しい怒りの声を上げている。しかも、今回の調査では、生きたサンゴを大規模に破壊し、ジュゴンの通り道に水中ビデオカメラを設置するなどの暴挙に及んでいる。断じて承服できない、許しがたい行為であると言わざるを得ない。

以下、質問する。

一 政府は、いつ、誰が、どのような目的で、いかなる法的根拠に基づいて、辺野古の環境現況事前調査に、海上自衛隊掃海母艦「ぶんご」の出動を要請したのかを明らかにされたい。

二 政府は、海上自衛隊が右要請に基づき、掃海母艦「ぶんご」を沖縄近海辺野古海域に出動させた年月日を示した上で、環境現況事前調査の機器設置に従事した海上自衛隊潜水士の人数を明らかにされたい。

三 今回の環境現況事前調査は、アセス法にも明確に違反する違法行為である。防衛大臣は、海上自衛隊の潜水士による機器設置作業について、防衛省設置法第四条十八号を根拠に挙げ、防衛施設庁長官は、衆議院外務委員会における私の質問に対し、同法第四条十九号を根拠にしている。いかなる解釈、先例に照らし、環境現況事前調査に海上自衛隊の出動が可能となるのか、法的根拠を示した上で、政府の統一見解を明らかにされたい。

四 那覇防衛施設局は、調査海域の使用同意を得る際に、沖縄県から同意に伴う配慮事項を明示された上、その厳守を求められたはずである。那覇防衛施設局が沖縄県に提出した調査海域の使用願、それに対する沖縄県からの同意書及び添付の配慮事項を示した上で、調査上の配慮義務厳守に対する政府の見解を明らかにされたい。

五 今回の調査強行によって、生きたサンゴが大規模に破壊損傷されている。調査機器の設置方法や作業工程を具体的に示し、サンゴの破壊損傷について、海上自衛隊や調査委託を受けた民間業者に、どのような責任を追及するのかを明らかにした上で、政府の見解を示されたい。

六 今回の環境現況事前調査を委託した業者名、委託費用、調査期間と内容、設置した機器と機能及び設置場所の数と位置を明らかにした上で、いかなる調査が行われているのか、また、これらの措置が適切であったと考えるのかどうか、政府の見解を示されたい。

右質問する。

衆議院の原文・経過

政府答弁書

一及び三について

今般の機器設置作業は、民間業者に委託するだけでなく、海上自衛隊が保有する潜水能力を活用することにより、キャンプ・シュワブ沖における海象の状況、ジュゴンの生息状況及びサンゴ類の産卵生息状況を把握することを目的とした現況調査(以下「現況調査」という。)を限られた期間内に円滑かつ十分に実施することができると考え、平成十九年五月十一日、防衛施設庁長官から、海上幕僚長に対し支援を依頼したところである。

現況調査に対する海上自衛隊の部隊による協力は、防衛省設置法(昭和二十九年法律第百六十四号)第四条第十九号に規定する事務を所掌する防衛施設庁が実施する現況調査に対して、国家行政組織法(昭和二十三年法律第百二十号)第二条第二項の規定の趣旨を踏まえ行ったものである。

なお、現況調査は、環境影響評価法(平成九年法律第八十一号)に違反するものではない。

二について

現況調査に対して海上自衛隊の部隊が所要の協力を行ったが、これは、平成十九年五月十一日に防衛大臣が発した命令を受け、同月十八日から辺野古沖周辺海域において機器設置作業を行ったものである。お尋ねの機器設置作業に従事した海上自衛隊の部隊の人数は、これを明らかにすれば、今後の機器設置作業において海上自衛隊の部隊が所要の協力を行う場合に機器設置作業の円滑な実施に支障を来すおそれがあることから、お答えを差し控えたい。

四について

平成十九年三月二十七日、那覇防衛施設局は、現況調査を行うため、公共用財産使用協議書を沖縄県に提出し、同年四月二十四日、同県から、同協議書に係る公共用財産の使用について同意が得られたところであり、その際、使用に当たっての配慮事項として「ジュゴンへの配慮」、「藻場・サンゴ類等への配慮」、「鳥類への配慮」等が示されている。

いずれにしても、沖縄県から示された配慮事項についても十分に考慮し、現況調査の実施に当たっては、自然環境に十分配慮してまいりたい。

五について

現況調査においては、サンゴ類の産卵生育状況を調べるための着床具(以下「サンゴの着床具」という。)を海底に設置したものである。

防衛省としては、サンゴの着床具の設置に当たり、あらかじめサンゴ類の分布等の状況について現場確認を行い、可能な限りサンゴ類への影響を低減させられるような場所を選定した上で、平成十九年五月十八日から機器設置作業を行ったところである。

防衛省としては、この調査は、キャンプ・シュワブ海域のサンゴ類の増殖環境を把握することを目的としているため、サンゴの着床具は、サンゴが密に生息している地域ではなく、その周辺に設置していることから、当該海域のサンゴの生息環境に大きな影響を与えるものでなく、御指摘のように「生きたサンゴが大規模に破壊損傷されている。」とは考えていないが、いずれにしても、今後とも現況調査の実施に当たっては、自然環境に十分配慮してまいりたい。

六について

現況調査のうち、海象等の調査については、株式会社パスコ沖縄支店に対し委託額六億五千百万円、契約の履行期間平成十九年三月二十九日から平成二十年十月三十一日までとして、サンゴやジュゴン等の調査については、いであ株式会社沖縄支店に対し委託額十六億五千九百万円、契約の履行期間平成十九年三月三十日から平成二十年十月三十一日までとして、サンゴ着床具の設置等については、いであ株式会社沖縄支店に対し委託額三千五百七十万円、契約の履行期間平成十九年三月二十九日から平成十九年十月三十一日までとして、それぞれ業務委託を行っている。

また、海象等の調査の業務においては海象の状況を把握するための機器を、サンゴやジュゴン等の調査の業務においてはジュゴンの生息状況を把握する調査のためのパッシブソナー及び水中ビデオカメラを、サンゴ着床具の設置等の業務においてはサンゴ類の産卵生育状況を調べるための着床具をそれぞれ設置するものである。

設置する機器の数及び位置については、今後の作業の円滑な実施に支障を来すおそれがあることから、現時点で、お答えを差し控えたい。

防衛省としては、機器の設置に当たり、五についてで述べたように、自然環境に十分配慮して行ってきたところであるが、今後とも現況調査の実施に当たっては、自然環境に十分配慮してまいりたい。

衆議院の原文

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