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米軍普天間飛行場代替施設建設に向けた名護市辺野古沖のボーリング地質調査に関する質問主意書
参議院 第161回 第10号
質問本文
那覇防衛施設局は十一月十七日から、米軍普天間飛行場代替施設建設に向けた名護市辺野古沖のボーリング地質調査を開始した。今回のボーリング調査について、地元新聞の報道では、辺野古沖のリーフ周辺を埋め立てるに当たって、その影響を調べるものと言われ、「掘削作業は海底六十三か所に、直径十一-十四センチ、深さ平均二十五メートルの穴を掘り」、かつ、「作業用足場は、水深四メートル未満用の単管足場(三十か所)、水深四メートル以上二十五メートル未満用のスパット台船(二十か所)、水深二十五メートル以上用の固定ブイやぐら(十三か所)の三種類」を設置すると報じられている。このような大掛かりな作業が周辺海域の環境に影響を与えないはずはない。当然、工事に伴う騒音は、この周辺海域の藻場を餌場とし、音に敏感な国の天然記念物ジュゴンにも影響を与えるおそれが十分ある。
そのため、環境アセスメント学会は「護岸建設は事業と一体不可分であり、海底ボーリング調査は環境アセスメントの対象にすべきだ。」と主張し、日本弁護士連合会は「環境影響評価法の趣旨をないがしろにする。」と批判しており、また、沖縄ジュゴン環境アセスメント監視団(東恩納琢磨団長)は「ボーリング調査によって生態系を攪乱した後では、生態系の正しい把握は不可能になる。」として、ジュゴンなどへの影響を懸念している。さらに、環境影響評価方法書の答申案を審議する沖縄県環境影響評価審査会も沖縄県知事に対する答申には、「(ボーリング調査は)環境への影響を検討した上で実施するように求める」旨を盛り込むことを決めた。
普天間飛行場を始め沖縄など在日米軍基地・施設については、米国側が今後、米軍の再編による世界各地の海外基地見直し作業の中でどのような扱いとするのか、特に、普天間飛行場代替施設の建設まで(工期は、最短でも環境影響評価に四年、建設工事に九年半の計十三年半は必要と言われている。)米軍が待つのかどうかなど不明な点が多い。したがって、「返還は五年から七年後」とした普天間飛行場は八年経っても返還されず、しかも移設先も確保されていない中で、同飛行場の返還を目玉としたSACO(沖縄に関する特別行動委員会)合意については、その実現可能性が極めて疑問であり、実質的に破綻しつつあると言わざるを得ない。
一方、今回の調査に対して、生活の場でもある海の環境破壊を心配する地元住民は、辺野古での百五十日以上にわたる調査阻止の座り込みを続け、調査の準備や開始日には、作業船を止めるため海上で抗議行動を繰り返し、強く反対している。
以上のことを勘案すると、百歩譲って普天間代替施設建設を検討していくとしても、ボーリング調査を急ぐ必要もないし、また、急ぐべきではないと考える。
よって、次のとおり質問する。
一、米軍普天間飛行場代替施設建設に向けた、名護市辺野古沖での那覇防衛施設局によるボーリング地質調査の必要性及び概要を明らかにされたい。
二、今回のボーリング調査は、環境影響評価法第二条でいう「第一種事業」あるいは「第二種事業」に該当すると思われるが、その見解を明らかにされたい。
三、今回のボーリング調査を実施した場合、周辺海域など自然環境に与える影響をどの程度と見積もっているのか、明らかにされたい。
四、本件に対する環境影響評価に関係する諸機関・団体などの懸念及び地元住民の反対の声を無視してまで、本調査を強行実施するのか、これからの対応を示されたい。
五、SACO合意は抜本的に見直すべき状況にあると思うが、この点に関する政府の考えを示されたい。
右質問する。
政府答弁書
一について
お尋ねの「ボーリング地質調査」(以下「本件ボーリング調査」という。)については、普天間飛行場代替施設(以下「代替施設」という。)の護岸の形状等を検討するに際し、代替施設の建設予定場所及びその周辺の海底における地盤強度、地質構造等を把握する必要があることから、当該地盤強度、地質構造等に係るデータを収集するため、ボーリング機材による土の採取等を内容とする調査を行うものである。
二について
代替施設の建設については、公有水面の埋立てに係る部分は環境影響評価法(平成九年法律第八十一号)第二条第二項に規定する第一種事業(以下「第一種事業」という。)に該当し、また、飛行場の設置に係る部分は同条第三項に規定する第二種事業(以下「第二種事業」という。)に該当しており、同法の規定に基づく環境影響評価を実施しているところである。
本件ボーリング調査については、当該環境影響評価における代替施設の建設に係る環境影響の予測、評価等の実施の前提となる代替施設の護岸の形状等について検討するためのデータを収集する目的で行うものであり、同法の規定の適用上、代替施設の建設に係る事業の一部ということはできず、第一種事業及び第二種事業のいずれにも該当しないものと考えている。
三について
本件ボーリング調査の実施による自然環境への影響については、音、水の濁り、足場の設置等によるものが考えられるが、例えば、足場の設置に当たっては、サンゴ及び海草藻場が分布する場所をできる限り避けて設置場所を選定するなど、自然環境への影響を低減するための各種の措置を講ずることにより、自然環境へ与える影響は軽微なものにできると考えている。また、本件ボーリング調査の開始後においても、必要に応じ追加の措置等を講ずることができるよう、ジュゴン、サンゴ、海草藻場その他自然環境に関する状況を定期的に確認することとしているところである。
四について
本件ボーリング調査は、普天間飛行場の移設・返還に向けて建設される代替施設の護岸の形状等を検討するために必要不可欠な調査である。
二についてで述べたとおり、本件ボーリング調査については、第一種事業及び第二種事業のいずれにも該当せず、環境影響評価法の規定に基づく環境影響評価を行う必要はないと考えているが、本件ボーリング調査の実施に際しては自然環境に十分に配慮することとしており、引き続き、地元住民等関係者の理解を得るために必要な努力を行ってまいりたい。
五について
沖縄県民の負担の軽減のため、政府としては、まずは「沖縄に関する特別行動委員会」の最終報告(以下「SACO最終報告」という。)の着実な実施が必要であり、これに最大限の努力を傾注するとの考えである。
普天間飛行場の移設・返還については、SACO最終報告、平成十一年十二月二十八日に閣議決定した「普天間飛行場の移設に係る政府方針」(以下「閣議決定」という。)及び平成十四年七月二十九日に政府が策定した「普天間飛行場代替施設の基本計画」(以下「基本計画」という。)を踏まえ、早期にこれを実現すべく、これまでアメリカ合衆国側と緊密に協議してきているところである。政府としては、同飛行場が市街地にあることもあり、一日も早く周辺住民の方々の不安を解消したいと考えており、引き続き、SACO最終報告、閣議決定及び基本計画に従い、沖縄県等の地元地方公共団体と十分協議を行いながら、同飛行場の移設・返還に向けて全力で取り組んでいく考えである。
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件名と質問本文の冒頭の意味が近いものを、前もって計算しておいた表から近い順に8件並べました(multilingual-e5-large)。同じ言葉を使っていなくても出ます。論点が少しずれていることもあります。