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宇宙政策の政府見解に関する質問主意書

衆議院 第166回 第435号趣旨が明らかではない ×2

提出者
日本共産党
提出日
2007年6月29日
内閣転送 2007年7月4日
答弁書受領日
2007年7月10日
提出から11日
答弁の項目数
14
質問 2,264字/答弁 2,335字

質問本文

六月二十日、自民・公明両党から提出された「宇宙基本法案」は、一九六九年五月のいわゆる宇宙の平和利用決議の根幹である「非軍事」の解釈を「非侵略」に変え、宇宙開発の目的を軍事利用にも向けられるようにするものである。公明党の意見を採り入れ、法案には「宇宙の平和的利用」という文言が加えられたが、それは全くの名ばかりにすぎず、宇宙軍拡とそれによってもたらされる予算の浪費へと道を開くきわめて危険な内容となっている。同時に、自主・民主・公開が原則であるわが国の科学技術政策をも、大きく脅かすものといわざるをえない。法案についての議論は立法府において行なうが、政府の宇宙政策そのものについて変更が生じるかどうかは国政上の重要課題である。

よって、次のとおり政府に対し質問する。

(一) わが国の宇宙開発と利用は、立法措置をとらなければ進められない現状なのか。これまで基本法を制定する動きはあったのか、なかったのか。あったとすれば、なぜ制定されることなく進められてきたのか。

(二) 日本国憲法の定める平和主義の理念は、憲法前文と九条に定められている。宇宙開発と利用を軍事目的にも可能とし、自衛隊も宇宙開発を進めるようになることは、平和主義の理念と相いれるものか。政府の考える平和の意義付とは何か。

(三) わが国の宇宙開発は、いわゆる宇宙条約の定めるところによっても行なわれていると思うが、宇宙の平和利用決議が宇宙条約の遵守の妨げとなった実例はあるか。

(四) これまでのわが国の宇宙政策は、研究開発に特化しているために、国際競争力が低下しているという議論がある。実際に技術力がそがれ、国際競争力が低下している事態なのか。そうであればその原因を、具体的な数値をもとに答えられたい。

(五) 現在、わが国が安全保障のために保有、もしくは開発(検討を含む)している人工衛星には何があるか。名前をあげられたい。そのうち防衛省が関与しているものはどれか。

(六) 安全保障のため自衛隊が宇宙開発を軍事利用できるようになれば、自衛隊による早期警戒衛星、通信傍受衛星、戦場気象衛星の打ち上げと運用が可能となるのか。現在、防衛省において、独自の人工衛星を打ち上げる計画や要望はあるのか。その場合、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が防衛省の衛星を打ち上げることになるのか。

(七) 自民・公明両党提出の「宇宙基本法案」を受けて、それが仮に成立した場合、政府の宇宙政策は「非軍事」から「非侵略」に変更することになるのか。「非侵略」となった場合は、他の人工衛星を破壊するキラー衛星打ち上げも可能となるのか。

(八) 日米衛星調達合意の具体化である「非研究開発衛星の調達手続」によって、技術試験衛星や科学観測衛星などを除く人工衛星(実用衛星)は、国際競争入札にかけなければならないという理解だが、これは正しいか。非研究開発衛星の範疇に入る「情報収集衛星」が、国際入札によらず三菱電機が随意契約により受注しているのは、どういう理由からか。

(九) わが国の民間企業による宇宙産業を活性化させるために、アメリカの圧力による日米衛星調達合意の見直しが必要と考えているか。

(十) 三菱電機や三菱重工業をはじめとする民間企業から、国に対して、ロケットの打ち上げ射場や試験研究設備の整備、国の研究開発結果の民間企業への移転の促進、民間企業の投資が容易となるための税制・金融上の優遇措置、政府による調達保証(アンカーテナンシー)などの要望が出されているのか。

また、国はこれまでも宇宙開発技術の民間企業への移管を進めてきたが、特別の優遇措置を講じなければ民間企業による宇宙開発を促進することはできないと判断しているのか。

(十一) 情報管理の適切化を口実に研究開発の成果が明らかにされなくなり、宇宙科学分野で発展の障害となることを危惧する声が上がっているのは当然である。安全保障が宇宙開発の目的に加わると、国民のために公開されるべき情報収集衛星が収集した災害対策情報が公開されなくなるなど、情報が機密のベールに隠されてしまうことは情報収集衛星の活用実態が明確に示している。原子力基本法、科学技術基本法、宇宙航空研究開発機構法(JAXA法)などにより、これまでわが国におけるあらゆる分野の科学技術の研究・開発・普及において、自主・民主・公開の原則が公式の方針とされてきた。宇宙開発と利用の分野では、政府は今後、この原則を放棄するのか。

(十二) 現在のわが国の宇宙開発に関する情報管理は、適切でないところがあるのか。あるとすれば、どういう点において適切でないのか。すべて示されたい。

(十三) 本年二月二十四日に打ち上げた情報収集衛星・レーダー二号機と一緒に、光学衛星実証機も打ち上げられた。その分解能は、運用中の光学一号・二号よりも高められ、四十�p台に設計されていると聞くが事実か。政府は「その利用が一般化している衛星及びそれと同様の機能を有する衛星について認める」という一般化理論を持ち出し、光学衛星の解像度を一mに抑えて情報収集衛星を導入した。一般化の概念は、いつから四十�p台になったのか。

(十四) 光学衛星実証機の実証試験はいつからいつまで行ない、その結果はいつどういう形で公表するのか。実証試験の結果、正しく機能していると判断すれば、実証機をそのまま光学三号機とする位置づけなのか。今後の情報収集衛星の開発、打ち上げ計画を詳細に明らかにされたい。

右質問する。

衆議院の原文・経過

政府答弁書

(一)について

議員立法として提案された宇宙基本法案の理由においては、「宇宙開発に関する施策を総合的かつ計画的に推進するため、宇宙開発に関し、基本理念及びその実現を図るために基本となる事項を定め、国の責務等を明らかにし、並びに宇宙基本計画の作成について定めるとともに、宇宙開発戦略本部を設置する等の必要がある。」とされているものと承知している。

政府においては、昭和四十三年四月十九日及び四月二十五日の宇宙開発委員会設置法案に対する附帯決議において、「宇宙基本法につき検討を進め、その立法化を図ること」とされ、また、昭和四十四年六月十三日の宇宙開発事業団法案に対する附帯決議において、「宇宙開発基本法の検討を進め、その立法化を図ること」とされたことを踏まえ、我が国として取り組むべき宇宙開発の範囲、宇宙開発に係る基本的な施策の在り方等の宇宙基本法案又は宇宙開発基本法案に盛り込むべき事項について検討したが、世界の宇宙開発が流動的な動向を示していたこともあり、宇宙開発基本法案を国会に提出するには至らなかった。

なお、昭和六十二年五月に議員立法として宇宙開発基本法案が提案されたが、成立には至らなかったものと承知している。

(二)について

御指摘の「宇宙開発と利用を軍事目的にも可能とし、自衛隊も宇宙開発を進めるようになること」の具体的な内容が必ずしも明らかではないが、いずれにしても、自衛隊の活動が平和主義を基本理念とする憲法の範囲内で行われることは当然である。

(三)について

我が国の宇宙に関する施策は、我が国が締結している月その他の天体を含む宇宙空間の探査及び利用における国家活動を律する原則に関する条約(昭和四十二年条約第十九号)を遵守するとともに、昭和四十四年五月九日の衆議院本会議での我が国における宇宙の開発及び利用の基本に関する決議の趣旨を尊重して行われているところである。

(四)について

御指摘の「研究開発に特化している」の意味が必ずしも明らかではないが、我が国の宇宙に関する施策については、関係省庁の連携の下、宇宙の基礎研究、応用研究及び開発研究のほか、産業の競争力強化、宇宙の利用の推進等にも総合的に取り組んできたところである。

(五)について

我が国においては、外交・防衛等の安全保障及び大規模災害等への対応等の危機管理のために必要な情報の収集を主な目的として、情報収集衛星を導入しており、現時点では、情報収集衛星光学一号機、同レーダ一号機、同光学二号機及び同レーダ二号機を保有し、同光学三号機、同光学四号機及び同レーダ三号機を開発中である。

情報収集衛星については、内閣官房が運用し、防衛省に対しても必要に応じて収集された情報が提供されている。

(六)について

お尋ねは、議員立法として提案された宇宙基本法案の内容に関するものであり、政府としてお答えすることは差し控えたい。また、現在、防衛省において、独自の人工衛星を打ち上げる計画又は要望はない。

(七)について

お尋ねは、議員立法として提案された宇宙基本法案の内容に関するものであり、政府としてお答えすることは差し控えたい。

(八)について

「非研究開発衛星の調達手続等について」(平成二年六月十四日付けアクション・プログラム実行推進委員会決定。以下「決定」という。)は、米国との討議の結果も踏まえ、我が国による自主的措置として策定したものである。御指摘の「技術試験衛星や科学観測衛星などを除く人工衛星(実用衛星)」のうち、決定が適用され、非研究開発衛星に該当する人工衛星の調達に当たっては、可能な限り、公開の入札手続を利用することとなるが、国家の安全保障のために不可欠な情報収集衛星の調達には、決定が適用されず、公開の入札手続を利用する必要はないものと考えている。

(九)について

政府としては、決定に従って非研究開発衛星の調達を行っており、引き続き、決定の定める透明、公開、無差別の原則による調達を行うことが適切と考える。

(十)について

政府としては、御指摘の内容の要望が民間企業等から表明されていることは承知しており、民間企業等による宇宙開発を促進するための施策について、引き続き、その在り方を検討し、必要な措置を講じてまいりたい。

(十一)について

宇宙に関する研究開発等については、今後とも、科学技術基本法(平成七年十一月十五日法律第百三十号)、独立行政法人宇宙航空研究開発機構法(平成十四年十二月十三日法律第百六十一号)等の関係法令の規定に従って進めていくこととしている。

(十二)について

政府としては、我が国の宇宙開発に関する情報について、関係省庁において「ロケット等に係る秘密保全指針」(平成十五年七月三十日付け情報保全関係省庁連絡会議)を策定するなど、情報管理の徹底を図っているところである。

(十三)について

情報収集衛星光学三号機実証衛星(以下「実証衛星」という。)の分解能の具体的な数値については、情報収集衛星の運用及び性能にかかわる事項であり、今後の情報収集活動に支障を及ぼすおそれがあることから、お答えを差し控えたい。

(十四)について

実証衛星による実証実験については、必要な期間行うこととしている。また、その実験結果については、情報収集衛星の運用及び性能にかかわる事項であり、今後の情報収集活動に支障を及ぼすおそれがあることから、公表する予定はない。

情報収集衛星については、平成二十一年度に情報収集衛星光学三号機、平成二十三年度に同光学四号機及び同レーダ三号機の打上げを予定しており、実証衛星をそのまま情報収集衛星光学三号機とすることは予定していない。

衆議院の原文

この答弁書に出てくる定型句

趣旨が明らかではない ×2

語の一致で数えたものです。答弁の評価ではありません。同じ型の答弁が過去にどれだけあるかは、型を押すと出ます。

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