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預け公金に関する質問主意書

衆議院 第168回 第80号

提出者
民主党・無所属クラブ
提出日
2007年10月4日
内閣転送 2007年10月10日
答弁書受領日
2007年10月16日
提出から12日
答弁の項目数
6
質問 1,005字/答弁 1,155字

質問本文

昨年から本年にかけて岐阜県、長崎県、宮崎県など県庁の「裏金問題」が相次いだ。この中で、不正に操作された公金が受注先の民間業者や、料亭などにプールされるいわゆる「預け公金」の存在が明らかになっている。

そこで、以下のとおり質問する。

一 私人の公金取扱いの制限について、地方自治法第二四三条は「普通地方公共団体は、法律又はこれに基づく政令に特別の定めがある場合を除くほか、公金の徴収若しくは収納又は支出の権限を私人に委任し、又は私人をして行なわせてはならない」と定めている。この条文の「収納」の定義を示されたい。また、同条に違反した場合の罰則を示されたい。

二 地方自治法では第二四三条を含め、公金の「管理」についてどのように定めているのか。また、民間業者や、料亭など第三者に公金を預ける行為について、同法を含め法律はどのような規定を設けているのか示されたい。

三 報道を見る限り、一連の県庁の裏金問題について、私的流用した職員に対する刑事告発はされているが、私人に公金を預けた「預け公金」については行政上、刑事上の処分がされていない。「預け公金」はそれだけでは「犯罪」とはならないのかどうか、政府の見解を示されたい。

四 刑事訴訟法第二三九条第二項では「官吏又は公吏は、その職務を行うことにより犯罪があると思料するときは、告発をしなければならない」と定めている。同項の「職務を行うこと」の解釈については、必ずしもその犯罪事実の発見そのものが職務内容である必要はなく、「職務の執行に際し」と広く解するのが通説と理解している。また、「告発」については「訓辞規定」ではなく、「義務規定」とするものが通説と理解しているが、内閣法制局の見解を示されたい。

五 前述条文が「公務員の告発義務」を定めているのであれば、「預け公金」を行った者に対しても地方公共団体等は告発すべきと考えるが、政府の見解を示されたい。

六 「預け公金」は裏金事件を誘発し、また、会計監査などからその事実を隠蔽するための手段と考える。政府は、「預け公金」を禁止し、罰則を盛り込む法改正や、公金の管理を厳正化すべきと考えるが見解を示されたい。

七 一連の県庁の裏金問題を他山の石とし、政府は「預け公金」について、国の各機関についてもその実態を把握し、防止策を設けるべきと考えるが、政府がこれまでとった対策と今後の方針を明らかにされたい。

右質問する。

衆議院の原文・経過

政府答弁書

一について

地方自治法(昭和二十二年法律第六十七号)第二百四十三条に規定する「収納」とは、地方公共団体が歳入を徴収する場合、その長が歳入内容の調査を行うことにより、収入金額を決定し、納入の通知のあった地方公共団体の収入を受け入れる行為をいうものである。

また、同条に違反した場合の罰則は、設けられていない。

二について

公金の保管については、例えば、地方自治法第二百三十五条の四及び地方自治法施行令(昭和二十二年政令第十六号)第百六十八条の六は、地方公共団体は、歳計現金を指定金融機関その他の確実な金融機関への預金その他の最も確実かつ有利な方法によって保管しなければならないと規定し、また、地方自治法第二百四十三条は、公金の私人の取扱いを原則禁止し、法律又はこれに基づく政令に特別の定めがある場合に限り行うことができるものと規定している。

御指摘のように民間業者や料亭などに公金を預けることは、そもそも法律上認められていない。

三及び五について

お尋ねの「預け公金」について、犯罪の成否については、捜査機関が収集した証拠に基づき個別に判断すべきものであると考える。

四について

刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第二百三十九条第二項は、「官吏又は公吏は、その職務を行うことにより犯罪があると思料するときは、告発をしなければならない。」と定めているので、右の要件を満たす場合には、原則として公務員には告発義務が課せられていると解される。

また、お尋ねの、「その職務を行うことにより」については、犯罪事実の発見そのものがその職務内容である必要は必ずしもないが、他方で、例えば、職務を行うに際して職務と関係のない犯罪を偶然発見したような場合はこれに当たらないものと解される。

六について

公金の取扱い及び予算執行等については、これまでも地方自治法のほか関係法令にのっとって適正に行われるよう助言しているところであり、今後とも徹底してまいりたい。

七について

会計検査院による過去五か年(平成十三年度から平成十七年度まで)の決算検査報告において、いわゆる「預け公金」に相当するものとして不当と認められる事項を掲記されたのは、外務省及び厚生労働省である。

これらの予算執行主務官庁においては、公務員倫理の徹底及び綱紀保持はもとより、職員に対する会計研修の徹底や会計監査の充実等の措置を講ずる一方、不正支出金の返還に努めるとともに、関係者に対しては、懲戒免職、停職、減給などの厳正な処分を行ったところである。

政府としては、予算執行の責に任ずる主務官庁のこうした不正行為の再発防止に係る取組状況や、独立機関としての会計検査院の対応等を見極めつつ、必要に応じて更なる不正行為の再発防止に向けて万全を期してまいりたい。

衆議院の原文

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