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我が国が抱える領土問題についての教育現場における実際の教育内容と学習指導要領の内容に関する再質問主意書
衆議院 第169回 第274号お答えすることは困難 ×2
質問本文
「前回答弁書」(内閣衆質一六九第二二三号)を踏まえ、再質問する。
一 我が国が抱えている領土問題(以下、「領土問題」という。)は北方領土問題と竹島問題の二つであるとの認識を政府が示す一方で、実際の教育の現場で使われている教科書(以下、「教科書」という。)には、竹島問題の記述がないものもあることについて、「前回答弁書」では「文部科学省としては、我が国で現在使用されている小学校社会科の第五学年の教科書又は中学校社会科の地理的分野若しくは公民的分野の一部の教科書について、竹島問題に係る記述がないことのみをもって我が国の領域をめぐる問題に着目させること等とされている現行の学習指導要領に反することとなるものとは考えていない。」との答弁がなされているが、右答弁は、現行の学習指導要領(以下、「要領」という。)が目指していることは、「教科書」はじめ教育の現場において、必ずしも竹島問題と北方領土問題の二つを両方とも取り上げる必要はなく、どちらか一つだけでも取り上げることで、「領土問題」の全体ではなく一部だけでも児童・生徒に着目させられれば良いということであると理解して良いか。確認を求める。
二 文部科学省は一の答弁の様に、「教科書」の中には竹島問題の記述がないものがあるが、それでも「要領」には反しないとの認識を示している。では竹島問題の記述がなされていない教科書で学習する児童・生徒は、どの様にして竹島問題についての知識を得られるというのか。文科省の見解を示されたい。
三 竹島問題について何ら記述がなされていない教科書で学習した児童・生徒と、竹島問題についてきちんとした記述がなされている教科書で学習した児童・生徒との間には、当然竹島問題についての知識に差が生じるのではないかと前回質問主意書で問うたところ、「前回答弁書」では、竹島問題についての記述がある教科書とない教科書のいずれによって教育を受けた児童・生徒のいずれも、我が国の領域をめぐる問題に着目させること等としている「要領」に沿った指導を受けるという点では違いはないとした上で、「小学校及び中学校の社会科の授業において使用することとされている地図帳には、北方領土も竹島も我が国の領土として記載されているところであり、これを参照することにより、竹島問題に係る記述のない教科書で教育を受けた児童生徒であっても、竹島が我が国の領土であることを知ることができるものと考えている。」との答弁がなされている。確かに、右答弁で言う、小学校や中学校等、実際の教育現場で使用される地図帳(以下、「地図帳」という。)を参照すれば、竹島問題についての記述がなされていない教科書で学習する児童・生徒も、竹島が我が国の領土であることを知ることはできると考えるが、それだけでは、ただ単に竹島が我が国の領土であるという事実を知るだけであり、竹島は我が国の領土であるのになぜ韓国の不法支配を受けているのか、日本政府は竹島を取り戻すべくどの様な取り組みをしているのか、そもそもなぜ竹島が我が国固有の領土であるのか等、竹島問題を巡る経緯についての理解をどの様に深めることができるというのか。文科省の見解を示されたい。
四 「地図帳」について、「要領」で何らかの規定はなされているか。
五 「地図帳」は、「領土問題」について政府の見解と同様の見解の下、作成されているか。例えば、あるものは竹島を韓国の領土であるが如く、またあるものは北方領土がロシアの領土であるが如く表記したものはないか、政府、特に文科省は把握しているか。
六 「教科書」の中には竹島問題の記述があるものとないものがあることを政府、特に文科省が把握していることは既に承知しているが、では実際に「教科書」を用いて児童・生徒に指導を行う教諭は、「領土問題」について十分な知識を有し、どれだけ深く理解しているか、政府、特に文科省は把握しているか。
七 「要領」の中には竹島問題が明記されていないこと、また「教科書」の中にも竹島問題についての記述がなされているものとなされていないものがあることについても、文科省は「前回答弁書」で問題はなく、特段の対応を行うことは考えていないとの認識を示している。しかし、三で指摘した点をはじめ、「要領」の中に竹島問題が明記されず、また「教科書」の中で竹島問題の記述に違いがあることは、学習をする児童・生徒の知識獲得の面からも好ましくなく、ひいては政府が目指す竹島問題の解決に対しても有益ではないと考えるところ、「要領」には北方領土問題と竹島問題の二つを明記し、また「教科書」にも全て竹島問題を明記する様、文科省として指導すべきではないのか。文科省の見解を示されたい。
八 我が国国内における「領土問題」に関する教育のあり方等について、外務省と文科省とで何らかの協議、相談はなされているか。
九 「要領」に竹島問題が明記されておらず、また「教科書」の中にも竹島問題についての記述がなされているものとなされていないものがあることについて、外務省はどの様な認識を有しているか。
十 「領土問題」の交渉を直接担当するのは外務省であると承知するが、我が国国内における「領土問題」についての教育の実態が右の様に必ずしも統一されていないことは、外務省が交渉を行う上で何らかの障害となるか。
十一 「領土問題」の交渉を直接担当する政府部局として、外務省は文科省に対して「要領」及び「教科書」における「領土問題」の扱いをきちんと統一する様働きかけるべきであると考えるが、外務省の見解如何。
右質問する。
政府答弁書
一について
文部科学省としては、各学校においては、児童生徒に我が国の領域をめぐる問題に着目させること等とされている現行の学習指導要領に沿って、地域や学校の実態及び児童生徒の心身の発達の段階や特性を十分考慮しつつ、創意工夫を加えた指導が行われるべきと考えており、具体的にどのような指導により、児童生徒に我が国の領域をめぐる問題に着目させるべきか等について、一概にお答えすることは困難である。
二から五までについて
文部科学省としては、小学校及び中学校の社会科の授業において使用することとされているいずれの地図帳についても、北方領土も竹島も我が国の領土として記載されているものと承知している。また、現行の小学校学習指導要領(平成十年文部省告示第百七十五号)では、指導計画の作成に当たっては地図帳等を活用することに配慮し、児童に国土の位置等を地図帳等を活用して調べさせること等とされ、現行の中学校学習指導要領(平成十年文部省告示第百七十六号)では、地図帳等を活用し、我が国の国土の位置、領域の特色などを取り上げ、生徒に日本の地域構成を大観させること等とされている。このため、文部科学省としては、当該地図帳を適切に参照することにより、竹島問題に係る記述のない教科書で教育を受けた児童生徒であっても、竹島が我が国の領土であることを知ることができるものと考えているが、一についてで述べたとおり、具体的にどのような指導により、児童生徒に我が国の領域をめぐる問題に着目させるべきか等について、一概にお答えすることは困難である。
六について
文部科学省としては、各都道府県教育委員会等に対して、各学校の教員に研修会等を通じて学習指導要領の内容について周知徹底を図るよう指導しており、現行の学習指導要領において、児童生徒に我が国の領域をめぐる問題に着目させること等とされている趣旨についても、周知が図られているものと考えている。
七について
文部科学省としては、学習指導要領が学校における教育内容に関する全国的な大綱的基準であることに照らして、本年三月二十八日に告示された中学校学習指導要領において、「我が国の領域をめぐる問題」のすべてを記述することなく、その一例である北方領土を例示しているところである。
また、文部科学省としては、我が国で現在使用されている小学校社会科の第五学年の教科書又は中学校社会科の地理的分野若しくは公民的分野の教科書には、竹島問題に係る記述のあるものとないものがあるが、いずれの教科書も、我が国の領域をめぐる問題に着目させること等とされている現行の学習指導要領に沿った内容となっているものと考えており、特段の対応を行うことは考えていない。
八について
文部科学省としては、本年三月二十八日に告示された中学校学習指導要領を作成するに際し、「我が国の領域をめぐる問題」に関する政府の基本的な立場について、外務省との間でも改めて確認を行った。
九から十一までについて
我が国で現在使用されている小学校社会科の第五学年の教科書又は中学校社会科の地理的分野若しくは公民的分野の教科書には、竹島問題に係る記述のあるものとないものがあるが、いずれの教科書も、我が国の領域をめぐる問題に着目させること等とされている現行の学習指導要領に沿った内容となっており、外務省としては、北方領土問題及び竹島問題について問題の解決のため粘り強い努力を行うという政府の考え方と矛盾する内容とはなっておらず、また、関係国と交渉等を行う上で障害にはなっていないものと考えている。
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