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介護保険制度における介護報酬請求の不正防止に関する質問主意書
衆議院 第170回 第42号承知していない ×1
質問本文
昨年発覚したコムスンによる介護報酬不正請求事件は、介護保険制度に対する国民の信頼を大きく損ねるものであった。もっとも、一部事業者による介護報酬の不正請求は、コムスン事件だけでなく、以前から問題となっているところである。
近年の介護報酬引き下げにより、多くの誠実な事業者が経営環境の悪化、介護労働者の待遇維持に苦慮しており、また介護保険料の引き上げによって国民は多大な負担を強いられているが、介護事業者や国民に負担を求める前に、まず、不正請求を根絶し無駄な支出をなくすことが先決であると考える。
従って、次の事項について質問する。
一 記録、文書等の保存に関する現状について
1 不正請求を防止し、また不正の有無を確認するためには、介護サービスの提供や介護報酬の請求に関係する記録、文書等(以下、記録等)が、適切に保存されていることが重要である。
介護保険制度開始以来、介護事業者の不正請求が判明した事案で、記録等の提示等の義務(介護保険法第二十三、二十四条等)に反し、あるいは保存義務(委託基準第三十九条第二項等)に反して記録等の不備(不存在、廃棄、改ざん等)があったケースはどれだけあるか。
2 1で挙げた以外に、法第二十三、二十四条等に基づき介護事業者の記録等の調査を行った事案は何件あるか。また、記録等について何らかの義務違反が確認された件数は何件か。各々につき、どのような違反があり、どのような措置がとられたかも併せて明示されたい。
3 改ざん・隠蔽等の記録等の不正や、不正請求について情報が寄せられた場合の、保険者及び行政の行うべき対応について、国は、どのような指示をしているか。
二 記録等の保存義務について
現行法上、介護サービスの提供にかかる一定の記録等については、事業者に保存・保管義務が課せられているが、介護報酬の請求にかかる介護給付費請求書、同請求明細書等については、事業者、保険者共に、法律上の保存義務が課せられていない。
介護給付費請求書等の保存につき、「五年間保存することが望ましい」旨の通知がなされていることは承知しているが、なぜ義務ではないのか。年金記録問題の例に見るように、入力・データ化された記録の有無にかかわらず、文書の保存は必要と考えるがどうか。
三 保存期限について
1 介護サービスの提供にかかる事業者の記録等の保存・保管義務は、一般に二年間とされているようであるが、なぜ二年なのか。
2 不正請求を含む介護報酬の過払いに対する保険者の返還請求権の消滅時効は五年であり、後日の検査や返還請求の実効を上げるためには、保存期限は少なくとも五年は確保すべきである。記録保存にかかる事業者の負担にも配慮すべきではあるが、保険料を納める生活者や納税者の視点に立てば、保存年限を延長すべきと考えるがどうか。
四 訪問介護などにおいて、利用者は介護事業者から、提供したサービスの内容等の記録の提供を受けることができるが、これは利用者が請求した場合に限られている。不正請求防止の観点からは、介護事業者及び保険者の双方から、サービスの提供日時、内容、金額等を記載した書類が利用者のもとに交付されることが有効であり、交付を義務化すべきと考えるがどうか。
右質問する。
政府答弁書
一の1及び2について
お尋ねの件数については把握していない。
一の3について
厚生労働省としては、都道府県知事等に対して、「介護保険施設等監査指針」(「介護保険施設等の指導監督について」(平成十八年十月二十三日付け老発第一〇二三〇〇一号厚生労働省老健局長通知)別添2)を示しているが、同指針においては、御指摘のような情報が寄せられた場合、当該情報に係る事実等の確認を行う必要があると認める場合には、当該情報に係る介護事業者に対して監査を行うものとしている。また、監査の結果、介護保険法(平成九年法律第百二十三号。以下「法」という。)に違反している事実等が認められた場合には、法の規定に基づき、勧告、命令又は指定の取消等を機動的に行うものとしている。
二について
介護給付費請求書等については、一定期間保存されることが望ましいが、介護報酬の請求に係る審査支払事務が介護保険の保険者である市町村の自治事務とされていることにかんがみると、介護給付費請求書等の保存期間といった保険者の事務の運用に係る事項についてまで法律で規定することは適当ではないと考える。また、介護給付費請求書等は介護報酬に係る債権を明確化しておくために必要な書類であり、法律によりその保存を義務付けなくとも、介護事業者自身において必要な期間保存がなされるものと考えており、また、膨大な書類の保存は過大な事務負担となることから、介護事業者についても、介護給付費請求書等の保存期間を法律上規定することは適当ではないと考えている。
三について
御指摘のサービス内容等の記録については、「指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準」(平成十一年厚生省令第三十七号)等において、介護事業者は二年間これを保存しなければならないこととされているが、これは、法第二百条において保険給付を受ける権利についての消滅時効期間が二年とされていること等を勘案したものである。この保存期間を延長することについては、介護事業者にとって過大な事務負担となることから、適当ではないと考えている。
四について
厚生労働省としては、過大な事務負担を課してまで、御指摘のような書類の交付の義務付けを行うことは考えていない。
なお、利用したサービス事業所名、サービス種類、サービス日数・回数等が記載されている通知を利用者に送付し、仮に不正請求が行われている場合には、利用者が把握できる仕組みとしている保険者もあるところであり、このような保険者の自主的な取組を支援していくことが適当であると考えている。また、介護事業者についても、都道府県及び市町村において適切に介護報酬の請求を行うよう指導しているところである。
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件名と質問本文の冒頭の意味が近いものを、前もって計算しておいた表から近い順に8件並べました(multilingual-e5-large)。同じ言葉を使っていなくても出ます。論点が少しずれていることもあります。