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在沖米軍基地勤務の駐留軍労働者・退職者のアスベスト被害救済に関する質問主意書

衆議院 第171回 第226号お答えすることは困難 ×3趣旨が明らかではない ×1承知していない ×1個別の事案 ×1

提出者
社会民主党・市民連合
提出日
2009年3月19日
内閣転送 2009年3月23日
答弁書受領日
2009年3月27日
提出から8日
答弁の項目数
8
質問 1,810字/答弁 2,023字

質問本文

在沖米軍基地に勤務中、長年にわたってアスベストの飛散する業務に従事した駐留軍労働者が、退職後に健康被害を訴えるケースが後を絶たない。これら退職者のアスベスト被害についての対策の遅れは、沖縄が一九七二年まで米国の軍事支配下にあったこと、復帰後も雇用主は日本政府、使用者は米軍である特殊な雇用形態(間接雇用)に置かれていることと無関係ではない。現実に、日米地位協定が沖縄に適用されたのは復帰後であり、在沖米軍基地におけるアスベスト対策の開始時期は、米海軍横須賀基地よりも八年も遅れている。そのため、県内の駐留軍労働者や退職者には、十分な救済措置が施されていない状況がある。

これら駐留軍労働者や退職者が高齢化する中、アスベスト被害者の掘り起こしは急務である。同時に、全てのアスベスト被害者が救済されるためにも、救済制度を確実に利用できるような仕組みを確立する必要がある。

以下、質問する。

一 二〇〇八年十二月末日現在、アスベスト被害による沖縄県内の労災申請件数と認定件数、石綿健康被害救済法に基づく沖縄県内における救済件数を、駐留軍労働者・同退職者とその他労働者の内訳を別にして明らかにした上で、係る被害状況に対する政府の見解を示されたい。

二 アスベストの健康被害による労災認定と石綿健康被害救済法による救済件数との合算を、中皮腫での死亡件数で割った救済率について、二〇〇八年十二月末日現在の沖縄県内の救済率と全国平均の救済率を明らかにした上で、係る救済状況に対する政府の見解を示されたい。

三 アスベスト被害救済のための制度利用に必要な健康管理手帳は、医師の医学的所見、十年以上のアスベスト取扱い業務を示す同僚の証言等による職歴証明を交付要件としているようだ。制度利用対象者が高齢化していることからも、在沖米軍基地内でアスベストがどのように使用され、いかなる労働環境で業務に従事していたか等の職歴証明記録を「証言集」として残しておく必要があると考える。政府は、駐留軍労働者や同退職者から聞き取り調査を実施し、「証言集」のような形で記録しているのか明らかにされたい。

四 前項における「証言集」が作成されていない場合、国のアスベスト被害者救済事業の補助メニュー活用の一つとして、係る「証言集」作成業務を実施、あるいは沖縄県等の関係自治体に業務委託する考えはあるか、検討状況の有無を含めて政府の見解を明らかにされたい。

五 沖縄県における駐留軍労働者については、一九七二年を境に復帰前退職者と復帰後退職者との間で、労災補償に関する取扱いが異なるようだが事実か。事実であれば、取扱いが異なる理由及び法的根拠を明らかにした上で、その違いを詳細に示されたい。

六 日米地位協定第十八条5の規定に基づく損害賠償請求は、一九七二年の復帰以降の事案にのみ適用されると理解しているが間違いないか。

七 二〇〇七年十一月二十八日の参議院沖縄及び北方問題に関する特別委員会で、当時の岸田文雄沖縄及び北方対策担当大臣が、沖縄県における駐留軍労働者のアスベスト被害補償について、復帰前に米軍に直接雇用された人が対象であっても「請求があれば雇用形態、被害に至った状況等、個別具体的な事例に即して対応していく方針である」旨答弁している。係る答弁について具体的にどのような形での被害補償が考えられるのか、根拠法を示した上で政府の見解を明らかにされたい。

八 キャンプ瑞慶覧などの在沖米軍基地に勤務中アスベストにさらされ、石綿肺のため死亡した男性の遺族(妻)が当時の那覇防衛局に損害賠償請求をしていた件で、去る二月四日、沖縄防衛局は約二千二百万円の賠償金を支払ったようである。係る損害賠償金の支払いは、日米地位協定第十八条5の規定に基づくものだが、日米の分担比率を明らかにした上で、米側が分担金を支払ったのか、あるいは米側に支払う意思はあるのか把握しているか。していれば明らかにされたい。同様に米側が支払いを拒んでいる場合は、その理由を明示されたい。

九 前項同様のアスベスト被害に対する損害賠償請求について、二〇〇六年十月十七日にも当時の那覇防衛施設局が日米地位協定第十八条5の規定に基づき、約二千二百万円の損害賠償金の支払いを行っていると承知している。係る支払いについて日米の分担比率と米側による分担金支払いの有無を明らかにされたい。

右質問する。

衆議院の原文・経過

政府答弁書

一について

平成二十年十二月末までにおいて、石綿にばく露したことにより発症する疾患である肺がん及び中皮腫による沖縄県内における労働者災害補償保険法(昭和二十二年法律第五十号)に基づく保険給付(以下「労災保険給付」という。)の請求件数は二十九件であり、このうち駐留軍等労働者及びその退職者(以下「駐留軍等労働者等」という。)に係る請求件数は十三件、その他の労働者に係る請求件数は十六件である。また、その認定件数は十七件であり、このうち駐留軍等労働者等に係る認定件数は九件、その他の労働者に係る認定件数は八件である。

平成二十年十二月末までにおいて、沖縄県内における石綿による健康被害の救済に関する法律(平成十八年法律第四号。以下「石綿救済法」という。)に基づく給付の請求件数は六十一件、認定件数は二十件であるが、駐留軍等労働者等及びその他の労働者に係る請求件数及び認定件数の内訳は把握していない。

沖縄県内におけるこれらの請求件数及び認定件数については母数が少ないこと等から、お尋ねの被害状況について評価することは困難である。

二について

労働者災害補償保険法及び石綿救済法に基づき石綿による中皮腫に起因する死亡として認定された者の件数を人口動態統計に基づく中皮腫に起因して死亡した者の件数で除すと、全国については〇・四七、沖縄県については〇・二一となる(平成七年一月から平成十九年十二月までの死亡者に限る。)。

これらの値については、人口動態統計に基づく都道府県別の死亡件数は死亡者の住所地によって分類され計上されているのに対し、労働者災害補償保険法に基づく都道府県別の認定件数は最後に石綿作業に従事した事業場の所在地によって分類され計上されていること等から、全国と沖縄県の値を単純に比較して評価することは困難である。

三及び四について

お尋ねの「証言集」が具体的にどのようなものを指すのか必ずしも明らかではないが、防衛省においては、駐留軍等労働者等が従事していた業務内容等に係る記録を保有しており、労働安全衛生規則(昭和四十七年労働省令第三十二号)第五十三条第一項に掲げる要件に該当する駐留軍等労働者等が健康管理手帳の交付を申請しようとする場合には、その駐留軍等労働者等が従事していた事業場の主な業務内容等を証明しているところであり、今後とも適切に対処してまいりたい。

五について

沖縄が昭和四十七年に我が国に復帰する前に労働者災害補償(一九六一年高等弁務官布令第四十二号。以下「布令第四十二号」という。)の適用を受けていた米軍関係労働者(以下「米軍関係労働者」という。)のうち、琉球諸島及び大東諸島に関する日本国とアメリカ合衆国との間の協定(昭和四十七年条約第二号。以下「沖縄返還協定」という。)についての合意された議事録(昭和四十七年外務省告示第五十三号)に規定するアメリカ合衆国政府又はその機関の被用者(以下「米国に直接雇用されていた者」という。)については、復帰前に被災した労働災害に係る災害補償に関しては、沖縄返還協定に基づき、アメリカ合衆国政府に請求できることとされており、復帰後に被災した労働災害に係る災害補償に関しては、労働者災害補償保険法に基づき、我が国の駐留軍等労働者として労災保険給付を請求できることとされている。

また、米軍関係労働者のうち、米国に直接雇用されていた者以外の者については、復帰前に被災した労働災害に係る災害補償に関しては、沖縄の復帰に伴う特別措置に関する法律(昭和四十六年法律第百二十九号)に基づき、布令第四十二号に規定する補償水準によって補償が行われることとされており、復帰後に被災した労働災害に係る災害補償に関しては、同法に基づき、労災保険給付を請求できることとされている。

六について

沖縄県においては、日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約第六条に基づく施設及び区域並びに日本国における合衆国軍隊の地位に関する協定(昭和三十五年条約第七号。以下「日米地位協定」という。)第十八条5の規定は、復帰後から適用されてきている。

七について

沖縄の復帰前に米軍に雇用されていた者に係る石綿による被害に対する補償については、雇用形態や被害に至った状況等個別具体的な事例に則して対応していくものと考えており、お尋ねについて一概にお答えすることは困難である。

八について

御指摘の「損害賠償請求」については、日米地位協定第十八条5(e)(�A)等の規定に従い、日米間で分担することとしており、今後、アメリカ合衆国に請求すべき部分については、その分担を求めていくこととしている。

九について

御指摘の「損害賠償請求」については、日米地位協定第十八条5(e)(�A)の規定に従い、日米間で均等に分担することで合意され、アメリカ合衆国に請求すべき部分については、既に同国から償還を受けたところである。

衆議院の原文

この答弁書に出てくる定型句

お答えすることは困難 ×3趣旨が明らかではない ×1承知していない ×1個別の事案 ×1

語の一致で数えたものです。答弁の評価ではありません。同じ型の答弁が過去にどれだけあるかは、型を押すと出ます。

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