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沖縄県における米軍基地内の労働災害等に関する質問主意書
参議院 第77回 第22号お答えすることは困難 ×1
質問本文
沖繩県における米軍基地内の労働災害等に関する質問主意書
沖繩県における米軍基地は、日本全国のそれの五十三%を占めていることは周知の通りである。かかる米軍基地の存在とあいまつて、米軍基地の存在から生ずる基地労働者をはじめとする沖繩県民への人権侵害は絶えない。沖繩県議会が全会一致で「基地は諸悪の根源である」と断じているのもその故である。
ところで、去る三月十二日に米陸軍牧港補給基地従業員の喜納昌秀氏が、臭化メチルを使つて軍需物資の害虫駆除のための燻蒸作業をした後、意識不明になり二週間も昏睡状態に陥つた。事故後の検査では、喜納昌秀氏の血液から五百PPM、他の従業員からは百PPMの臭化メチルが検出されたということである。このことは、米軍の安全衛生管理の劣悪さを如実に示しているものである。しかも米軍は、当初喜納昌秀氏の臭化メチル中毒を否定していたことは、無責任な犯罪行為といわざるをえない。幸い日本政府から派遣された三人の専門医の調査により、基地における臭化メチル中毒が原因であることが証明され米軍の当初の主張が覆えされたが、もしこの調査がなければ、事件はうやむやに終わつた可能性が強い。しかし、原因が明確になつて、米軍による補償や、労働基準局の労災認定があつても、喜納昌秀氏は現在も寝たきりで口も利けない状態であり、社会復帰ができるかどうかが気づかわれている。
そこでこの事件をふまえ、次の諸点について質問する。
一 安保条約・地位協定によつて米軍に与えられた強大な権限が、国民その中でも沖繩県民の人権に脅威を与えているが、それについてどう考えているか。
二 独立国は、その主権に基づき、外国人、外国船舶その他の、自国への出入りを規制する権利を有するが、安保条約・地位協定は、米軍に対し出入国の自由を包括的に与え、日本の出入国管理令、検疫法等の適用がなく、したがつて主権の一部を放棄しているといわざるをえないと思うがどうか。
三 沖繩県の米軍基地から生ずる基地労働者をはじめとする国民への人権侵害は、日本政府がそれを黙認ないし黙過していることにもよると思うがどうか。
四 安保条約・地位協定について、政府は国益及び公共性が優先すると強調するが、国民主権憲法下の日本において、国民を犠牲にする国益及び公共性は存在しないと考えるがどうか。
五 政府が、安保条約・地位協定の存在を強調すればするほど、そこから生ずる犠牲は、基地周辺の住民にしわ寄せされてくることは、米軍とその演習が基地周辺の住民の生活を破壊していることにより証明されている。その反省がなければ、前述の喜納昌秀氏の例のような災害は後を絶たないと思うがどうか。
六 喜納昌秀氏に対する米軍の補償はどのようになされ、また補償額はいくらであるか。
七 喜納昌秀氏に対する労働基準局の労災認定はどのようになされ、またその額はいくらであるか。
八 政府は、かかる喜納昌秀氏の事件に類することが二度と起らないようにするため、いかなる具体策をもつているか。
右質問する。
政府答弁書
一及び三から五までについて
1 米軍は、安保条約及び地位協定に基づき、我が国に駐留することを認められているが、これは我が国の安全に寄与し、並びに極東における国際の平和及び安全の維持に寄与することを目的としているものであり、かかる目的を有する米軍が我が国に駐留していることは、我が国益を確保する上で必要であると考える。
2 我が国に駐留する米軍に対しては、一般国際法並びに安保条約及び地位協定に基づき、右目的達成上必要な限りでの一定の活動が認められているが、憲法において保障された国民の基本的人権は、公共の福祉による制約を受ける場合を別として、最大限に尊重されるべきものであり、我が国に駐留する米軍の活動によつて侵害されてはならないことは当然である。
3 沖繩県においては、多くの施設及び区域が存在し、その結果、種々の問題が生じていることは、政府としても十分認識しており、沖繩県民の民生安定、人権侵害防止等のため従来よりできる限りの努力を払つてきているが、今後もかかる努力を続けてゆく所存である。
二について
我が国は、米軍に対し安保条約及び地位協定の規定に従つて我が国への出入国を認めているが、右出入は、我が国が、外国軍隊の地位に関する一般国際法上の原則及び同様な国際条約における先例に従つて我が国の主権の行使として米国との間に締結した条約によつて行われているものである。
六について
喜納昌秀氏の請求権については、地位協定第十八条第五項に基づき処理されるものと考えられ、その具体的手続については、既に那覇防衛施設局を通じて同氏等に対し説明を行つている。
賠償額については、同氏からの請求に基づいて、労働者災害補償保険法による給付に係る分を除き、防衛施設庁において算定することとなるが、その場合でも同氏の症状が固定しないと最終的に算定することは困難である。
七について
喜納昌秀氏の臭化メチルによる中毒症については、所轄労働基準監督署が、昭和五十一年三月労働者災害補償保険法に基づく療養補償給付請求書を受理し、同年四月業務上の疾病と認定して、必要な療養の給付を行つているところである。
なお、同法に基づく休業補償給付等については、所定の請求手続をとるよう同氏等に対し説明しているところである。
八について
米軍施設及び区域内における労働者の安全衛生について、政府としては、労働安全衛生法等に基づく安全衛生教育の徹底、作業場の整備、適切な健康診断の実施等につき、米側に対して要請するとともにその実施に努めており、また、労働基準監督機関による検査を行うこと等により、その履行の確保を図つてきているところであるが、今後ともかかる努力を続けてまいりたい。
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件名と質問本文の冒頭の意味が近いものを、前もって計算しておいた表から近い順に8件並べました(multilingual-e5-large)。同じ言葉を使っていなくても出ます。論点が少しずれていることもあります。