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在日米軍の施設及び区域で働く駐留軍労働者のアスベスト被害に関する質問主意書

参議院 第163回 第6号

提出者
参議院
提出日
2005年10月3日
内閣転送 2005年10月5日
答弁書受領日
2005年10月14日
提出から11日
答弁の項目数
6
質問 1,359字/答弁 1,187字

質問本文

アスベスト(石綿)の健康被害は、民間企業等から被害実態が次々と明らかにされ、深刻さを増している。そのような状況のなか、政府は被害者の救済を主な目的としたアスベスト新法(仮称)の法案作成に取り組むなど、本格的な対応に乗り出した。

これまでのアスベスト対策が後手にまわった環境省と厚生労働省は、法令の改正や新たな規則の施行等による対策の強化を打ち出している。環境省では二〇〇六年度中に大気汚染防止法の政省令を改正する動きがみられる。厚生労働省は本年七月、石綿障害予防規則を施行し、石綿ばく露防止策を一段と強化した。

一方、本年七月には、社団法人神奈川労災職業病センター(横浜市鶴見区豊岡町)が米海軍横須賀基地で働く駐留軍労働者の被害実態を明らかにした。同センターによると、アスベスト被害は、一九九〇年以降、少なくとも九十八人(肺がん二十三人、中皮腫二人、石綿肺(最重症)七人、石綿肺と合併した続発性気管支炎六十六人)に上り、全員日本人男性である。このうち十四人が肺がんで、二人が中皮腫で死亡するなど計二十六人が亡くなっている。

これらの被害実態を受け、在日米軍の施設及び区域で働く駐留軍労働者のアスベスト健康被害について、以下質問する。

一 在日米軍の施設及び区域で働く駐留軍労働者の雇用主である防衛施設庁は、アスベスト被害の実態調査を実施したのかどうか。

二 アスベスト被害の調査を実施したのであれば、アスベスト患者情報を明らかにされたい。

三 アスベストに関し、雇用主である防衛施設庁と使用主である在日米軍は、その使用や撤去の危険性について、就業者等にどのような措置を講じたのか、具体的に示されたい。

四 アスベストの危険性に関し、日米合同委員会の環境分科委員会で話し合われたことがあるのか。

五 米軍が環境問題への対処に際しての拠り所とする「日本環境管理基準」(JEGS)には、アスベストの処理、対策等がどのように記載されているか。

六 駐留軍労働者の雇用主である防衛施設庁は、アスベストの健康被害に関し、相談窓口等を設置するなど対策に乗り出しているようだが、本年九月現在の相談件数及び具体的な相談内容を明らかにされたい。

七 在沖米軍の施設及び区域で働く全駐留軍労働組合沖縄地区本部は、アスベストの被害等に関し、実態調査に乗り出したが、調査対象の日本人従業員は退職・離職者も含め数万人と予測しており、追跡調査の難しさを指摘している。これらの点を踏まえ雇用主である防衛施設庁は、被害調査を実施する方針はないのか。

八 アスベストの実態調査を円滑に行う方法として、米軍施設及び区域においてアスベストが使われていた現場、また撤去された現場を明らかにすることで調査対象人員を絞り込めるとしているが、政府として米軍側に対し、アスベストの使用箇所や撤去箇所を明らかにするよう申し入れる考えはないのか。

九 駐留軍労働者に対するアスベストの健康被害については、一九九七年度から一九九九年度にかけて、神奈川県横須賀渉外労務管理事務所(当時)が、在日米海軍横須賀基地のアスベスト業務従事退職者を対象に「健康管理手帳制度周知事業」を実施したと聞くが、同様な事業を在沖縄の米軍施設及び区域の退職者にも実施する考えはないか。

右質問する。

参議院の原文・経過

政府答弁書

一及び二について

現在、防衛施設庁においては、駐留軍等労働者に対し、毎年、労働安全衛生法(昭和四十七年法律第五十七号)等に基づく健康診断を実施している。

また、平成十七年八月五日、駐留軍等労働者、過去に駐留軍等労働者であった者(以下「退職者」という。)等を対象とした石綿による健康被害等の相談に応じるための健康相談窓口(以下「健康相談窓口」という。)を防衛施設庁並びに関係する防衛施設局及び防衛施設事務所に開設したところであるが、同年九月三十日現在、防衛施設庁が把握している限りにおいては、石綿による健康被害が確認できた者はいない。

三について

石綿に関するものも含め駐留軍等労働者に対する安全衛生対策については、従来から、日本側においては、労働安全衛生法等に基づく健康診断、保健指導等を実施してきたところであり、アメリカ合衆国(以下「合衆国」という。)側においては、基本労務契約、船員契約及び諸機関労務協約に従い、安全な作業場の設置、安全教育の実施、保護衣の備付け等の災害防止に係る安全対策を実施してきたと承知している。

四について

日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約第六条に基づく施設及び区域並びに日本国における合衆国軍隊の地位に関する協定(昭和三十五年条約第七号)第二十五条1の規定に基づいて設置された合同委員会の下にある環境分科委員会(以下「環境分科委員会」という。)の議事録は、両国政府の合意なしには公表しないこととされており、環境分科委員会においてどのような事項が議題とされたかについては、これを公にすることにより合衆国政府との信頼関係が損なわれる等のおそれがあることから、答弁を差し控えたい。

五について

お尋ねの「日本環境管理基準」においては、石綿の管理等に関し、例えば、石綿含有物質が空気中にその繊維を飛散させるおそれがあり、信頼することができる方法で封じ込め、囲い込み等をすることができない場合は、その石綿含有物質を除去しなければならないことが定められていると承知している。

六について

平成十七年九月三十日までに、健康相談窓口に寄せられた相談件数は六十二件であり、相談内容は、石綿による健康被害への不安に関すること、労働者災害補償保険法(昭和二十二年法律第五十号)に基づく保険給付及びその手続に関すること等である。

七から九までについて

防衛施設庁においては、石綿による退職者の健康被害等に対応するため、御指摘の労働安全衛生法に基づく健康管理手帳の制度のほか、労働者災害補償保険法に基づく補償の制度等の退職者に対する周知を図るとともに、健康相談窓口での相談を通じて石綿による退職者の健康被害の有無等について把握することとしている。

また、合衆国軍隊に対しては、石綿による健康被害の防止に係る協力を必要に応じて要請することとしている。

参議院の原文

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