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農業共済団体・漁業保険団体の政治的中立の確保についての農林水産省通知文書に関する質問主意書

衆議院 第174回 第75号

提出者
自由民主党・改革クラブ
提出日
2010年2月4日
内閣転送 2010年2月8日
答弁書受領日
2010年2月12日
提出から8日
答弁の項目数
5
質問 1,598字/答弁 1,039字

質問本文

農業共済団体へは農林水産省経営局長の都道府県知事宛て通知文書、漁業保険団体へは水産庁長官の全国漁業共済組合連合会長宛ての通知文書において、「農業共済団体の役員等の執行体制について」、「漁業保険団体の役員等の執行体制について」、「議員等が兼職により就任するなど特定の組織、政党等の影響を受けているのではないかとの疑念を持たれることのないものとすること。」とある。公共性の高い団体に政治的中立性が求められているのは当然であり、従前から政治的中立性は厳に保たれてきていると考えるが、脱官僚・政治主導を唱えておられる現政府での、官僚である農林水産省経営局長、水産庁長官の通知文書について、以下質問する。

1 「農業災害補償制度、漁業災害補償制度、漁船損害等補償制度」の円滑な運営のため、農業共済団体並びに漁業保険団体は、農業・漁業の安定した経営の維持に欠かすことのできない団体であるだけでなく、高い信頼性と安定が求められており、役員等の執行体制には、信頼できる人物が選任されるのは当然のことである。通知文書に、「議員等が兼職により就任するなど特定の組織、政党等の影響を受けているのではないかとの疑念を持たれることのないものとすること。」との記述がある。農業・漁業経営の安定にとって重要な団体の役員には、団体の構成員自らが余人をもって代えがたい人物として信頼して選任した人物が就任すべきであり、従前よりそのように運営されていると考えるが、いかがお考えか。

2 農業・漁業経営の命綱ともいうべき重要な団体の役員に、構成員の要望にもかかわらず、人望のある人格、知識、経験を備えた役員候補が、有権者から信任を受けた議員というだけで、役員候補にすることも出来ず、役員就任も拒否させなければならない理由・根拠を示されたい。

3 議員として当該団体に対する職務権限がない有為な人材が、議員というのみの理由で、構成員にも期待される能力を発揮できないとしたら、農業・漁業の損失にとどまらず国民全体の損失であると考えるが、いかがお考えか。

4 行政が団体の役員候補を狭めることにより、団体の構成員である農業者・漁業者などの要望を反映しない執行役員体制での運営を強制することは、信頼性も損なう非民主的、強圧的な体制と考えるが、いかがお考えか。

5 構成員自らの意思による役員選任の選択肢を狭めることを政府は民主的な運営と考えておられるのか。役員の選任は、役員候補者の選定を狭めることなく、構成員自らの自由な判断に委ねるのが民主的と考えるが、政府はいかがお考えか。

6 選任された役員が独裁的運営でもしない限り、議員が役員に就任しているだけで、特定の組織、政党等を支援・優遇することは不可能であり、疑念が生じるようなことは起こり得ないし、執行について透明性が確保されていれば国民も理解できるものと考えるが、政府は議員が役員に就任するだけで特定の組織、政党等を支援・優遇すること、疑念が生じるようなこと、が可能だとどのような根拠でお考えなのか、根拠と所見を示されたい。

7 成熟した民主的社会において、時の政府の好嫌のみで公共性の高い団体として厳格に設立目的に沿って民主的運営を行っている団体の行為を縛ることは厳に慎むべきであるが、どのような根拠で官僚に対し、通知文書による役員就任資格を狭めることを行わさせたのか、示されたい。

8 今回の官僚発信の通知文書に政務三役はどのようにかかわったのか。

政府は脱官僚・政治主導を唱えておられるが、なぜ政務三役の通知文書でなく、官僚名の通知文書なのか、所見を示されたい。

9 政府は、成熟した民主的国家であるわが国の公共性の高い団体に、明確な理由・根拠もなく、団体自らの意思での自主的行為を縛り、強制する、官僚名の通知文書を今後も出させ続けるお考えなのか、方針を示されたい。

右質問する。

衆議院の原文・経過

政府答弁書

1について

農業共済団体の役員は、農業災害補償法(昭和二十二年法律第百八十五号)の規定に基づき組合員が選挙又は選任することとなっている。

また、漁業保険団体のうち漁業共済組合又は漁業共済組合連合会の役員は漁業災害補償法(昭和三十九年法律第百五十八号)の規定に基づき組合員又は会員が選任し、漁業保険団体のうち漁船保険組合又は漁船保険中央会の役員は漁船損害等補償法(昭和二十七年法律第二十八号)の規定に基づき組合員又は会員が選挙又は選任することとなっている。

これら団体の役員については、団体を適正に運営する観点から、団体構成員自ら選挙又は選任を行っていると考えている。

2から5まで及び7について

御指摘の農林水産省経営局長又は水産庁長官名で発出された通知の趣旨は、農業共済団体及び漁業保険団体は、法律に基づいて公共性の高い事業を行っている団体であり、政治的中立性を確保する観点から、地方公共団体の議会の議員又は国会議員(以下「議員」という。)が役員を兼職する等特定の組織、政党等の影響を受けているとの疑念を国民から持たれることのないようにするためのものである。

当該通知については、農林水産省組織令(平成十二年政令第二百五十三号)第七条第十六号又は農林水産省設置法(平成十一年法律第九十八号)第三十八条に規定する農林水産省経営局又は水産庁の所掌事務に関する行政指導であると考えており、したがって、行政手続法(平成五年法律第八十八号)第三十二条第一項に規定されているとおり、当該通知の内容は、相手方の任意の協力によってのみ実現されるものである。

6について

農業共済団体及び漁業保険団体は、法律に基づいて公共性の高い事業を行っている団体であることにかんがみれば、その政治的中立性の確保は重要であり、議員が団体の執行機関たる役員を兼職しているという事実をもって、当該団体が特定の組織、政党等の影響を受けているのではないかとの疑念を国民から持たれるおそれがあることが問題であると考えている。

8について

御指摘の通知については、これまでの農業共済団体及び漁業保険団体への通知の発出の通例に合わせて、農林水産大臣が担当局庁の長に対して通知の発出を指示したものである。

9について

御指摘の通知は、行政指導として行われたものであり、農業共済団体及び漁業保険団体の任意の協力を求めるものであることから、「団体自らの意思での自主的行為を縛り、強制する」との御指摘は当たらないものと考えている。

衆議院の原文

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