ことばで探す › 衆議院 第177回
菅首相の政治主導により実施されるストレステスト等に関する質問主意書
衆議院 第177回 第313号
質問本文
一 菅首相は、今回のストレステストを通じ国民に原子力の安全を保証する旨発言しているが、菅内閣として原子力の安全とは、国民に何を保証するのか。米国政府は、原子力の安全とは、「如何なる原発事故が発生しても国民に放射線被害を及ぼさない」としているが、この際、菅首相は、国民に対し、「原子力の安全」を保証するとは、「如何なる原発事故が発生しても国民に放射線被害を及ぼさない」趣旨である事を明確にすべきと考えるが如何。原子力の専門家等は、木を見て森を見ずの傾向がある。
二 原子炉の安全設計の「多重防護」の一つである「五重の壁」に位置付けられている「原子炉建屋」について、国(経済産業省・文部科学省)が国民に対し「原子力の安全に関するパンフレット」を大量に配布してきた。子供向けパンフレットには、「原子力発電所では、放射性物質が外にもれないよう、五重のかべでしっかりととじこめています」と明記し安全をPR。また一般向けパンフレットも放射性物質に対する五重の防壁のイラストを記載し、一重防壁から五重目まで役割を明記、その中で五重目の防壁は、原子力建屋で「万が一、原子炉事故で放射性物質が原子炉格納容器の外部に漏洩しても厚い鉄筋コンクリート構造の原子炉建屋で放射性物質の外部への漏洩を防ぐ」と記載し安全をPRしている。ところが東電福島原発事故では、国が配布してきた安全PRパンフレットを信じていた国民の目に、頼りの五重目の防壁(原子炉建屋)の破壊映像が焼き付いている。二〇一一年六月六日の東京新聞朝刊に東電福島第一原発三号機で起きた水素爆発について「建屋内の圧力は約六十気圧に達し、建屋上部が吹き飛んだ」との記述があるが、政府に対し、三号機も含め破壊した各建屋の破壊時の建屋内気圧の開示を求める。
三 東電福島原発事故を踏まえて出された、七月六日の文書(23安委決第7号)の「評価の視点(1)多重防護の考え方に従い、各防護対策との関係を明示すること」における防護対策について、建屋内の圧力を、現実に破壊に至らしめた、もはや想定外ではない実績圧力を前提に防護対策を求めるのか、もしくは、班目原子力安全委員会委員長の権限のもと東電福島原発の建屋破壊は、今後とも想定外として無視して求めないのか、政府の見解を求める。
四 七月八日の福井県議会において福井県知事は、「福島の事故の原因究明をまず行い、福井を含めた全国の原発に反映させることが基本であり、国内の原発の安全性を高める手順としては、現段階で判明している福島の知見を定期検査中の原発に取り入れ、新たな知見が出てくれば次の定検に反映させるべきだ。IAEAに提出した事故報告書に盛り込まれた中長期対策は、実施時期など具体的なスケジュールを明らかにしてほしい」と発言しているが、この際、この項で記載した福井県知事の発言内容について、政府の答弁を求めるとともに、政府として、IAEAに提出した事故報告書に盛り込まれた中長期対策の実施時期など、具体的なスケジュールを示されたい。
右質問する。
政府答弁書
一について
原子力の安全確保とは、国際原子力機関(IAEA)が中心となって策定した基本安全原則において示されているとおり、個人及び環境を放射線の有害な影響から防護することであると認識している。
二について
お尋ねの「三号機で起きた水素爆発」とは平成二十三年三月十四日に発生した東京電力株式会社福島第一原子力発電所(以下「福島第一原子力発電所」という。)の第三号機で起きた水素爆発と考えられるが、同じく水素爆発と思われる事象が発生した第一号機、第二号機及び第四号機を含め、お尋ねの「建屋の破壊時の建屋内気圧」については不明である。
三及び四について
経済産業省原子力安全・保安院(以下「保安院」という。)においては、福島第一原子力発電所の事故を踏まえ、平成二十三年三月三十日に各電気事業者等に指示した緊急安全対策の実施状況について、立入検査や訓練の立会いにより確認及び評価し、福島第一原子力発電所の事故を引き起こしたものと同程度の津波により、全交流電源喪失に至ったとしても、炉心を管理された状態で維持し冷温停止状態につなげることができる対応の手順の整備や必要な機器の配備を行っていることなどを確認している。また、保安院においては、同年六月七日に、各電気事業者等に対し、炉心損傷等のシビアアクシデントが万一発生した場合でも迅速に対応するために直ちに取り組むべき措置として、緊急時における発電所構内通信手段の確保、水素爆発防止対策等の実施を指示し、当該指示に対する各電気事業者等からの報告を踏まえ、立入検査や訓練の立会いにより確認及び評価し、これらの措置が適切に実施されていることを確認している。さらに、内閣府原子力安全委員会においては、同年七月六日に、保安院に対し、既設の発電用原子炉施設について、設計上の想定を超える外部事象への頑健性に関する総合的な評価を行うことを要請し、その手法及び実施計画を報告することを求めている。今後とも、政府としては、引き続き事故の原因については予断なく徹底的な検証を行い、その検証で得られた知見を踏まえ、原子力の安全確保に万全を期してまいりたい。
お尋ねの「具体的なスケジュール」については、個々の対策によって異なるが、例えば防潮堤の設置、原子炉建屋の水密化工事については二年から三年程度で完了する予定であることを確認しており、今後とも対策の確実な実施を各電気事業者等に対して促してまいりたい。
似た質問主意書
件名と質問本文の冒頭の意味が近いものを、前もって計算しておいた表から近い順に8件並べました(multilingual-e5-large)。同じ言葉を使っていなくても出ます。論点が少しずれていることもあります。