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児童虐待防止対策に関する質問主意書

衆議院 第177回 第368号検討してまいりたい ×1

提出者
自由民主党・無所属の会
提出日
2011年8月2日
内閣転送 2011年8月8日
答弁書受領日
2011年8月12日
提出から10日
答弁の項目数
7
質問 1,808字/答弁 1,524字

質問本文

七月二十日、厚生労働省が公表した集計によると、平成二十二年度に全国の児童相談所が対応した相談・通報が、前年度比二十八・一パーセント増の約五万五千百五十二件(速報値、東日本大震災の影響により宮城県・福島県・仙台市を除く)で過去最多を更新したことが分かった。昨年から社会的な関心を集める虐待事件が多発し、また児童虐待防止法施行から十年目の節目ということも手伝って、広報や報道などが目立ったことも虐待相談が増えた背景になったとしている。さらに、同省の児童虐待死亡事例を検証する専門委員会が、平成二十一年度に起きた四十九人の虐待死事例を検証した結果、ゼロ歳児が最多の二十人、ゼロ歳児を含む五歳までの乳児・幼児は計四十三人で全体の九割に上り、虐待の内訳は「身体的虐待」が前年度比十五人減の二十九人、「育児放棄」同七人増の十九人で、全体では同十八人減だった。しかし、死亡事例のうち、児童相談所が相談を受けるなど関わっていた事例は前年度比十四・六ポイント増の十二件(二十五・五パーセント)に上る。そのうち虐待があることが分かっていて、可能性に気付いていた事例が七件あり、児童相談所の対応が追いついていないことが浮き彫りになった。

地域によっては、児童相談所の職員一人当たりの案件を百件以上抱えているところもあり、通報や相談の増加を歓迎するものの、慢性的な人手不足に手を焼いている状況を察する時、学校や警察、医療機関、そして地域全体の協力が不可欠であることは言うまでもなく、児童福祉司の人員増と、職員が経験を積み専門性を高めていける態勢作りが急務と考える。

従って、次の事項について質問する。

一 今回、厚生労働省が公表した児童相談所が対応した相談・通報の集計及び同省の児童虐待死亡事例を検証する専門委員会が検証した結果について、どのように分析しているのか、菅内閣の見解如何。

二 一に関連し、「泣き声通報」が急増し、児童相談所の担当職員は一晩で数箇所を確認に走り、「確認が出来ないと心配で眠れないこともある。時間をかけて対応しようとしても、次々に案件が入り、出来ないこともある」との声があるが、国としてどのように支援していくのか、菅内閣の見解如何。

三 一及び二に関連し、「複雑な家庭事情などの難題に対応できるよう専門性を高めたいと思うが、目先の事案に忙殺され、勉強の時間が全く取れない」との声があるが、国としてどのように支援していくのか、菅内閣の見解如何。

四 一〜三に関連し、児童虐待防止のためには、住民側からの協力的な対応も必要と考えるが、主として都市部や住民同士の個人情報保護意識の高い地域において、自治会の非加入など地域とのつながりを好まない世帯が増加している。これについて国としてどのように対応していくのか、菅内閣の見解如何。

五 一〜四に関連し、近年、家族や地域の絆が希薄になり、子どもや子育て家庭の生活に様々な影響を及ぼしているが、現政権与党の夫婦別姓、外国人参政権などの間違った政策による煽動の影響も強ち否定できないであろう。悲惨な事件や自然災害など後を絶たず、加えて経済・雇用情勢の悪化により、将来に対する不安を払拭できない現状において、児童虐待防止のためには、各地域の児童委員との連携も不可欠と考えるが、どのように捉えているのか、菅内閣の見解如何。

六 一〜五に関連し、虐待の内訳である「身体的虐待」「育児放棄」について、その主な加害者が実母と聞く。このような望まない妊娠や育児ストレス、精神疾患のある母親などに対して、どのように支援していくのか、菅内閣の見解如何。

七 六に関連し、育児に対する不安、児童虐待、不登校、母子家庭などにおける親子は、その地域の中で孤立する傾向があり、その早期発見、問題解決を図っていくため、どのような対策を講じていこうとしているのか、菅内閣の見解如何。

八 一〜七に関連し、通報のうち、虐待と確認した案件、また深刻化する前にどれだけ防止できたのか、それぞれの数を示されたい。

九 今後の児童相談所の果たすべき役割、また職員の慢性的な人手不足及び児童福祉司の人員増について、どのように捉えているのか、菅内閣の見解如何。

十 児童虐待防止に対して、国として平成二十四年度予算ではどのように財源を確保し、反映していこうとしているのか、菅内閣の具体的かつ明確な見解如何。

右質問する。

衆議院の原文・経過

政府答弁書

一について

平成二十二年度に全国の児童相談所が対応した児童虐待の件数は、宮城県及び福島県並びに仙台市の件数を除いて集計した速報値で五万五千百五十二件となっており、前年度の件数よりも一万九百四十一件増加したが、この背景には、広報啓発活動等により住民や関係機関の職員の意識が高まり、児童虐待に係る通告の件数が増加したことがあるものと考えられる。また、児童虐待の件数自体が増加している可能性があると考えている。

社会保障審議会児童部会児童虐待等要保護事例の検証に関する専門委員会第七次報告においては、「虐待死」の事例では「望まない妊娠」や「妊婦健診未受診」等の場合が多いとされており、政府としては、これらの児童虐待のリスク要因を持つ家庭への対応が必要であると分析している。

二、三及び九について

児童相談所は、児童とその家庭の様々な相談に応じる専門機関として、児童虐待防止対策の中心的な役割を担うものであり、政府としては、児童相談所が対応した児童虐待の件数の増加や相談事例の複雑化を踏まえ、児童相談所の体制強化を図る必要があると考えている。このため、児童福祉司については、その配置実態等を踏まえながら、増員のための地方交付税措置を講ずるとともに、平成二十二年度補正予算において、安心こども基金の積増しを行い、同基金による施策に児童の安全確認のための補助職員の配置等を追加したところである。また、児童福祉司の専門性の向上等を図るための研修等を実施する子どもの虹情報研修センターの運営に係る費用や、児童相談所が児童虐待防止対策を実施するに当たっての弁護士や医師などの外部の専門家の協力を得るための費用を補助している。

政府としては、今後とも、児童相談所の体制強化に努めてまいりたい。

四について

児童虐待の防止のためには、御指摘のような地域とのつながりを好まない方々を含め、地域住民の協力が重要であると考えており、児童虐待を防止するための様々な取組について、地域住民に対する広報啓発に努めてまいりたい。

五について

児童委員については、児童虐待の発生予防や早期発見・早期対応において、重要な役割を果たしており、政府としては、今後とも、児童相談所等の関係機関等と児童委員との連携を促してまいりたい。

六及び七について

御指摘のような児童虐待のリスク要因を持つ家庭を含め子育てに関わる家庭が、地域において孤立することなく育児不安の解消等が図られるよう、子育てに関する相談がしやすい体制の整備や、地域の子育て支援サービスの充実が必要であると考えている。

このため、生後四か月までの乳児のいる全ての家庭を訪問する乳児家庭全戸訪問事業、同事業等で発見した支援の必要な家庭に対して保健師等が継続して訪問支援を行う養育支援訪問事業、子育て中の親子の交流の場を設ける地域子育て支援拠点事業、身近な地域において子育てに関する学習機会や情報の提供、相談等の家庭教育支援が受けられる環境の整備等を推進することにより、児童虐待の防止に取り組んでまいりたい。

八について

お尋ねについては、「通報」によるものに限らず、平成二十二年度に全国の児童相談所が対応した児童虐待の件数は、宮城県及び福島県並びに仙台市の件数を除いて集計した速報値で五万五千百五十二件である。また、平成二十二年度における児童虐待に係る通告等を受けて一時保護を行った件数は、現在取りまとめ中であるが、平成二十一年度における件数は、一万六百八十二件である。

十について

平成二十四年度予算概算要求における児童虐待防止に係る予算については、現在、検討しているところであり、今後とも、児童虐待防止の取組を進めてまいりたい。

衆議院の原文

この答弁書に出てくる定型句

検討してまいりたい ×1

語の一致で数えたものです。答弁の評価ではありません。同じ型の答弁が過去にどれだけあるかは、型を押すと出ます。

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