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札幌保健医療大学はじめ三大学の新規設置を不認可とした文部科学大臣の判断の妥当性等に関する質問主意書
衆議院 第181回 第28号
質問本文
本年十一月二日、田中眞紀子文部科学大臣は閣議後の定例記者会見につき、大学設置・学校法人審議会(以下、「設置審」とする。)により、新規設置をする上で必要な基準を満たしているとされた札幌保健医療大学、秋田公立美術大学、岡崎女子大学の三大学に関し、「設置審」の答申を否定し、不認可の判断を下した旨述べている。右を踏まえ、以下質問する。
一 「設置審」につき、その設立経緯、業務内容等、詳細を説明されたい。
二 大学の新規設置につき、「設置審」が審議する内容はどのようなものか、またどのような基準を満たせば大学の新規設置が認められるのか、詳細を説明されたい。
三 過去に、「設置審」による審議を経て、新規設置の基準を満たしたとされながら、文部科学大臣により不認可の判断が下された事例は、今回の田中大臣によるものを除き、過去にあるか。
四 三で、あるのなら、その件数並びに不認可の判断を下した文科大臣の名前、不認可の理由等の詳細を、一件ごとに全て明らかにされたい。更に、右につき、文科大臣が不認可とした後、改めて新規設置が認められたものがあれば、その事例についても明らかにされたい。
五 前文で触れた閣議後の定例記者会見で、田中大臣は、三大学の新規設置を不認可としたことにつき、以下のように述べている。
「大学の問題。要するに設置審(大学設置・学校法人審議会)そのものについて抜本的にしっかり見直したいと思います。理由は戦後六十七年経過していますが、大半の委員が大学(関係者)で、大学同士がお互いに検討しているということもあります」
「一番大きなことは大学の数が全国で約八〇〇ある。(中略)量よりも質です。その理由は大学教育の質自体がかなり低下してきていると。そのたびに就職できないことにもつながっています。それから、これだけ数がありますと、大学同士の競争も激化して、運営に問題があるというところは皆さんがご指摘なさっている通りです。(中略)設置審そのもののありようについて抜本的に見直ししたいと思います」
「三校とも短大(正確には一校は専門学校)を四年制(大学)に新設したいということですので、これは残念ながら認可するわけにはいきません」
「それもありますが、どういう大学を作っていくことが日本社会、世界に貢献するかという視点が六十七年間も同じルーティーンワークであると、やはり探せない、気付けない。ですから大学設置審は大変影響あると思いますので、どういう人材を作りたいかとか、多様な視点の方が入ってくださるようにします。主に大学同士でやっていると、遠慮もあるかもしれないし」
「多すぎるというか質の問題。前からそういう認識は持っていましたが、最近、頻繁に。例えば堀越学園は極端なケースかもしれないけれども、それに類似していることもあると思います。短大が何で四年制にしたいのか、短大があった方がいいのかとか、地域性もあると思う。それだけの需要が本当にあるのか。詳しく分析をしていくような設置審であってほしい」
また同月六日の閣議後の定例記者会見では、次のように述べている。
「大学が乱立し少子化で経営難のところがある。日本の将来を見渡した場合、大臣として放置できない」
「審議会答申を受けて判断するのは大臣の職能。大学の乱立に歯止めをかけて教育の質を向上させたい」
要するに、三大学の教育内容、経営状況等、三大学それぞれの実情に問題があるという理由ではなく、我が国において大学の数が多すぎること、「設置審」のあり方に疑問を感じていることから、単純に新規設置を認めないという判断を下したものと思われるが、いかがか。
六 田中大臣として、五で挙げたような我が国における大学の数や「設置審」のあり方とは全く別に、その教育内容、経営状況等、今回新規設置を認めないとした三大学それぞれの実情につき、どんな問題があったと考えているのか、またそのような事情をいつ把握したのか、詳細に説明されたい。
七 田中大臣は本年十一月六日の閣議後の定例記者会見で、「できれば年内に認可基準を見直し、新しい基準に照らしてもう一回審査する」と述べ、三大学につき、今後認可する可能性についても言及している。右の新しい基準とはどのようなものか。右の新しい基準では、これまでの「設置審」の基準では図ることが出来なかった、三大学の新規設置の意義が見出すことができるのか。詳細に説明されたい。
八 今回、田中大臣が不認可の判断を下したことで、既に生徒の募集等、新規設置に向けて準備していた三大学並びに入学を希望していた生徒は、大変な混乱を来たしていると考えるが、右につき、田中大臣としてどのような認識を有しているか。
右質問する。
政府答弁書
一について
大学設置・学校法人審議会は、昭和六十二年、従前の大学設置審議会及び私立大学審議会を統合し、文部大臣(当時)の諮問に応じ、公立又は私立の大学及び高等専門学校の設置等に関する事項並びに大学及び高等専門学校を設置する学校法人の設立等に関する事項を処理するために設置されたものである。
その所掌事務は、文部科学大臣の諮問に応じ、大学等の設置の認可等に係る調査審議を行うなど、学校教育法(昭和二十二年法律第二十六号)、私立学校法(昭和二十四年法律第二百七十号)及び私立学校振興助成法(昭和五十年法律第六十一号)の規定に基づきその権限に属させられた事項を処理することである。
二について
大学設置・学校法人審議会では、お尋ねの「大学の新規設置」に関し、名称、教育課程、教員組織、校地、校舎等の施設及び設備等について、「大学、大学院、短期大学及び高等専門学校の設置等に係る認可の基準」(平成十五年文部科学省告示第四十五号)に基づき、大学設置基準(昭和三十一年文部省令第二十八号)等に適合しているかなどについて審査し、さらに、私立大学については、学校法人の財務の計画や管理・運営の方法等について、「学校法人の寄附行為及び寄附行為の変更の認可に関する審査基準」(平成十九年文部科学省告示第四十一号)に適合しているかなどについても審査し、文部科学大臣に答申を行うものである。その上で、同大臣が、学校教育法第四条第一項に基づき認可に関する処分を行うこととなっている。
三から六までについて
文部科学大臣は、平成二十四年十一月二日の記者会見において、大学の設置認可については、認可の基準や大学設置・学校法人審議会の在り方など、見直すべき課題がある中で、大学の新設を認可することはできないとの基本的視点を述べたところであるが、認可を見送っていた御指摘の三つの大学については、個別に具体的な問題があると認識していたものではなく、同月八日付けでそれらの設置を認可したところである。なお、お尋ねの「「設置審」による審議を経て、新規設置の基準を満たしたとされながら、文部科学大臣により不認可の判断が下された事例」や「文科大臣が不認可とした後、改めて新規設置が認められた・・・事例」については、文部科学省において調査した限りでは、見当たらない。
七について
御指摘の「認可基準」を含めて大学の設置認可の在り方の見直しについては、今後検討を行うこととしている。
なお、御指摘の三つの大学の設置については、平成二十四年十一月八日付けで認可したところである。
八について
御指摘の三つの大学において、設置に向けた諸準備が進められてきたことや、設置を見越して入学を検討してきた生徒がいることは承知している。
御指摘の三つの大学の設置については、平成二十四年十一月八日付けで認可したところであるが、文部科学大臣は、これらの設置認可に関し、関係者の皆様に御心配や御迷惑をおかけしたことについて、同月九日の記者会見において、おわびの気持ちを申し上げたところである。
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