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仁徳天皇百舌鳥耳原中陵内の宮内庁による「開発工事」の即時中止を求める質問主意書

衆議院 第183回 第9号趣旨が明らかではない ×1

提出者
日本維新の会
提出日
2013年2月1日
内閣転送 2013年2月6日
答弁書受領日
2013年2月12日
提出から11日
答弁の項目数
11
質問 4,543字/答弁 1,371字

質問本文

(一) 大阪府堺市堺区大仙町に所在する第十六代天皇である仁徳天皇百舌鳥耳原中陵は、中央の墳丘を三重の周濠が囲む日本最大の前方後円墳で、陵墓地の外周は約三千メートル、東西の長さは六百五十六メートル南北の長さは七百九十三メートルであり、樹木が生い茂り広大な森となっており、陵墓地外の周辺に数基の陪塚がある。

その広大な陵墓地は、南向き正面の幅二十メートルほどの参拝域以外は総て黒いスチール製の柵で囲まれていて、柵の各所には次のような標識が付けられている。

「陵墓地につき管理者の許可なく立ち入ることを禁止します 宮内庁古市陵墓監区事務所」、「立入禁止 宮内庁」および「魚釣禁止 宮内庁」

南側正面の参拝域は陵墓域内に整えられており、中央の墳丘に向かって外から二つの周濠を渡り一番奥の周濠手前まで白い砂利が敷かれそこに鳥居が立てられているが、一番外の周濠を渡った第二の周濠手前には石の柵があり一般の参拝者が入れるのはここまでで、仁徳天皇御陵を訪れた人々はこの柵の手前で参拝もしくは見学をする。

この第二の周濠前の柵の手前東側の、第一の周濠と第二の周濠の間の土地(堤)には幅約五メートル奥行き約三メートルほどの木造平屋建ての事務所が建てられており「宮内庁書陵部古市監区百舌鳥部事務所」なる木製の札が掲げられている(以下、宮内庁事務所という)。そして、墳丘に向かって右側に大きな木版が掲げられ次の事項が墨書されている。

「仁徳天皇百舌鳥耳原中陵

一、みだりに区域内に立ち入らぬこと

一、魚鳥等を取らぬこと

一、竹木等を切らぬこと

宮内庁」

以上が、仁徳天皇陵の外観であるが、次に、現在、この仁徳天皇陵内で、宮内庁によって行われつつある「工事」について説明する。

(二) 現在、宮内庁事務所正面左の壁には四十センチ四方ほどの、「開発行為等の計画の概要」と題された次の事項が記載された紙が貼られている。

「開発区域の所在地 堺市堺区大仙町1079−1番地

開発区域の面積 3132・19平方メートル

開発の目的 事務所 一戸一階

開発者の氏名 京都市上京区京都御苑3 宮内庁京都事務所

設計者     同上

工事期間 平成24年11月12日から

平成25年3月22日まで

平成24年10月23日設置」

そして、平成二十四年十一月頃から、宮内庁事務所東側手前に見学者向けに大きなブリキ製の看板が設置され、大きく「ご迷惑をおかけします 事務所改築工事を行っています」と書かれ、以下次のような記載が為されている。

「平成25年3月22日まで 時間帯8:30〜17:30

仁徳天皇陵百舌鳥部事務所改築工事

発注者 宮内庁京都事務所

施工者 株式会社 芝松組」

そこで、現実に何が行われているかを次に説明する。

まず平成二十四年後半より、参拝域の左右の第一の周濠と第二の周濠の間の立ち入り禁止の陵墓地にある樹木が伐採された。

そして現在、西側の伐採あとには長さ十メートルほどのプレハブ住宅(以下、プレハブという)が建てられ建築資材やバイクが置かれ、東側の宮内庁事務所の奧は、周濠に沿って長さ二十メートル、幅十メートルほどの白い鉄板製フェンスで覆われて内部が見えなくされており、フェンスの手前には軽トラックが置かれている。

平成二十五年一月四日午後四時頃、当職がそのフェンスの隙間から中を見ると、既にそこの地面は掘り起こされて建造物を設置する為のコンクリートの基礎が流し込まれて、そこに鉄筋が埋め込まれている。

(三) 以上を総合すれば、宮内庁は対外的には「事務所改築工事」と表示しながら、実態は、自ら「開発者」となって墳墓地内の3132・19平方メートル(約千坪)を「開発区域」として、既に樹木を伐採してプレハブを設置しさらに陵墓地を掘り起こして宮内庁事務所東側の白いフェンスで囲んだ場所に新たに何らかの鉄筋の基礎をもつ建造物を新築しようとしている。

つまりこの実態は宅地造成工事であり、宮内庁はこともあろうに陵墓地内を宅地造成して事務所を新築しようとしているのである(以下、新築しつつある事務所という)。

したがって右の行為は、天皇陵の歴史的形態を維持し管理することを職務とする宮内庁による仁徳天皇百舌鳥耳原中陵の破壊である。

しかも、仁徳天皇百舌鳥耳原中陵は、日本最大の前方後円墳として全国の小中学校の歴史教科書に写真入りで紹介されている最も有名な見学者や参拝者が絶えない前方後円墳なのである。

よって、同御陵を宮内庁による破壊から守るために緊急の必要性があるので、左の通り質問する。

なお、宮内庁の陵墓管理要領第二条(以下、管理要領という)は、左の通りである。

第二条 陵墓職員は、陵墓が皇室の祖先を葬ってその静安を期し、尊崇の対象として追慕、礼拝が行われるところであり、かつ、重要な文化的所産であることを深く認識し、誠心誠意その職務の遂行に努めなければならない。

二 陵墓職員は、常に次のことに留意し、研究を怠ってはならない。

(一)陵墓の尊厳及び良好な環境の保持

(二)土地、施設その他の財産の監守及び保全

(三)巡回の方法

(四)災害及び緊急事態の対策

(五)陵墓の沿革、葬られた方の御事蹟その他必要と認める事項

三 陵墓職員は、常に厳正な態度をとるとともに、沈着冷静に行動しなければならない。

四 陵墓職員は、参拝者に対して常に懇切丁寧な態度で接しなければならない。

五 陵墓職員は、陵墓の周辺の居住者等に対して常に誠実な態度で接し、また関係官公署その他と緊密な連けいを保つように努めなければならない。

一 国家は国家の個性を端的に示す歴史的存在もしくは景観は断固として守らねばならないのであるが、特に万世一系の天皇を戴く我が国における歴代天皇の御陵は、総て百二十五代の天皇である今上陛下のご先祖の墳墓であり、それは我が国の現在に至る歴史的なあり方すなわち国體を端的に示す尊い陵墓であるから、その歴史的姿は国家として断固として守らねばならないものと思料するのであるが、天皇を戴く国家である我が国における歴代天皇陵の維持管理の原則について、如何に考えておるのか答弁されたし。

二 宮内庁は、仁徳天皇陵の外周にスチール製の柵を設置して陵墓地内に許可なく人が立ち入ることを禁止しているが、これは管理要領に基づく措置か。

また、その措置によって守り維持しようとするものは、管理要領に言う「陵墓の尊厳及び良好な環境の保持」と思われるが如何に思うか。

三 宮内庁事務所正面に掲げられている「開発行為等の計画の概要」に記載されている「開発行為」とは、陵墓地内で行われるのか、陵墓地外で行われるのか。

四 宮内庁事務所正面に掲げられている「開発行為等の計画の概要」に記載されている「開発区域の面積 3132・19平方メートル」とは約千坪の広大な面積であるが、それは具体的に何処か、宮内庁事務所玄関を起点として方位、距離等を明確に回答されたい。

五 「プレハブ」は陵墓地内に設置されているのか。陵墓地外に設置されているのか。

六 「新築しつつある事務所」は、陵墓地内に新築しつつあるのか。陵墓地外に新築しつつあるのか。

七 「プレハブ」内にトイレ(便所)が設置されているのか。

八 「新築しつつある事務所」にトイレを設置するのか。

九 「新築しつつある事務所」には事務室、湯沸室及び車庫・倉庫が設置されるが、その通りか。

湯沸室における排水は陵墓地内に排出するのか。

また、車庫とはどこの所有の如何なる用途の車を入れるためのものか。

さらに、その車を何処から車庫に出入りさせるのか。

十 そもそも陵墓地内の礼拝所に隣接した西側にプレハブを設置して建設資材を運び入れ作業員のバイクを駐車させ、礼拝所に隣接した東側の陵墓地を掘り起こして車庫付の事務所を新築することは、管理要領にいう「静安を期し、尊崇の対象として追慕、礼拝が行われるところ」としての仁徳天皇百舌鳥耳原中陵の「尊厳」と「良好な環境」を宮内庁自ら疵付けていることとなると、思わないのか。

十一 何時の頃からか、礼拝所東側に宮内庁事務所とその東側に小屋が設置されていたのであるが、そもそも、そこは礼拝所なのであるから、その宮内庁事務所等が老朽化したならばそれを取り壊して陵墓地を復元し、新しい事務所は陵墓地外に設置することとすることが管理要領の趣旨に即して陵墓地の「尊厳」と「良好な環境」を守るために存在する宮内庁の責務であるが、如何に考えるか。

十二 宮内庁は、自ら管理する陵墓を、自分たちの自由にできる領地だと錯覚しているのではないか。

また、宮内庁は、何時の頃からか陵墓地内に事務所等を設置していたので、その事務所敷地付近一帯の陵墓地即ち礼拝所一帯の宮内庁が「開発区域」と名付けた3132・19平方メートルは、宮内庁の自由に「開発」できる既得権益地と錯覚しているのか。

そういう不埒な錯覚がなければ、陵墓地内にプレハブを作り陵墓地を掘り起こしてコンクリートを流し込み、そこに車庫付の事務所を設置するなど到底できないと思うのであるが、それを当然できるものと考えているのか。

十三 仁徳天皇百舌鳥耳原中陵の昔からの歴史的存在と景観を維持し管理する責務のある宮内庁は、既に説明したとおり、見学者や参拝者には「事務所改築工事」と表示しながら、実態は陵墓域内の3132・19平方メートルを「開発区域」とする事務所の新築を含む「開発工事」を実施してきたのであるが、宮内庁はその本来の職務に立ち戻るならば、直ちに当該工事を中止して、樹木を伐採し土を掘り起こしてコンクリートを流し込んだ陵墓地内を元の形状に復元するべきであると確信するが、工事継続か工事中止か、何れか答弁されたし。

十四 仁徳天皇陵南側正面の外に陵墓地に隣接して宮内庁所管の約二百坪ほどの駐車場があるが、そこにある宮内庁所管の土地の面積を回答されたい。

十五 仁徳天皇陵を市域に持つ堺市は、仁徳天皇陵を含む百舌鳥古墳群の世界遺産登録をめざし仁徳天皇陵南側一帯に数基の陪塚が点在する広大な大仙公園を設置し、仁徳天皇陵の景観と環境保持に熱心であるが、宮内庁は管理要領にある通り「関係官公署その他と緊密な連携を保つように努めなければならない」のであるから、宮内庁は、堺市と協議して、陵墓地外に有する右のような所管の土地を利用して事務所をそこに設置し、または、大仙公園内に事務所用地を求めて事務所を建設するならば、車が自由に出入りできる車庫も応接室も便所もある仁徳天皇陵だけでなく広大な百舌鳥古墳群全体の陵墓管理のために、また、その業務に従事する宮内庁職員のために、機能的で快適な管理事務所を建設することができる。

何故今まで、この陵墓地外に宮内庁事務所を設置しようとしなかったのか、その理由を回答されたい。

さらに、今からでも遅くはないのであるから、この陵墓地の外に宮内庁事務所を設置するために、堺市との「緊密な連携を保ち」、同市とそのための協議を始めるつもりはあるのかないのか、回答されたい。

右質問する。

衆議院の原文・経過

政府答弁書

一について

宮内庁としては、御指摘の「歴代天皇陵」を含め、その所管に属する国有財産法(昭和二十三年法律第七十三号。以下「法」という。)第三条第二項第三号に規定する皇室用財産である陵墓等について、天皇及び皇族を葬る所であり、静安と尊厳の保持が最も重要とされているという陵墓等の本義に鑑み、法第九条の五の規定に基づき、適切に管理すべきものと考えている。

二について

お尋ねの「スチール製の柵」は、法第九条の五の規定に基づき仁徳天皇百舌鳥耳原中陵(以下「本件陵」という。)を適切に管理するために設置しているものであり、これにより部外者による立入り等の防止を図り、御指摘の「陵墓の尊厳及び良好な環境の保持」に努めているところである。

三について

御指摘の「陵墓地内」の意味するところが必ずしも明らかではないが、お尋ねについては、本件陵内で行われている。

四について

お尋ねについては、御指摘の「南向き正面の幅二十メートルほどの参拝域」(以下「一般拝所」という。)並びに御指摘の「第一の周濠と第二の周濠の間の土地(堤)」のうち御指摘の「宮内庁事務所玄関」を起点として東方向に幅約六メートル、長さ約二百八十六メートルの土地、その東端から北方向に幅約六メートル、長さ約二十九メートルの土地及びその北端が接する渡土堤である。

五及び六について

お尋ねについては、いずれも本件陵内である。

七について

お尋ねについては、設置していない。

八について

お尋ねについては、設置することとしている。

九について

お尋ねの「事務室、湯沸室及び車庫・倉庫」については設置し、当該湯沸室からの汚水は公共下水道に排水することとしている。また、当該車庫には主に本件陵の管理に使用する宮内庁所有の車両を保管することとし、当該車両が当該車庫と公道との間を行き来するに当たっては、御指摘の「駐車場」及び一般拝所を通行することとしている。

十から十三までについて

宮内庁書陵部古市陵墓監区事務所の百舌鳥部事務所(以下単に「百舌鳥部事務所」という。)は、本件陵への天皇及び皇族の御参拝並びに本件陵内における皇室による祭祀に際して必要となる業務や、本件陵の静安と尊厳を保持するための御指摘の「南側正面の参拝域」の監守、一般の参拝者への応対等の管理業務を適切に行うために設置するものであることから、その建物は、一般拝所に近接して本件陵内に設置することが合理的であると考えてきたところであり、お尋ねの「開発工事」は予定通り継続して行う。なお、御指摘の「開発区域」内において行われる工事は、御指摘の「新築しつつある事務所」の建設であり、当該事務所の延べ面積は、九十・三九平方メートルである。

今後とも、陵墓における事務所の改築等に当たっては、陵墓としての静安と尊厳を保持するため、環境にも配慮し、必要最小限のものとしてまいりたい。

十四について

お尋ねについては、五百五十七・六五平方メートルである。

十五について

十から十三までについてでお答えしたとおり、百舌鳥部事務所の建物は、一般拝所に近接して本件陵内に設置することが合理的であると考えてきたところである。なお、本件陵の管理に当たっては、周辺の居住者及び堺市の協力が不可欠であることから、引き続き良好な関係を保持していきたいと考えている。

衆議院の原文

この答弁書に出てくる定型句

趣旨が明らかではない ×1

語の一致で数えたものです。答弁の評価ではありません。同じ型の答弁が過去にどれだけあるかは、型を押すと出ます。

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