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宮内庁によって陵墓に治定された古墳に関する質問主意書

衆議院 第198回 第277号趣旨が明らかではない ×1

提出者
国民民主党・無所属クラブ
提出日
2019年6月21日
内閣転送 2019年6月26日
答弁書受領日
2019年7月5日
提出から14日
答弁の項目数
6
質問 1,421字/答弁 1,475字

質問本文

先般、我が国が世界文化遺産へ推薦を行っている「百舌鳥・古市古墳群」について、ユネスコ世界遺産委員会の諮問機関であるイコモスから「記載」が適当との勧告がなされ、世界遺産に登録される見通しとなった。

我が国の古墳の文化的価値が世界に認められ、観光資源として注目される一方で、埋葬地という性質上、静安と尊厳の保持という観点や、歴史的及び学術的な価値という側面もあり、その保存と活用の在り方について、より一層の検討が必要と考えられる。

そこで、質問する。

一 宮内庁によって陵墓に治定された古墳については、古墳時代における各地の政治権力の象徴を端的に示す記念物として、文化的、歴史的及び学術的価値が高いと考えられるにもかかわらず、文化財保護法に基づく保護が行われていない。その理由を伺いたい。

二 我が国の古代史においては未解明の部分も多く、陵墓の持つ学術的価値が高いにもかかわらず、宮内庁の管理の下、陵墓への研究者等の立入りは厳しく制限されてきた。

世界遺産登録を機に、その管理方法及び体制を改め、学術研究のための研究者の立入りを認めていくべきと考えるが、政府の見解を伺いたい。

三 我が国は観光立国を掲げ、訪日外国人観光客数の拡大を目指している。

世界遺産登録を機に、宮内庁の管理の下、これまで一般に非公開としてきた管理方法及び体制を改め、陵墓の静安と尊厳を保持できる範囲内で部分的な公開を認め、観光資源として活用していくべきと考えるが、政府の見解を伺いたい。

四 宮内庁書陵部においては、陵墓の調査及び考証に関する部署があり、複数の研究職の職員がいると承知している。当該部署においては、具体的にどのような体制の下で調査・研究が行われているのか伺いたい。

また、陵墓への研究者等の立入りが厳しく制限されてきたことを踏まえれば、当該部署による研究成果は学術研究上の観点から広く社会に提供されるべきと考える。年に一回発行される書陵部紀要の存在は承知しているが、これまでの具体的な成果及び紀要以外の社会への還元の有無について伺いたい。

五 宮内庁によって治定された陵墓の中には、継体天皇陵等、治定に誤りのある可能性が指摘されているものがある。その一方で、宮内庁は、陵墓の治定を覆すに足る陵誌銘等の確実な資料が発見されない限り、現在のものを維持していく方針であると承知している。

多くの国民が自国の歴史と文化に自覚と誇りを感じるためには、様々な調査に基づく最新の学術的成果をもとに正確な治定を再検討する必要があると考えるが、政府の見解を伺いたい。

六 明治天皇、大正天皇及び昭和天皇の御陵の墳形が、全国でも珍しい上円下方墳とされた理由を伺いたい。このうち、大正天皇の御陵については、既に廃止された「皇室陵墓令」第五条において「陵形ハ上円下方又ハ円丘トス」と定められていたことに基づき築造されたものと推察するが、同条において陵形を上円下方又は円丘と規定した根拠も併せて伺いたい。

また、明治天皇、大正天皇及び昭和天皇の御陵の墳形については、天智天皇陵の規模・墳形を模範としたものとする説があることを承知しているが、その真偽も伺いたい。

七 日本国憲法第二条において、「皇位は、世襲のものであつて、國會の議決した皇室典範の定めるところにより、これを繼承する。」と規定されているが、この「世襲」の起点は、今上天皇か、神話上の神武天皇か、伺いたい。

右質問する。

衆議院の原文・経過

政府答弁書

一について

御指摘の「宮内庁によって陵墓に治定された古墳」については、そもそも国有財産法(昭和二十三年法律第七十三号)第三条第二項第三号に掲げる皇室用財産であって、同法第九条の五の規定により宮内庁によって適切に管理しているものであるが、文化財保護法(昭和二十五年法律第二百十四号)第九十三条第一項に規定する周知の埋蔵文化財包蔵地に該当するものであることから、これを発掘しようとする場合には文化庁長官に対する届出等を要することとされるなど、同法の保護の対象となっている。

二及び三について

陵墓については、御指摘の「百舌鳥・古市古墳群」を構成するものを含め、現に皇室において祭祀が継続して行われ、皇室と国民の追慕尊崇の対象となっていることから、静安と尊厳の保持が最も重要であると考えている。このため、陵墓への立入りについては、その管理に必要な場合以外は厳に慎むべきものと考えており、参道及び一般拝所を除き、一般来訪者の立入りを認めることは考えていないが、学術研究上の観点から必要不可欠な立入り要請に対しては、陵墓の本義に支障を及ぼさない限りにおいて、これを許可している。

四について

宮内庁書陵部陵墓課は、陵墓の調査及び考証に関すること等をつかさどることとされているところ、同課所属の陵墓調査官一名及び首席研究官一名並びに同課陵墓調査室所属の五名は、いずれも考古学等の知見を有する職員であって、陵墓の調査及び考証等の事務に従事している。また、その調査の成果については、御指摘のとおり「書陵部紀要」で公表しており、平成二十一年度以降に刊行した「書陵部紀要」については、宮内庁のホームぺージにおいて公開しているところであり、加えて、同課が所蔵している考古資料については、学術研究上の要請に応えるため、同庁内での展示、博物館等への貸出し、研究者の調査の受入れ等に努めている。

五について

陵墓の治定について様々な学説があることは承知しているが、四についてで述べた陵墓の調査及び考証等を通じて、陵墓の治定を覆すに足りる陵誌銘等の確実な資料が発見されない限り、現在の陵墓の治定を見直すことは考えていない。

六について

明治天皇の伏見桃山陵の墳形については、「大正十五年皇室令第十二号皇室陵墓令正本附属書類」中の「大正十五年皇室陵墓令案皇族後見令案皇族遺言令案皇族会議議事録」において、「伏見桃山陵ノ営建ニ当リ慎重ナル研究ノ結果外形ヲ天智天皇ノ山科陵ニ則リ上円下方三段型ニ定メラレ伏見桃山東陵モ亦之ニ倣ヒ真ニ森厳嵩高ニシテ而カモ質実堅牢ナルヲ以テ本令ニ於テ上円下方三段型ヲ原則トシ事情ノ許サザル場合ニハ孝徳天皇陵ヲ始メ其ノ以後多ク採用セラレタル円丘型ニ拠ルコトニ規定シタリ」と記載されており、また、大正天皇の多摩陵の墳形については、「大正十五年昭和元年大正天皇崩御関係書類」中の「大正天皇多摩陵ノ陵形ヲ定メラルル件」において、「営建要項」として「陵形ハ上円下方トシ共ニ三段ト為スコト伏見桃山陵ニ準ス」と、「理由」として「皇室陵墓令第五条ニ於テ陵形ニ付上円下方及円丘ノ二種ヲ認ム伏見桃山陵ハ歴代ノ陵制ニ考ヘ質実堅牢森厳嵩高ヲ旨トシ上円下方三段型ト為ス」と記載されていると承知している。

昭和天皇の武蔵野陵の墳形については、伏見桃山陵及び多摩陵の墳形にならったものである。

七について

お尋ねの「この「世襲」の起点」の意味するところが必ずしも明らかではないが、憲法第二条の「世襲」とは、皇位が代々、天皇の血統に属する者によって継承されるということを規定したものである。

衆議院の原文

この答弁書に出てくる定型句

趣旨が明らかではない ×1

語の一致で数えたものです。答弁の評価ではありません。同じ型の答弁が過去にどれだけあるかは、型を押すと出ます。

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