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日中首脳会談に先立ち公表された四項目の合意文書に関する質問主意書
衆議院 第187回 第72号
質問本文
二〇一四年十一月七日、日中両国政府は双方の関係発展のための四項目で合意したことを公表した。
この合意文書は、日中首脳会談の前に公表するという異例の措置であり、またその内容も日中双方の報道機関で解釈の食い違いが鮮明になっている。この解釈を巡っては、将来的に日本の国益に重大で深刻な影響を及ぼす可能性があり、日本政府の明確な姿勢が求められている。したがって、日中首脳会談に先立ち公表された四項目の合意文書に関し次の事項について質問する。
一 合意文書二項目について
「双方は、歴史を直視し、未来に向かうという精神に従い遵守し、両国関係に影響する政治的困難を克服することで若干の認識の一致をみた。」
1 「両国関係に影響する政治的困難」とは、日中両国の報道によれば首相の靖国神社参拝問題が焦点であったと解説されているが、首相の靖国神社参拝の問題も含まれるか。
2 「両国関係に影響する政治的困難を克服する」とは、首相が靖国神社を参拝しないことも含まれるか。
3 「若干の認識の一致」について、中国側の文書では「一些」と表記している。中国語にも「若干」という表現があるが、中国語文書で「若干」ではなく、なぜ「一些」と表現されているのか。
4 十一月九日付日本経済新聞朝刊では、「若干」と「一些」の異なる表現について、中国語の「若干」よりも「一些」のほうがより広い範囲を示す語感であると解説している。「若干」とは、三省堂大辞林の辞書によれば、「数ははっきりしないが,あまり多くはないことを表す。」とされている。日本語文書を解釈すると「認識の一致があまり多くなかった」ことを意味している。中国側の文書「一些」を解釈すると、「一些」とは三省堂大辞林の中日辞典によれば、「わずかな数量・程度を示す」とされており、「わずかな程度認識の一致をみた」となる。
「若干の認識の一致」とは、首相の靖国神社参拝に関する「認識の一致」が含まれているのか。
二 合意文書三項目について
「双方は、尖閣諸島等東シナ海の海域において近年緊張状態が生じていることについて異なる見解を有していると認識し、対話と協議を通じて、情勢の悪化を防ぐとともに、危機管理メカニズムを構築し、不測の事態の発生を回避することで意見の一致をみた。」
1 日本側文書「3.双方は、尖閣諸島等東シナ海の海域において近年緊張状態が生じていることについて異なる見解を有していると認識し、」の部分について、中国側の文書では「三、※(注)、」と表記され、これを日本語に訳すと「双方は魚釣島など東シナ海をめぐって近年来出現している緊張した局面に関して異なる主張が存在していることを認識し、」となる。中国側の文書では「主張」となっている部分は、日本側の文章では「見解」とされている。なぜこのような相違があるのか。
2 中国側の「主張」という表現を、日本政府は公式に認めているのか。
3 中国側の文書では、「尖閣諸島など緊張した局面に関して異なる主張をしている」と読み取ることができる。日本政府は、「尖閣諸島等東シナ海の海域において、近年緊張状態が生じていることに異なる主張が存在していることを認識」していることになる。つまり、中国側の主張である、「尖閣諸島は中国の領土である」という主張を、日本政府は認識していると解釈していることになる。上記の解釈を日本政府は有しているのか。
4 日本政府は従来より、「尖閣諸島に関する領土問題は存在しない」という立場をとってきた。この合意文書により、中国側が「尖閣諸島は中国の領土である」と主張していることを認めるという政策的な変更が行われたのか。
5 中国側の文書では、中国側が「尖閣諸島は中国の領土である」と主張していることを日本政府が認識しているという政策的な変更が行われたと読み取ることができ、中国の政府系報道機関も「中国の外交的勝利である」と大々的に報道している。このような中国側の姿勢を否定するべきではないか。
三 合意文書の事前公表について
1 この合意文書は、日中首脳会談の前に公表され、会談前の公表は極めて異例だと報道されている。この合意文書は、なぜ日中首脳会談の前に公表されたのか。
2 事前に公表することも、日中両国間の合意事項だったのか。日本と中国のどちらが事前公表することを提案したのか。
右質問する。
政府答弁書
一の1について
お尋ねについては、靖国神社参拝の問題を含む日中間の全ての政治的問題を意味するものと理解している。
一の2について
内閣総理大臣が私人としての立場で行う靖国神社参拝については、政府として立ち入るべきものではないことから、お尋ねについてお答えすることは差し控えたい。
一の3並びに二の1及び2について
平成二十六年十一月七日付けの「日中関係の改善に向けた話合いについて」と題する発表(以下「発表」という。)に示された四項目は、日中双方で意見の一致をみた諸点について、日本側は日本語で、中国側は中国語で、それぞれ公表したものであり、それぞれの文言を厳密な意味で一致させることまではしていない。
一の4について
「若干の認識の一致」とは、日中間の政治的困難を克服することは容易ではないが、これに取り組む上での基本的方向性や姿勢については一致しているところもあるという意味であり、「若干の認識の一致」に含まれる内容について、個々具体的に中国側と議論したわけではない。
二の3から5までについて
発表にある「異なる見解」という文言は、あくまで「東シナ海の海域において近年緊張状態が生じていること」について日中双方の見解が異なるという認識を確認したものであり、尖閣諸島に関する我が国の立場に変更はない。今後とも、我が国の立場を中国側及び国際社会にしっかりと伝えていく考えである。
三について
発表は、日中関係が非常に厳しい状況にあるという認識の下、日中関係改善に向け日中両国政府間で静かな話合いを続けてきたところ、日中双方の意見が一致する諸点がまとまり、これを公表することについて両国が一致に至った時点で公表されたものである。どちらが公表することを提案したかを含め、外交上の個別のやり取りについては、相手国との関係もあり、お答えすることは差し控えたい。
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件名と質問本文の冒頭の意味が近いものを、前もって計算しておいた表から近い順に8件並べました(multilingual-e5-large)。同じ言葉を使っていなくても出ます。論点が少しずれていることもあります。