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米国による広島・長崎両都市への原爆投下に対する日本政府の見解に関する質問主意書

衆議院 第187回 第9号

提出者
次世代の党
提出日
2014年10月1日
内閣転送 2014年10月6日
答弁書受領日
2014年10月10日
提出から9日
答弁の項目数
4
質問 1,886字/答弁 450字

質問本文

我が国は来年の平成二十七年八月、米国による原爆投下から七十年の節目の年を迎える。

右を踏まえ、次の事項について質問する。

一 日本政府は、昭和二十年八月十日、広島、長崎への原爆投下に関して『米機の新型爆弾に依る攻撃に対する抗議文』と題して、「米国政府は今次世界の戦乱勃発以来再三に亘り毒瓦斯乃至其の他の非人道的戦争方法の使用は文明社会の輿論に依り不法とせられ居れりとし対手国側に於て先づ之を使用せざる限り之を使用することなかるべき旨声明したるが米国が今回使用したる本件爆弾は其の性能の無差別且残虐性に於て従来斯る性能を有するが故に使用を禁止せられ居る毒瓦斯其の他の兵器を遥に凌駕し居れり。米国は国際法及人道の根本原則を無視して既に広範囲に亘り帝国の諸都市に対して無差別爆撃を実施し来り多数の老幼婦女子を殺傷し神社、仏閣、学校、病院、一般民家等を倒壊又は焼失せしめたり。而して今や新規にして且従来の如何なる兵器、投射物にも比し得ざる無差別性、残虐性を有する本件爆弾を使用せるは人類文化に対する新なる罪悪なり。帝国政府は茲に自らの名に於て且又全人類及文明の名に於て米国政府を糾弾すると共に即時斯る非人道的兵器の使用を放棄すべきことを厳重に要求す。」と米国政府に通知したことを政府は承知しているか。また本「抗議文」の内容を政府として継承しているか。

二 「東京原爆裁判(いわゆる下田事件)」(昭和三十八年十二月七日東京地裁判決)において、日本政府は、「原子爆弾の使用は日本の降伏を早め、戦争を継続することによって生ずる交戦国双方の人命殺傷を防止する結果をもたらした。」(『判例時報』三五五号二十二頁、昭和三十九年)とし、「かような事情を客観的にみれば、広島長崎両市に対する原子爆弾の投下が国際法違反であるかどうかは、何人も結論を下し難い。」(同二十三頁)と主張したことを承知しているか。また、現在においても政府はこの考え方を継承しているか。

三 二の裁判において東京地裁が、「広島、長崎両市に対する原子爆弾による爆撃は、無防守都市に対する無差別爆撃として、当時の国際法から見て、違法な戦闘行為であると解するのが相当である。」(同二十八頁)また「原子爆弾のもたらす苦痛は、毒、毒ガス以上のものといっても過言ではなく、このような残虐な爆弾を投下した行為は、不必要な苦痛を与えてはならないという戦争法の基本原則に違反しているということができよう。」(同二十九頁)と判決を下したことを政府は承知しているか。

四 米国による我が国への原子爆弾投下は、当時の国際法に違反するものであったか、政府の見解如何。

五 平成二十三年九月二十七日付、産経新聞朝刊が『オバマ米大統領の平成二十一年十一月の初来日を前に、当時の藪中三十二外務事務次官がルース駐日米大使に原爆投下の謝罪のため大統領が被爆地の広島を訪問することに否定的な姿勢を示し、謝罪を目的としない訪問自体も「時期尚早」との考えを伝えていたことが二十六日、内部告発サイト「ウィキリークス」が公開した米外交公電で明らかになった。二十一年九月三日付の公電によると、藪中氏は同年八月二十八日にルース氏と会談し、「核兵器なき世界」を掲げたオバマ氏の広島訪問について、特に反核グループ内で期待が高まっていくとの見通しを示し、日米両政府でそうした世論の期待を抑えなければならないと伝えた。その上で謝罪目的の広島訪問が成功する見込みはないとの考えを示した。外務省顧問の藪中氏は産経新聞の取材に対し「外務省はウィキリークスの件でコメントしないので私もコメントしない」と語った。』と記事にしているが、この報道を承知しているか。また記事の内容は事実か。事実であれば、オバマ米大統領による原爆投下の謝罪に否定的な姿勢を示し、「時期尚早」であるとしたのはなぜか。

六 安倍晋三内閣総理大臣は、平成二十六年八月六日の「広島市原爆死没者慰霊式並びに平和祈念式」及び同年八月九日の「長崎原爆犠牲者慰霊平和祈念式典」において、「人類史上唯一の戦争被爆国として、核兵器の惨禍を体験した我が国には、確実に、「核兵器のない世界」を実現していく責務があります。その非道を、後の世に、また世界に、伝え続ける務めがあります。」とあいさつしました。「その非道」とは具体的に何を指すのか。また、我が国に原爆を投下した当時の米国政府は、「非道」を行ったものと政府は認識しているか。

本質問について、質問番号を束ねることなく、質問番号ごとに具体的にご回答いただきたくお願いする。

右質問する。

衆議院の原文・経過

政府答弁書

一について

御指摘の通知については承知している。政府としては、人類に多大な惨禍をもたらし得る核兵器が将来二度と使用されるようなことがないよう、核兵器のない平和で安全な世界の実現を目指して、現実的かつ着実な核軍縮努力を積み重ねていくことが重要であると考える。

二、四及び六について

御指摘の裁判の判決文に、被告である国の答弁の一部として、二で御指摘の引用文が含まれていることは承知している。政府としては、広島及び長崎に対する原子爆弾の投下は、極めて広い範囲にその害が及ぶ人道上極めて遺憾な事態を生じさせたものと認識している。また、政府としては、かねてから明らかにしてきたとおり、核兵器の使用は、その絶大な破壊力、殺傷力の故に、国際法の思想的基盤にある人道主義の精神に合致しないと考えている。

三について

御指摘の判決については承知している。

五について

御指摘の報道は不正な方法によって公開された米国外交文書とされる文書に関するものと承知しており、当該文書について、政府としてコメントも確認も行わない。

衆議院の原文

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