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日印原子力協定に付随する別文書に関する質問主意書
衆議院 第192回 第116号お答えすることは困難 ×1趣旨が明らかではない ×1
質問本文
平成二十八年十一月六日、読売新聞は、「日本、インド両政府は、日本からインドへの原子力発電所関連の資機材や技術の輸出を可能とする原子力協定に署名する方針を固めた。十一日に東京で開催する安倍首相とモディ首相による首脳会談に合わせて協定の署名式を行う」と報じた。
さらには、「インドが核実験を実施した際に協力を停止するとの趣旨の文言を、協定とは別の文書に盛り込む方向で最終調整している」とも報じている。
この「インドが核実験を実施した際に協力を停止するとの趣旨の文言を、協定とは別の文書」(「別文書」という。)について疑義があるので、以下質問する。
一 二国間の協定とそれに付随する特定事案に関する意思確認の文書がある場合、その付随文書と協定本体の位置づけについて、両者は国際法上あるいは国内法上も同等であるのか。政府の見解を示されたい。
二 二国間の協定に付随する特定事案に関する意思確認の文書は、一般的には締結国の国会で審議されないものと思われるが、かかる文書は、国際法上、当事国間で法的拘束力を有するのか。政府の見解を示されたい。
三 日印原子力協定に付随する別文書は存在するのか。政府の見解を示されたい。
四 別文書という形で日印の意思を確認し、日印原子力協定本体に書き込まないということは、日本のインドに対する働きかけを評価しつつも、他方、その拘束力に疑義が生じる。政府はインドが核実験を行った場合、インドへの協力を停止することを確実に担保しているのか。政府の見解を示されたい。
五 別文書でインドが核実験を行った場合の協力停止を確認する場合、その歯止めは十分であると考えているのか。政府の見解を示されたい。
六 インドは、核不拡散条約(NPT)に加入せず、一九七四年を皮切りに核実験を行っている国であり、こうした国に原子力発電所を輸出するのは、世界唯一の被爆国である日本が率先して核不拡散条約の枠組みを崩す懸念がある。この別文書も含めて国会に提出し、日印原子力協定とともに審議すべきであり、それが国民に対して政府が行う説明の第一歩であると思われるが、政府の見解を示されたい。
右質問する。
政府答弁書
一及び二について
お尋ねの「特定事案に関する意思確認の文書」の意味するところが明らかではないため、お答えすることは困難である。
三から五までについて
原子力の平和的利用における協力のための日本国政府とインド共和国政府との間の協定(以下「協定」という。)第十四条1は、各締約国政府は、「他の締約国政府に対して一年前に書面による通告を行うことによりこの協定を終了させる権利を有する」と規定している。また、同条2は、協定の終了を求める締約国政府は、終了の前においても「協力の全部又は一部を停止する権利を有する」と規定している。したがって、仮にインドが核実験を行った場合には、我が国としては、以上の規定に基づき協定を終了させる旨の書面による通告をインドに対して行い、その上で、協定の下での協力を停止することになる。協定のこれらの規定から協定の終了及び協力の停止に関する我が国の権利は明らかであるが、インドが核実験を行った場合に我が国がこれらの権利を行使することができるという点をより明確にするため、日印間で「見解及び了解に関する公文」を作成し、協定と同時に署名している。以上により、インドが核実験を行った場合に我が国が協定の終了及び協力の停止に関する協定上の権利を有することは、十分に確保されている。
六について
インドに対し、核兵器の不拡散に関する条約(昭和五十一年条約第六号)への早期加入を求めるとの我が国の従来からの立場に変わりはない。協定は、原子力の平和的利用についてインドが責任ある行動をとることを確保するものであり、このことはインドを国際的な不拡散体制に実質的に参加させることにつながる。これは「核兵器のない世界」を目指し、不拡散を推進するとの我が国の立場に合致するものである。なお、協定を国会に提出する際には、参考として「見解及び了解に関する公文」を併せて提出する予定である。
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