ことばで探す › 衆議院 第192回
南スーダンにおける自衛隊のPKO活動任務に関する質問主意書
衆議院 第192回 第5号
質問本文
二〇一五年九月十九日に安全保障関連法が成立してから一年余が経過した。安全保障関連法が成立して満一年となる去る九月十九日、国会前においては「戦争をさせない・九条壊すな!総がかり行動実行委員会」主催の安全保障関連法(いわゆる「戦争法」)の廃止を求める集会が開催され、約二万三千人の市民が結集した。
安全保障関連法は、自衛隊法など十の法改正を一括した「平和安全保障整備法」と他国軍の後方支援をするために自衛隊を海外に随時派遣できる新法「国際平和支援法」で構成され、多くの国民から「戦争法」と呼称されている。
安全保障関連法(以下、「戦争法」という)は、多くの憲法学者や歴代の内閣法制局長官及び元最高裁長官らが「違憲」であると厳しく批判をしている。私も「戦争法」は違憲であり、無効な法律であると考えている。したがって、「戦争法」は、一刻も早く廃止されるべきである。
さて、現在南スーダンには自衛隊のPKO(国連平和維持活動)が展開されている。「戦争法」成立により南スーダンにおける自衛隊の活動任務も新たな局面を迎えている。自衛隊の新たな任務との関連で「駆け付け警護」や「宿営地の共同防衛」問題は、南スーダン情勢とも絡み、大きな問題をはらんでいる。
以下、質問する。
一 政府は、南スーダンにおける自衛隊の活動部隊として、来る十一月中旬にも陸上自衛隊第九師団第五普通科連隊(青森県青森市)を中心とする部隊を派遣するようだが、間違いないか。その他にも、中央即応集団(神奈川県相模原市)など陸自第九師団第五普通科連隊以外の部隊等の参加も考えているのか、政府の見解を示されたい。
また、来る十一月中旬以降に南スーダンに派遣される自衛隊は、「駆け付け警護」や「宿営地の共同防衛」等の新任務も命ぜられるのか、政府の見解を示されたい。
二 南スーダンでは、去る七月に大統領派と前第一副大統領派との間で戦闘が発生し、二百七十人以上が死亡した、と報じられている。政府も同様の戦闘状況及び死者の数を承知しているかを明らかにしたうえで、かかる南スーダン現地の事態に対する政府の見解を示されたい。
三 南スーダン政府軍のルアイ報道官が去る九月十六日、共同通信に現場公開をした折、南スーダンの主都ジュバで去る七月に大規模な戦闘が発生した際、PKOに参加する陸上自衛隊宿営地(トンピン地区)の隣りにあるビルで二日間にわたり銃撃戦が起きて、政府軍の兵士二人が死亡したことを明らかにしている。銃撃戦があったビルから陸上自衛隊の宿営地までは、約百メートルの距離しか離れていないという。
政府は、南スーダン政府軍ルアイ報道官が共同通信記者に明らかにしたこれらの事実を承知しているか。承知しているならば、何故これまで国民に明らかにしなかったのか、理由を説明されたい。
四 南スーダンの現状は、明らかに内戦状態にある。現に、武力紛争が発生しており、自衛隊のPKO参加条件である「PKO五原則」を満たしていないと考えるが、政府の見解を明らかにされたい。
五 南スーダンの首都ジュバにある陸上自衛隊宿営地(トンピン地区)の規模及び同宿営地に駐留する自衛隊員の数と他国軍の駐留軍人の数を国毎に明らかにしたうえで、かかる駐留状況に対する政府の見解を示されたい。
六 南スーダンにおける自衛隊のPKO参加は、二〇一二年以降施設(工兵)部隊が中心だった。「射撃のプロ」集団とも言われる普通科連隊が、安全保障関連法施行後の来る十一月にも、新たに派遣される理由を明らかにしたうえで、その必要性に対する政府の見解を示されたい。
七 私は、南スーダンに派遣される自衛隊が「駆け付け警護」や「宿営地の共同防衛」などの新任務に就けば、憲法第九条に明白に違反する武力行使に参加することになり、自衛隊が他国の者を殺し、あるいは他国の者に殺される事態を招来するものと考える。
政府は、軍人ではない自衛隊員が敵方の「国家または国家に準ずる組織」の軍隊や武装勢力等に捕まった場合、ジュネーブ条約上の「捕虜」として拷問から免れる権利があると考えるか、その法的根拠を示したうえで、見解を明らかにされたい。
右質問する。
政府答弁書
一及び六について
お尋ねについては、「南スーダン国際平和協力業務実施計画」(平成二十三年十一月十五日閣議決定)に定める国際平和協力業務を行うべき期間が終了する平成二十八年十月三十一日の後の対応について、現時点において方針を決定しておらず、お答えすることはできない。国際連合南スーダン共和国ミッション(以下「UNMISS」という。)に派遣される自衛隊の部隊にいかなる任務を付与するかについては、現地の情勢や訓練の進捗状況等を慎重に見極めながら、総合的に判断していくべきものであると考えている。
二及び三について
政府としては、平成二十八年七月に、南スーダン共和国のジュバにおいて、UNMISSに派遣されている自衛隊の部隊等(自衛隊法(昭和二十九年法律第百六十五号)第八条に規定する部隊等をいう。以下同じ。)に所属する自衛隊員及び自衛隊派遣隊員(国際連合平和維持活動等に対する協力に関する法律(平成四年法律第七十九号)第十三条第六項に規定する自衛隊派遣隊員をいう。以下同じ。)が宿営する宿営地に隣接するビルの付近も含め、キール大統領派とマシャール第一副大統領(当時)派の一部兵士の間で銃撃戦が発生したことは承知しているが、現在は比較的落ち着いた状況にあると認識している。南スーダン共和国政府は当該銃撃戦による死者数について正式に発表していないが、三百人以上の兵士が死亡したと南スーダン共和国政府関係者が発言したことは承知している。政府としては、これらのジュバの治安情勢について、記者会見等を通じて適時に国民に情報提供を行ってきている。
四について
国際連合平和維持活動等に対する協力に関する法律上、「武力紛争」を定義した規定はないが、政府としては、一般に、実力を用いた争いが武力紛争に該当するか否かについては、事案の態様、当事者及びその意思等を総合的に勘案して個別具体的に判断すべきものと考えており、これまでに南スーダン共和国において発生した事案の態様、衝突の当事者の意思等を総合的に勘案すると、現状においては、UNMISSの活動地域において武力紛争が発生しているとは考えていない。
UNMISSは同法第三条第一号ロに該当する国際連合平和維持活動であり、同号ロに規定する同意及び同法第六条第一項第一号に掲げる同意は引き続き得られている。
このような状況を踏まえ、政府としては、我が国として国際連合平和維持隊に参加するに際しての基本的な五つの原則は引き続き満たされていると考えている。
五について
現在、UNMISSに派遣されている自衛隊の部隊等に所属する自衛隊員及び自衛隊派遣隊員は約三百六十名である。当該自衛隊員及び当該自衛隊派遣隊員が宿営する宿営地の規模は警備上の観点からお答えは差し控えたい。また、当該宿営地内に共に宿営する外国の軍隊の要員数について明らかにすることは、国際連合及び相手国との関係もあり差し控えたい。
七について
国際連合平和維持活動等に対する協力に関する法律に基づく我が国の国際連合平和維持活動への参加は、同法第三条第一号イ、ロ又はハに規定する場合に行われるものであり、かつ、同法第六条第十三項第一号、第二号又は第三号に掲げる場合には国際平和協力業務を中断し、又は国際平和協力隊の派遣を終了することとしていることから、国際連合平和維持活動のために実施される国際平和協力業務を行っている自衛隊の部隊等又は自衛隊派遣隊員が当該活動が行われる地域の属する国又は紛争当事者から国際的な武力紛争の一環として行われる攻撃等を受けて、当該部隊等に所属する自衛隊員又は当該自衛隊派遣隊員が捕らえられ、戦争犠牲者の保護に関する千九百四十九年八月十二日のジュネーヴ諸条約(昭和二十八年条約第二十三号、第二十四号、第二十五号及び第二十六号)及び千九百四十九年八月十二日のジュネーヴ諸条約の国際的な武力紛争の犠牲者の保護に関する追加議定書(議定書I)(平成十六年条約第十二号)上の捕虜となる事態は想定されない。
万が一、自衛隊員が外国等に不法に身柄を拘束された場合には、政府としては、当該自衛隊員の即時解放を強く求めていくこととなる。また、解放されるまでの間は、その身柄は、少なくとも、普遍的に認められている人権に関する基準並びに国際人道法の原則及び精神に従って取り扱われるべきことは当然であると考えている。
似た質問主意書
件名と質問本文の冒頭の意味が近いものを、前もって計算しておいた表から近い順に8件並べました(multilingual-e5-large)。同じ言葉を使っていなくても出ます。論点が少しずれていることもあります。