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自衛隊員への「遺書」作成要求に関する質問主意書

衆議院 第190回 第162号お答えすることは困難 ×1

提出者
社会民主党・市民連合
提出日
2016年3月3日
内閣転送 2016年3月7日
答弁書受領日
2016年3月11日
提出から8日
答弁の項目数
4
質問 1,663字/答弁 848字

質問本文

昨年九月十九日未明、多くの国民が国会を取り囲み、大声で「反対」を叫ぶ中、平和安全法制、いわゆる「戦争法」(以下、「戦争法」という)が参議院本会議で可決・成立した。

「戦争法」をめぐっては、成立から半年を迎えようとしている今なお批判の声が絶えず、廃止を求める声は根強い。かかる国民の声に応えるべく、「戦争法」の施行が間近に迫る去る二月十九日、野党五党は衆議院に「戦争法」廃止法案を提出した。

「戦争法」は、間違いなく違憲・無効な法律である。法案段階から国会審議等を通じて、多くの憲法学者、歴代の内閣法制局長官や最高裁判所長官・判事らが憲法第九条の精神に反し、わが国の立憲主義と平和主義、自衛隊の「専守防衛」に反する稀代の悪法だと批判してきた。

私も「戦争法」は違憲・無効であり、その施行を待つことなく、即刻廃止されるべきだと考えている。

軍事評論家など多くの識者が指摘するように、「戦争法」施行によって米軍と自衛隊の一体化・融合化が急速に進むであろう。その結果、自衛隊員が「地球の裏側」の戦地や紛争地に派遣され、戦闘行為に巻き込まれて人を殺し、殺される事態が現実のものとして招来する日もそう遠くはない。

かかる「戦争法」施行と安倍政権による集団的自衛権全面解禁のための明文改憲の動きの中で、自衛隊員への「家族への手紙」(以下、「遺書」という)作成要求問題を見過ごすことはできない。

以下、質問する。

一 政府は、二〇一〇年当時陸上自衛隊北部方面隊(以下、北部方面隊という)総監だった千葉徳次郎陸将(以下、単に総監という)が、同年夏に「(「遺書」を書くのは)命を賭す職務に就く軍人としての矜持である」等と訓示した事実を承知しているか。事実であれば、右訓示のあった日時、場所、内容等を特定した上で、自衛隊員を「軍人」扱いする千葉陸将(当時)の総監としての資質に対する政府の見解を示されたい。

二 二〇一〇年当時、北部方面隊鹿追駐屯地に勤務していた元二等陸曹の告発によると、同方面隊においては訓示以降、総監の提案で、服務指導として隊員に「遺書」を書かせ、個人用ロッカーに保管させていたようだ。かかるロッカーの鍵は、当該隊員のみならず、部隊側も保有していたという。

�@ 北部方面隊において、隊員に「遺書」を書かせ、個人用ロッカーに保管させる行為(以下、「遺書」の作成及びロッカー保管という)が行われ、かかるロッカーの鍵を部隊側が保有していたというのは事実か。当該行為等が服務指導であったか否かを含めて、事実関係を明らかにされたい。なお、事実であれば、「遺書」の作成及びロッカー保管が始められた日付と目的、法的及び服務規程上の根拠を明らかにした上で、その適法性、適正性に対する政府の見解を示されたい。

�A 「遺書」の作成及びロッカー保管は現在も行われているのか。すでに終了しているのであれば、その日付と終了に至った理由について明らかにされたい。

�B 服務指導は命令か任意か。その根拠を明らかにした上で、「遺書」の作成及びロッカー保管が命令であったかどうか、政府の見解を示されたい。

三 右元二等陸曹は、定年退職三か月前の二〇一四年十月、北部方面隊総監部に対し「遺書」の返却と「遺書」を書かせた理由の説明を求める苦情申し立てを行っている。苦情処理通知書の発出年月日と回答内容について明らかにした上で、かかる苦情申し立てがなされた事実に対する政府の見解を示されたい。

四 現在、鹿児島県の陸上自衛隊国分駐屯地でも、北部方面隊同様の「遺書」作成が隊員に求められているようだが、事実関係を明らかにされたい。

五 「遺書」作成要求は陸上自衛隊に限ったものか。海上自衛隊や航空自衛隊でも行われているのか。右鹿追駐屯地及び国分駐屯地以外の全国の各自衛隊において、同様の「遺書」作成要求がなされている事実があれば、その全てについて部隊名及び基地名(駐屯地、分屯地等を含む)を明らかにした上で、かかる状況に対する政府の見解を示されたい。

右質問する。

衆議院の原文・経過

政府答弁書

一について

平成二十二年七月二十六日付けで陸上自衛隊北部方面総監となった千葉徳次郎陸将(当時。以下「千葉陸将」という。)が翌日以降複数回にわたり訓示を行ったという記録はあるが、日時、場所及び当該訓示の細部については明らかでなく、お尋ねの内容を含む訓示をしたことは確認できない。また、千葉陸将を北部方面総監に任命するに当たっては、それまでの経歴、能力、人格等を総合的に判断して、任命を行ったところである。

二及び五について

お尋ねについては、その全てを明らかにするためには調査に膨大な作業を要するため、事実関係及びそれに対する政府の見解についてお答えすることは困難であるが、一般に、自衛隊における服務指導とは、自衛隊員が自衛隊法(昭和二十九年法律第百六十五号)第五十二条に規定する服務の本旨にのっとり行動するよう、上官から行われる指導である。

千葉陸将が、部下に対し、任務に対する準備の一つとして家族への手紙を作成し、ロッカー内に保存することを要望する旨を訓示したこと、また、陸上自衛隊北部方面隊に所属する部隊等の一部において、自衛隊員が任意で家族への手紙を作成し、自衛隊員個人が個人用ロッカーにおいて保管し、又は部隊等でまとめて保管する等していたことがあることは確認されている。また、個人用ロッカーの鍵については、部隊等によっては、予備の鍵を部隊等が保管している場合もあると承知している。

三について

防衛省において、苦情の処理に関する訓令(昭和三十七年防衛庁訓令第七十六号)の規定に基づき行われる苦情申立ての有無及び内容については、これを公にすることにより、個人の権利利益を害するおそれがあり、また、苦情申立てをしようとする者がこれをちゅうちょする等、事務の適正な遂行に支障を来すおそれがあることから、個々の苦情申立ての有無及び内容についてお答えすることは差し控えたい。

四について

陸上自衛隊国分駐屯地において、現在、自衛隊員が家族への手紙の作成を求められているという事実は確認されていない。

衆議院の原文

この答弁書に出てくる定型句

お答えすることは困難 ×1

語の一致で数えたものです。答弁の評価ではありません。同じ型の答弁が過去にどれだけあるかは、型を押すと出ます。

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