ことばで探す › 衆議院 第193回
国際組織犯罪防止条約(TOC条約)に関する質問主意書
衆議院 第193回 第204号お答えすることは困難 ×1趣旨が明らかではない ×2
質問本文
テロ等準備罪を新設する組織犯罪処罰法改正案の審議が始まりました。つきまして、その根幹となる国際組織犯罪防止条約(TOC条約)について質問します。
一 安倍総理は、TOC条約の締結が五輪開催の条件になっているわけでもないのに、一月二十三日の衆議院本会議において「開催国である我が国が、条約の国内担保法を整備し、本条約を締結することができなければ、東京オリンピック・パラリンピックを開けないと言っても過言ではありません。」と答弁をしています。
安倍総理は、なにをもってこのような発言をしているのですか。東京オリンピックの開催を理由付けにして、ただ、「テロ等準備罪」の成立を企んでいるだけではないですか。政府の見解をお聞きします。
二 TOC条約に加わるには、条約が求める内容の法律が日本に必要とあります。
しかし、民進党は、「わが国は、重大な犯罪を中心に、未遂、予備(準備)、共謀(陰謀)を処罰する罪を定め、また判例によって共謀共同正犯の処罰も認められている。TOC条約の担保法に関する立法ガイドに照らせば、条約の趣旨は十分に満たしていると考える。したがって、人権保障を前提にする現行の刑事法体系をもって、TOC条約締結の手続きを進めるべきである」と主張していますが、政府の見解をお聞きします。
三 TOC条約で対象となる犯罪は、「重大な犯罪で、刑務所に四年以上入ること」が条件で、当初、対象犯罪数が六百七十六であったのが、今回は二百七十七までに絞り込んでいます。政府は最初、「条約上、対象犯罪を限定することは難しい」と説明していましたが、どうなっているのですか。どのような基準で絞りこんだのか、その経緯をお聞きします。
また、こんなに減らしても、TOC条約の締結には問題はないのですか。国連にも確認をしているのですか。政府にお聞きします。
四 二〇〇〇年十一月にTOC条約が国連で採択され、十六年が経過しました。日本はこの条約を締結しなかったことで、なにか支障が生じていますか、政府にお聞きします。
右質問する。
政府答弁書
一について
国際的な組織犯罪の防止に関する国際連合条約(以下「本条約」という。)が定める義務を満たすための法整備を行って本条約を締結し、国際社会と協調してテロを含む組織犯罪と戦うことは重要な課題であり、テロを含む組織犯罪に対処するための万全の態勢を整えることは、三年後に差し迫った二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピック競技大会の開催国の当然の責務であると考えている。
二について
お尋ねの趣旨が必ずしも明らかではないが、本条約第五条1(a)(�@)に規定する行為の犯罪化に当たっては、犯罪行為の未遂又は既遂に係る犯罪とは別個の犯罪として、「重大な犯罪を行うことを一又は二以上の者と合意する」行為を犯罪とすることが義務付けられているところ、我が国の現行の国内法制においては、ごく一部の罪に係るものを除き、このような行為が処罰の対象とはされていないことから、当該義務は我が国の現行の国内法制では担保されておらず、これを誠実に履行するための新たな立法措置が必要であると考えている。
三について
お尋ねの趣旨が必ずしも明らかではないが、今国会に提出している組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律等の一部を改正する法律案による改正後の組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律(平成十一年法律第百三十六号。以下「改正後組織的犯罪処罰法」という。)第六条の二の罪においては、組織的な犯罪集団とは関わりがない方々が処罰の対象とはなるものではないことが明確になるよう、本条約第五条1(a)(�@)に規定する行為の犯罪化について本条約上認められているオプションである「国内法上求められるときは・・・組織的な犯罪集団が関与するもの」との要件の下で、組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律第二条第一項において定義されている「団体」のうち、テロリズム集団、暴力団、薬物密売組織等の「その結合関係の基礎としての共同の目的が別表第三に掲げる罪を実行することにあるもの」を「組織的犯罪集団」と定義した上で、「組織的犯罪集団・・・の団体の活動として、当該行為を実行するための組織により行われるもの」及び「組織的犯罪集団に不正権益を得させ、又は・・・組織的犯罪集団の不正権益を維持し、若しくは拡大する目的で行われるもの」との要件を定めることとしたことを前提として、本条約上対象犯罪とすべきもの、すなわち、このような「組織的犯罪集団」が関与する全ての「重大な犯罪」として、死刑又は無期若しくは長期四年以上の懲役若しくは禁錮の刑が定められている罪のうち、「組織的犯罪集団・・・の団体の活動として、当該行為を実行するための組織により行われる」こと又は「組織的犯罪集団に不正権益を得させ、又は・・・組織的犯罪集団の不正権益を維持し、若しくは拡大する目的で行われる」ことが現実的に想定されるものを改正後組織的犯罪処罰法第六条の二の罪における対象犯罪として規定することとしたところである。このように、本条約上認められているオプションである「国内法上求められるときは・・・組織的な犯罪集団が関与するもの」との要件の下で、国内法において、「組織的な犯罪集団」の捉え方に応じて、対象犯罪を定めることは、本条約第五条1(a)(�@)の規定により許容されるところであり、また、同条3の「組織的な犯罪集団の関与するすべての重大な犯罪を適用の対象とすることを確保する」との規定とも整合するものである。
四について
お尋ねの「支障」の意味するところが必ずしも明らかでなく、お尋ねについてお答えすることは困難であるが、我が国が本条約を締結した場合には、本条約の締約国から捜査共助等の刑事司法上の協力を得ることが可能となる範囲が拡大し、国際社会と協調してテロを含む組織犯罪と戦う上で、大きな意味があるものと考えている。
似た質問主意書
件名と質問本文の冒頭の意味が近いものを、前もって計算しておいた表から近い順に8件並べました(multilingual-e5-large)。同じ言葉を使っていなくても出ます。論点が少しずれていることもあります。