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奥尻島から約四百五十キロのわが国の防空識別圏内に落下した北朝鮮の弾道ミサイルに関する質問主意書

衆議院 第193回 第320号お答えすることは困難 ×1趣旨が明らかではない ×1承知していない ×2個別の事案 ×1

提出者
民進党・無所属クラブ
提出日
2017年5月16日
内閣転送 2017年5月22日
答弁書受領日
2017年5月26日
提出から10日
答弁の項目数
8
質問 1,260字/答弁 1,132字

質問本文

五月十六日の記者会見で、稲田防衛大臣は、北朝鮮が五月十四日に発射した弾道ミサイルについて、落下地点が北海道の奥尻島から約四百五十キロの日本海上で、日本の防空識別圏内だったことを明らかにした(以下、「本事案」という。)。

わが国では、わが国周辺を飛行する航空機をレーダーで識別し、対領空侵犯措置を有効に実施するために、わが国周辺を囲むような形で、防空識別圏という空域を設定していると承知している。一般に、防空識別圏は、各国が防空上の観点から国内措置として設定しているものであり、領空・領土の限界や範囲を定める性格のものではない。防空識別圏周辺を飛行している航空機が、どこの国籍なのか、領空侵犯のおそれがあるかといった識別などを行うためのもので、自衛隊が緊急発進を実施するかどうかを判断するためのものであるが、かかる領域に弾道ミサイルが落下することは、漁業が重要な産業である北海道に暮らす国民にとっては不安を抱かざるを得ない。

このような観点から、以下質問する。

一 北朝鮮が五月十四日に発射した弾道ミサイルがわが国の防空識別圏内に落下したことに関して、わが国の国民の生命、財産に被害が生じたという報告を把握しているのか。

二 本事案は、現行法令上、どのような点で違法であると評価されるのか。該当条文を示すとともに、政府の見解を示されたい。

三 二に関して、本事案が領海内の場合は、どのような点で違法であると評価されるのか。該当条文を示すとともに、政府の見解を示されたい。

四 本事案は過去の国連決議に違反すると思われるが、具体的にどの決議に違反するのか。

五 奥尻島から西のわが国の防空識別圏内でもある日本海、あるいは領海では、わが国の漁船が操業あるいは航行している可能性は否定できない。本事案に関して、かかる観点から政府は北朝鮮に抗議したのか。したとすれば、その内容、伝達ルートなどを具体的に示されたい。

六 現在、奥尻島から西のわが国の防空識別圏内でもある日本海、あるいは領海で、わが国の漁船が操業あるいは航行している際、本事案のような北朝鮮の弾道ミサイル発射が行われた場合、どのような方法で警戒のための周知が行われるのか。また、政府の、漁業者に対する本事案のような事例に対する対応策はどのような体制になっているのか。

七 本事案は、通常より高い高度に打ち上げる「ロフテッド軌道」で発射され、高度二千キロ超に達したと承知している。ロフテッド軌道は落下速度が速いことなどから、現状のミサイル防衛体制では迎撃が容易ではないとの指摘もある。政府は、本事案はロフテッド軌道によるものと評価されるのか、また、現状のミサイル防衛体制では迎撃が容易ではないと考えられるのか。政府の見解を示されたい。

八 防空識別圏は、専ら領空侵犯のおそれのある国籍不明の航空機を未然に排除するために設定されたもので、本事案のような弾道ミサイルの落下に対しては、政府が何らかの行動を起こすための法的根拠にはなり得ないという理解でよいか。

右質問する。

衆議院の原文・経過

政府答弁書

一について

政府としては、現時点で、平成二十九年五月十四日の北朝鮮による弾道ミサイル発射により、日本国民の生命又は財産に対する被害が生じたとは承知していないが、航空機や船舶の安全確保の観点から、極めて問題のある行為であったと認識している。

二について

政府としては、現時点で、我が国の法令に抵触するような事実があったとは承知していないが、度重なる北朝鮮による弾道ミサイルの発射は、累次の国際連合安全保障理事会(以下「安保理」という。)決議に違反するものであり、航空機や船舶の航行の安全に影響を及ぼす活動等を行う場合に事前通報を求める国際民間航空機関や国際海事機関の関連規定又は決議にも従っておらず、我が国及び我が国を含む地域の安全保障に対する重大な脅威であり、かつ、航空機や船舶の安全確保の観点から極めて問題のある行為であり、断じて容認できない。

三について

お尋ねについては、個別具体的な事例に即して判断すべきものであり、一概にお答えすることは困難である。

四について

平成二十九年五月十四日の北朝鮮による弾道ミサイル発射について、同月十五日付けで安保理が発出したプレス・ステートメントは、当該発射が安保理決議第千七百十八号、第千八百七十四号、第二千八十七号、第二千九十四号、第二千二百七十号及び第二千三百二十一号に違反するものである旨述べている。

五について

お尋ねについて、政府としては、在中華人民共和国日本国大使館を通じて、北朝鮮側に対して厳重に抗議を行い、強く非難した。これ以上の詳細については、今後の対応に支障を来すおそれがあることから、お答えを差し控えたい。

六について

政府としては、弾道ミサイル発射が行われ、我が国の漁船に影響があると認められる場合には、水産庁から漁業無線局を通じて漁船への情報伝達を行うなどしている。

また、水産庁は、平素から、漁業無線局及び都道府県に対し、迅速な情報の伝達の依頼や注意事項の周知を行っている。

七について

平成二十九年五月十四日に北朝鮮が発射した弾道ミサイルについては、現時点において詳細を分析中であるが、ロフテッド軌道を採って発射されたものと推定している。

我が国の弾道ミサイル防衛システムの個別具体の撃破能力については、自衛隊の能力等が明らかになることにつながることから、お答えを差し控えたい。

八について

お尋ねの「何らかの行動を起こすための法的根拠」の意味するところが必ずしも明らかではないが、我が国の防空識別圏は、我が国が、我が国周辺を飛行する航空機の識別を容易にし、もって領空侵犯に対する措置を有効に実施するため定めているものであり、御指摘の「弾道ミサイルの落下」への対応を目的とするものではない。

衆議院の原文

この答弁書に出てくる定型句

お答えすることは困難 ×1趣旨が明らかではない ×1承知していない ×2個別の事案 ×1

語の一致で数えたものです。答弁の評価ではありません。同じ型の答弁が過去にどれだけあるかは、型を押すと出ます。

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