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平成二十一年四月五日に北朝鮮から飛来した飛翔体に関する質問主意書
衆議院 第171回 第284号お答えすることは困難 ×4趣旨が明らかではない ×2
質問本文
北朝鮮が平成二十一年四月五日に発射した飛翔体(以下「飛翔体」という。)は日本上空を通過したと報じられている。今回の発射は遺憾であると同時に今後の政府の対応が問われていると考える。事実確認を含め、次の事項について質問する。
知りうる範囲において誠実な答弁をお願いする。あわせて質問番号を束ねず、質問番号ごとに誠意をもった答弁を頂くようお願いする。
一 飛翔体の発射に至る過程でその中止を求めて政府はどのように国際社会に働きかけたのか。またその働きかけにもかかわらず発射を中止させられなかった理由如何。
二 飛翔体の発射に際し北朝鮮当局から事前に詳細な発射通告は政府に対しあったのか答弁を求める。また米国、中国、ロシアなどには発射前通告があったとの報道もあるが事実関係如何。また北朝鮮以外の国から発射前に詳細な発射日時等の発射通告が政府にもたらされたのか、もたらされたのであれば、その通告はいつ、どの国からどのような内容であったのか答弁を求める。
三 政府は「飛翔体は人工衛星だ」と認識しているのか、もしくは「飛翔体はミサイルだ」と認識しているのか、答弁を求める。またその根拠如何。飛翔体の航跡について追尾・検証するためにどのような観測をしたのか。海上に配備した艦船の位置及び数、航空機の位置及び数等についても可能な範囲で答弁を求める。また日本領土・領海において肉眼による目視でも確認されているのか答弁を求める。報道によればイージス艦「きりしま」が福島県沖約千キロの太平洋上に配備されたが、結局飛翔体は「きりしま」の観測可能な範囲を超え飛翔したとされている。事実関係如何。また事実とすればイージス艦のレーダー照射距離は千キロとされており、北朝鮮が国際海事機関事務局や国際民間航空機関事務局に事前に通報した海域への落下物の確認を目的とするならば、通報された危険水域全体をカバーするべく福島県沖千キロより沖合に展開するべきではなかったかと考えるが見解如何。
四 日本の監視・観測レーダー及び米国等他国の監視・観測レーダーから得られている情報をもとに飛翔体の航跡について答弁を求める。飛翔体は日本上空高度何キロを秒速何キロでどのような地点の上空を通って通過したのか。また北朝鮮が国際海事機関事務局や国際民間航空機関事務局に事前に通報した二カ所の海域にそれぞれ落下物を落としたのか答弁を求める。その落下物の確認のため、日本政府はいつ現場海域にどのような方法で到達し、実際にその落下物を目視により確認したのか答弁を求める。
五 現在の飛翔体の状況について問う。政府は「飛翔体は衛星軌道に乗り地球を周回している」と認識しているのか、また北朝鮮が主張する衛星からの電波を確認しているのか答弁を求める。国際連合安全保障理事会(以下「安保理」という。)理事国において飛翔体が軌道に乗り地球を周回したことを確認したとしている国、また飛翔体からの電波を確認したとしている国はあるのか、その国名も含め答弁を求める。また衛星軌道に乗らず落下したとするならば、飛行速度、高度、方向等から計算して最終的にどの地点に落下したと政府は推測しているのか答弁を求める。また米国の早期警戒衛星等の赤外線追尾では最終的にどの地点に落下したと連絡を受けているのか答弁を求める。
六 飛翔体に対する日本の迎撃態勢について問う。迎撃ミサイルの配備個所数とその迎撃可能範囲の合計面積について答弁を求める。今回、飛翔体は東京上空を通過するとされていなかったにもかかわらず、また通過すると予測された地域が全域迎撃可能な地域となっていないにもかかわらず、東京都千代田区市ヶ谷付近に配備した理由如何。また都市部において迎撃ミサイルによって飛翔体を迎撃した場合の影響をどのように推測し、また関係自治体と協議を行ない、さらに住民へ告知したのか答弁を求める。
七 今回の飛翔体の発射を受けて政府としての対応を問う。政府が行なった制裁措置如何。また日本以外の関係各国がそれぞれに行なった、もしくは行なう予定の制裁措置につき承知をしている範囲で答弁を求める。また政府は安保理にどのような対応を求めていくのかその方針を問う。
八 本主意書に対する答弁作成時点でその存在が衛星等で確認されているミサイルもしくはロケットが北朝鮮に存在するのか答弁を求める。また今回の飛翔体への対応として政府が支出した金額如何。その内訳も可能な範囲で答弁を求める。
右質問する。
政府答弁書
一について
政府は、北朝鮮が地域の平和と安定を損なうような行動を慎むべきとの考えから、米国、韓国を始めとする関係国と協議を行い、北朝鮮は、緊張を高め、地域の平和と安全を脅かすような行動をとるべきではないとの点で一致し、その旨対外的にも明確にしてきた。
また、北朝鮮が御指摘の発射を強行した理由について、政府としてお答えする立場にない。
二について
北朝鮮から我が国に対し、御指摘の発射の詳細な日時等についての連絡はなかった。
北朝鮮がいかなる国に事前通告を行ったかについて、政府としてお答えする立場にない。
また、御指摘の発射に関し、政府はこれまで関係国と緊密に意見交換及び情報交換を行ってきたところであるが、個別のやり取りの詳細について明らかにすることは、相手国との関係もあり、差し控えたい。
三について
政府としては、今回の北朝鮮によるミサイル発射について、総合的・専門的な分析を行っているところであるが、今回の発射が、国際連合安全保障理事会(以下「安保理」という。)決議第千六百九十五号及び第千七百十八号に違反する北朝鮮の弾道ミサイル計画に関連する活動等であることにかんがみ、「北朝鮮によるミサイル発射」と呼称しているところである。
今回の自衛隊法(昭和二十九年法律第百六十五号)第八十二条の二第三項に規定する防衛大臣の命令に基づき、イージス艦三隻を含む艦艇及び航空機が日本海及び太平洋で行動していた。
お尋ねの「目視でも確認されているのか」については、自衛隊として確認していない。
また、イージス艦「きりしま」の観測範囲及び展開状況に関する事柄については、自衛隊の装備品の能力及び運用に関することであり、お答えは差し控えたい。
四について
政府としては、今回の北朝鮮によるミサイル発射について、総合的・専門的な分析を行っているところであり、お尋ねの「航跡」についてお答えすることは困難である。
お尋ねの「落下物を落としたのか」については、日本海側落下推定地域にあっては、平成二十一年四月五日午前十一時五十五分ごろ海上自衛隊の固定翼哨戒機P−三Cが、同日午後一時十分ごろ海上保安庁の航空機が、同日午後四時十五分ごろ海上保安庁の巡視船がそれぞれ到着し、太平洋側落下予測地域にあっては、同日午後二時十五分ごろ海上保安庁の航空機が到着し、周囲の状況を確認したが、いずれの地域でも落下物を確認していない。
五について
政府としては、北朝鮮が発表したように人工衛星が軌道を周回しているとは認識しておらず、また、人工衛星からの電波についても、これまでのところ確認していない。
政府としては、安保理理事国において、人工衛星が軌道を周回していることを確認したとしている国は無いと承知している。
政府としては、今回の北朝鮮によるミサイル発射について、総合的・専門的な分析を行っているところであり、お尋ねの落下地点についてお答えすることは困難である。
また、お尋ねの米国からの連絡については、米国との関係もあり、お答えを差し控えたい。
六について
今回の北朝鮮によるミサイル発射については、事故等により我が国に落下する場合に備え、自衛隊法第八十二条の二第三項に規定する防衛大臣の命令に基づき、スタンダード・ミサイルSM−三搭載イージス艦二隻が日本海に、また、ペトリオット・ミサイルPAC−三が岩手県、秋田県、埼玉県、東京都及び千葉県に所在する九か所の自衛隊の駐屯地等に展開し、必要な態勢をとった。また、ペトリオット・ミサイルPAC−三の展開に際しては、防衛省から関係する自治体等に必要な説明を行った。
お尋ねの迎撃可能な範囲の合計面積については、自衛隊の装備品の能力に関することであり、お答えを差し控えたい。
お尋ねの迎撃した場合の影響については、弾道ミサイル等の種類などにより異なることから、お答えすることは困難である。
七について
お尋ねの「制裁措置」の意味が必ずしも明らかではないが、政府としては、首相官邸のホームページにおいて「我が国の対北朝鮮措置について(内閣官房長官発表)(平成二十一年四月十日)」として公表している対応をとることとしているところである。
お尋ねの「日本以外の関係各国がそれぞれに行なった、もしくは行なう予定の制裁措置」については、政府としてお答えする立場にはない。
我が国としては、安保理が一致した強いメッセージを迅速に出すべきとの立場から関係国と調整を行ったところ、二千九年四月十三日付け安保理議長声明の発表に至った。
八について
お尋ねの趣旨が必ずしも明らかではないが、政府としては、北朝鮮は、従来から、弾道ミサイル等の生産、配備等を進めているものと承知している。
また、お尋ねの「政府が支出した金額」については、自衛隊を始めとする関係行政機関を恒常的に維持していくための経費として計上された人件費等の中から支出されるため、今回の事案に係る経費を抽出してお答えすることは困難である。
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