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テロ等準備罪に対する国連特別報告者の書簡に関する質問主意書

衆議院 第193回 第332号

提出者
民進党・無所属クラブ
提出日
2017年5月22日
内閣転送 2017年5月24日
答弁書受領日
2017年5月30日
提出から8日
答弁の項目数
1
質問 808字/答弁 1,110字

質問本文

現在、審議中のテロ等準備罪法案に対して、プライバシーの権利に関する国連特別報告者ジョセフ・ケナタッチ氏が、プライバシーや表現の自由を制約するおそれがあると強い懸念を示す書簡を安倍内閣総理大臣宛てに送付したとの報道がある。

この書簡の中でケナタッチ氏は、対象となる犯罪が幅広く、テロリズムや組織犯罪と無関係のものを含んでいること、どのような行為が処罰の対象となるのか不明確であり刑罰法規の明確性の原則に照らして問題があること、「計画」や「準備行為」の文言が抽象的であり捜査機関による恣意的な適用のおそれがあることなど、国会で野党が指摘し続けてきた事項と同様の警告をしている。

さらに、プライバシーを守るための仕組みが欠けているとして、五項目にわたる懸念事項を挙げている。

法案の採決前にこの書簡で挙げられた五項目の懸念事項について、懸念を払拭するための具体的な方策について明らかにする必要があると考えるが、政府の見解を伺う。

一 プライバシーを守るための適切な仕組みを設ける考えはあるのか。

二 捜査機関等が行う監視活動に対する令状主義の強化を行う考えはあるのか。

三 ナショナル・セキュリティのために行われる監視活動を事前に許可するための独立した機関を設置する考えはあるのか。

四 警察がGPS捜査や電子機器の使用のモニタリングをするために裁判所の許可を求める際の司法の監督の質について懸念があると指摘されているが、この懸念を払拭するための方策を講じる考えはあるのか。方策を講じる場合は、具体的にどのような方策か。

五 我が国は、裁判所が令状発付請求を認める件数が圧倒的に多い現状があり、この法案成立によって、警察が情報収集のために令状を得る機会が広がり、プライバシーに与える影響が懸念されると指摘されており、プライバシー保護を重視し、情報収集のための令状発付請求は慎重であるべきだと考えるがいかがか。

右質問する。

衆議院の原文・経過

政府答弁書

一から五までについて

現在国会で審議中の組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律等の一部を改正する法律案による改正後の組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律(平成十一年法律第百三十六号。以下「改正後組織的犯罪処罰法」という。)第六条の二第一項又は第二項の罪(以下「本罪」という。)は、国際的な組織犯罪の防止に関する国際連合条約第五条1が定める犯罪化の義務を履行するために、同条1(a)(�@)に規定する行為を犯罪とするものであり、本罪においては、過去の国会における御議論を踏まえて処罰の対象を限定するために、テロリズム集団、暴力団、薬物密売組織等の「その結合関係の基礎としての共同の目的が別表第三に掲げる罪を実行することにあるもの」を「組織的犯罪集団」と定義し、かつ、本罪の対象犯罪につき死刑又は無期若しくは長期四年以上の懲役若しくは禁錮の刑が定められている罪のうち、我が国における犯罪情勢等に照らして「組織的犯罪集団」が関与して遂行が計画されることが現実的に想定されるものに限定して改正後組織的犯罪処罰法別表第四に掲げつつ、同表に掲げる罪に当たる行為で、「組織的犯罪集団」の「団体の活動として、当該行為を実行するための組織により行われるもの」又は「組織的犯罪集団に不正権益を得させ、又は・・・組織的犯罪集団の不正権益を維持し、若しくは拡大する目的で行われるもの」の遂行を「二人以上で計画」し、「その計画をした者のいずれかによりその計画に基づき資金又は物品の手配、関係場所の下見その他の計画をした犯罪を実行するための準備行為が行われた」場合に限り処罰の対象とするものとしており、「組織的犯罪集団」の活動と関わりのない私生活上の行為や表現行為等が処罰の対象となるものではないことを明確にしている。また、我が国における捜査及び公判は刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)の定める適正な手続に従って行われるものであり、故意によりこのような「二人以上で計画」する行為をした者であるとの具体的嫌疑が存する場合でなければ本罪について捜査の対象となることはなく、令状については、請求を受けた裁判官が、独立した立場から慎重に審査してその発付の可否を判断することとなる。

お尋ねの書簡については、国際連合又はその機関である人権理事会の見解を述べたものではなく、また、本法律案の内容等について我が国政府から説明を受けることなく作成されたものであり、その内容には誤解に基づくと考えられる点も多いところであるが、政府としては、同書簡で示された指摘の内容を現在精査しているところであり、今後しかるべく対応する考えである。

衆議院の原文

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