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国家戦略特別区域を活用した獣医学部の新設に関する質問主意書
衆議院 第193回 第370号お答えすることは困難 ×1
質問本文
平成二十九年六月五日、衆議院決算行政監視委員会で安倍総理は、「獣医師公務員が不足しているというお話があった。まさにそういうのは本当に長い間獣医学部ができていなかったことによる弊害であります。岩盤規制があるからこそ、その弊害を突破できなかったわけでございます。しかし、今委員がおっしゃるように、この国家戦略特区というのは、一校とか二校ではなくて、まずは穴をあけて、全国展開をしていきたいと思っています。ですから、ここでいろいろな公正な法令にのっとって公正に加計学園に決定されたわけでございますが、この結果を見ながら二校、三校に私たちはむしろ広げていきたいとすら考えている」(以下、「本答弁」という。)との認識を示した。
この答弁に関連して、以下質問する。
一 本答弁で、「国家戦略特区というのは、一校とか二校ではなくて、まずは穴をあけて、全国展開をしていきたい」と述べているが、政府は今後、獣医学部をさらに増設していきたいと考えているのか。見解を示されたい。
二 本答弁で「いろいろな公正な法令にのっとって公正に加計学園に決定された」と述べているが、なぜ加計学園だけの増設が認められたのか。獣医師公務員の不足、偏在が指摘されている中、「まずは穴をあけて、全国展開をしていきたい」と考えるならば、加計学園に百六十人の定員を認めるよりも、例えば、京都産業大学は八十人の定員を申請していたと承知しており、京都産業大学八十人、加計学園八十人という組み合わせの方が合理的な判断ではないか。政府の見解を示されたい。
三 平成二十七年六月に閣議決定された「日本再興戦略改訂二〇一五」の中では、「獣医師養成系大学・学部の新設に関する検討」として、「現在の提案主体による既存の獣医師養成でない構想が具体化し、ライフサイエンスなどの獣医師が新たに対応すべき分野における具体的な需要が明らかになり、かつ、既存の大学・学部では対応が困難な場合には、近年の獣医師の需要の動向も考慮しつつ、全国的見地から本年度内に検討を行う」と示されているが、全国的見地から検討を行うのであれば、現在の全国の獣医学部の新入生の定員の約二割にあたる百六十名を今治市に新設するのではなく、二で指摘しているように、京都府下で八十人、四国で八十人という組み合わせの方が合理的かつ全国的見地からの判断ではないか。政府の見解を示されたい。
四 平成二十二年八月、日本獣医師会は、「四国地区に獣医師養成課程を有する大学が存在しない。これを大学立地の偏在是正として「特区提案」の理由に挙げておりますが、大学の立地場所が獣医師需給政策上の課題となるものではありません。獣医師需給対策は国全体の施策として手当てすべきものであり、「特区」要望になじむものではありません。「特区」による大学獣医学部の新設は、新規卒業者の特定職域及び特定地域就業義務付けが困難である以上、獣医師の職域分布の偏在の是正に応え得るものではありません」との見解を示しているが、日本国憲法で職業選択の自由が保障されており、そこには勤務地の自由も当然保障されているものと解される。従って、四国地区に獣医師養成課程を有する大学が存在しないために、特区で獣医学部を認可しても、大学の立地場所が獣医師需給政策上の懸案事項を解消することにはつながらないのではないか。政府の見解を示されたい。
五 政府は、獣医師公務員の不足、偏在が指摘されている中「数字的に需要が幾らというのは、そんなことは誰も言えないんです。だけれども、それを数字としてできないんだけれども、需要がある程度あるかどうかということはきちっと証明でき」るために、「岩盤規制があるからこそ、その弊害を突破できなかった」ものの、安倍総理がいうように、「まずは穴をあけて、全国展開をして」行けば、「神の見えざる手による、市場メカニズムによる調整」が働き、結果として、獣医師公務員の不足、偏在の適正化が図られると考えているのか。見解を示されたい。
六 五に関連して、プロフェッショナル集団である獣医師会も反対し、「数字的に需要が幾らというのは、そんなことは誰も言えないんです。だけれども、それを数字としてできないんだけれども、需要がある程度ある」かどうか程度の認識で獣医学部の新設を認可することは、政府が司法制度改革でロースクール増設を政策誘導したものの、現在、多くのロースクールが廃校に追い込まれているという失敗を繰り返す危惧はないのか。見解を示されたい。
右質問する。
政府答弁書
一について
お尋ねについては、山本内閣府特命担当大臣(地方創生)による平成二十九年五月十五日参議院行政監視委員会における「今後特段の問題が生じなければ、更なる規制改革として二校目、三校目を認めていくことも検討に値すると考えているところであります。」との答弁のとおりである。
二及び三について
お尋ねについては、山本内閣府特命担当大臣(地方創生)による平成二十九年五月十五日参議院行政監視委員会における「獣医学部の新設も長年実現できなかった岩盤規制でございまして、これを突破するという意味で、全体の獣医師の需給やあるいは獣医師会等からの慎重な議論も踏まえて、最終的には私の判断で、昨年十一月の特区諮問会議で広域的に獣医学部がない地域に限ることといたしましたし、さらに、今年一月の一校に限る制度改正となったわけであります。」との答弁のとおりである。
四及び五について
お尋ねについては、山本内閣府特命担当大臣(地方創生)による、平成二十九年四月十二日衆議院地方創生に関する特別委員会における「獣医師等の需給の関係でありますが、産業動物獣医師は、地域偏在により現に確保が困難な地域がある、また、近年、ライフサイエンスなどの分野で具体的な需要が高まっている、このことから、地域を限って新設を認めることを基本的な方針といたしました。」との答弁、同年六月一日参議院内閣委員会における「昨年十一月九日、特区諮問会議における農林水産大臣の御発言のとおり、産業動物獣医師が確保が困難な地域があると承知しております。こうした偏在の問題に対しては、所管省庁においてはもちろん様々な努力をされているものと思います。学部の卒業生の進路を特定化することは困難であることは事実でありますけれども、他方で、卒業生が不足している職域、産業動物医などですね、や地域に誘導させる努力や工夫をする余地は十分にあると考えております。」との答弁並びに同月八日の参議院内閣委員会における「例えばペットの診療についても価格が高止まりしている、(中略)本来ならばそういう価格が高止まりすれば当然新規参入者が出てきてどんどん価格が下がっていくんですよ。・・・あるところに来たらそれ以上下げると消費者も生産者も困るというところが出てきて均衡に達するわけで、それを決めるのが私が言っている神の見えざる手の市場メカニズムであります。・・・ある程度そういう自由価格で決まるところについてはそういうふうにした方がペットを持っている人は喜ぶと思いますよ。そういうところが高いから、ほかの産業動物医とか公務員獣医師に行く人も少なくなるわけです。」及び「したがって、こういう場合には、国家試験というのがあるわけですから一定の資格はもう確保されるわけだから、あとは市場メカニズムに任せる自由診療でありますから、一定程度市場原理に委ねることが望ましい、そしてそのことによってあるいは新しい分野にも人材を供給できる」との各答弁のとおりである。
六について
お尋ねについては、山本内閣府特命担当大臣(地方創生)による平成二十九年六月一日参議院内閣委員会における「昨年十一月の諮問会議取りまとめにもあるとおり、家畜、食料等を通じた人獣共通感染症の発生が国際的に拡大する中、先端ライフサイエンス研究や地域における感染症対策の強化など、獣医師が新たに対応すべき分野に係るニーズが一層顕著になっているわけであります。具体的には、近年の創薬プロセスでは、基礎研究から人を対象とした臨床研究の間の研究、いわゆるトランスレーショナル研究で、実験動物を用いた臨床研究など獣医師の知見を活用した研究が重視されてきております。また、家畜等の越境国際感染症の防疫対応は、都道府県の畜産部局と家畜保健衛生所における獣医師等が主体となって行うことは承知しておりますが、特に緊急時、感染症が全国的に拡大する前に地域で封じ込めるためには、国際対応、危機管理対応が可能な獣医師に加え、防疫対応を支援する拠点たる獣医学部における人材の重要性も高まっております。このように、具体的な獣医師の職域が多様化する一方で、新規獣医師の供給は毎年千人前後で固定しております。このため、新規獣医師がライフサイエンス分野や水際対策の強化などの新たな分野の需要に十分対応できていないことが懸念されたところであります。このことから、ライフサイエンスなどの獣医師が新たに対応すべき分野における具体的な需要が明らかになったと言えると考えております。」との答弁のとおりである。
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件名と質問本文の冒頭の意味が近いものを、前もって計算しておいた表から近い順に8件並べました(multilingual-e5-large)。同じ言葉を使っていなくても出ます。論点が少しずれていることもあります。