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国家戦略特区による獣医学部新設に関する質問主意書
参議院 第193回 第154号お答えすることは困難 ×1趣旨が明らかではない ×1
質問本文
平成二十八年十一月九日、国家戦略特別区域諮問会議は、「国家戦略特区における追加の規制改革事項について」(以下「事項」という。)を決定した。その内容は、獣医学部の新設を可能とするための関係制度の改正他一件である。その後、平成二十八年十二月二十二日、内閣府特命担当大臣(地方創生、規制改革)、文部科学大臣及び農林水産大臣の連名により、「国家戦略特区における獣医学部の設置について」(以下「通知」という。)が発出され、また平成二十九年一月四日、内閣府・文部科学省告示第一号(文部科学省関係国家戦略特別区域法第二十六条に規定する政令等規制事業に係る告示の特例に関する措置を定める件の一部を改正する件。以下「告示」という。)が発出された。しかし、事項、通知及び告示の関連について疑義があるので、以下質問する。
一 事項及び通知では獣医学部の開設年度について言及されていない一方、告示では「平成三十年度に開設する獣医師の養成に係る大学の設置」とあり、「平成三十年度」と開設年度が特定されている。告示において開設年度を特定した理由とその検討経緯を示されたい。
二 前記一に関連し、告示では「当該認定の日以後は、当該大学の設置に係る同項の認可の申請の審査に関しては、大学、大学院、短期大学及び高等専門学校の設置等に係る認可の基準第一条第四号の規定は、適用しない」とあるが、今回の国家戦略特区によって新設の申請が認められた獣医学部が、平成三十年度に開設が出来なかった場合、事項、通知又は告示のいずれかが失効することになるか、政府の見解を示されたい。
三 事項では、獣医学部の新設を可能とする校数について言及されていない一方、通知では、「獣医学部を設置するとしても、一校に限る」とされた。通知において、「一校に限る」と校数を限定した検討経緯を示されたい。
四 獣医学部の新設について、獣医事審議会の総会、計画部会、民間・計画分野ワーキンググループ、公務員ワーキンググループ及び産業動物分野ワーキンググループにおける検討経緯を示されたい。獣医学部の新設について、前記の獣医事審議会のいずれの場でも検討されていない場合、獣医療法第十条に照らし問題があるという意見があるが、政府の見解を示されたい。
五 大学基準協会の「獣医学教育に関する基準」では、「入学定員は六十~八十人程度を標準とし、百二十人を越えないことが望ましい」とある。今回新設される獣医学科の定員は百六十人を予定しており、この基準を大幅に超過しているが、このことに問題はないか、政府の見解を示されたい。
六 「獣医学教育の改善・充実に関する調査研究協力者会議「議論のまとめ」」(以下「まとめ」という。)では、ライフサイエンス分野への対応について、獣医師免許を必要としない研究者・大学教員をはじめとする研究職を前提としている。一方、今回の獣医学部の新設にあたっては、ライフサイエンス分野への対応が期待されている。まとめで示された考えからすると、今回新設される獣医学科の定員百六十人について、全員が獣医師免許の取得を前提としているわけではないという意見があるが、これに対する政府の見解を示されたい。
七 前記六に関連し、「「日本再興戦略」改訂二〇一五」(以下「改訂」という。)では、「ライフサイエンスなどの獣医師が新たに対応すべき分野における具体的な需要」と記述されており、また、事項及び通知では、「先端ライフサイエンス研究の推進」は「獣医師が新たに取り組むべき分野」とされているなど、獣医師免許の取得を前提とした記述となっている。まとめの考えが、改訂、事項及び通知に反映されていないとの意見があるが、これに対する政府の見解を示されたい。
右質問する。
政府答弁書
一について
お尋ねについては、平成二十九年五月二十三日の参議院農林水産委員会において、松本内閣府副大臣が「共同告示に平成三十年度に開設と規定した理由でありますけれども、いち早く具体的な事業を実現させ、効果を検証することが重要であるとの観点から、効果が発現することとなる開設の時期を共同告示に規定し、早期開設を制度上担保しようとしたものであります。昨年十一月九日の諮問会議取りまとめ後、パブリックコメントを開始するまでに、パブリックコメントの概要案に平成三十年度開設を盛り込むことにつきまして山本幸三大臣が御判断になったものであります。また、共同告示を共管する文科省とは、平成三十年度に開設との記載を含む概要案につきまして、パブリックコメント開始前に調整を行いまして合意をしているところでございます。農水省にも十一月二十一日にこの旨を通知をいたしました。最終的には、パブリックコメントの受付期間が終了いたしました後、十二月末の段階で、共同告示に平成三十年度に開設と規定することにつきまして、文科省、農水省を含め最終確認をいたしまして、本年一月四日に告示を公布をいたした経緯でございます。」と答弁しているとおりである。
二、六及び七について
お尋ねの趣旨が必ずしも明らかではないため、お答えすることは困難である。
三について
お尋ねについては、平成二十九年四月六日の参議院農林水産委員会において、松本内閣府副大臣が「一校に限った経緯について申し上げます。昨年十二月八日に日本獣医師会から一校とするよう要請があったところであります。十二月十七日の締切りのパブリックコメントにおきまして約八割が慎重な御意見であったことを踏まえ、十二月二十日前後に山本幸三大臣が一校に限ることを決断され、通常と同様に事務方に指示をなされました。十二月二十二日に、事務方の原案を基に、山本幸三大臣が目を通し、内閣府から文科省高等教育局と農水省消費・安全局に提示をさせていただきました。十二月二十二日夕方までに通常と同じく事務方で文言調整の後、案を両省の局長等から大臣に報告し、異議はなかったため、三大臣合意となったものであります。それを受けまして、本年一月四日、一校に限る旨を明記した告示を制定をさせていただきました。」と答弁しているとおりである。
四について
獣医療法(平成四年法律第四十六号)は、第十条第一項において「農林水産大臣は、獣医療を提供する体制の整備を図るための基本方針(以下「基本方針」という。)を定めなければならない」と規定し、同条第三項において「農林水産大臣は、情勢の推移により必要が生じたときは、基本方針を変更するものとする」と規定し、同条第四項において「農林水産大臣は、基本方針を定め、又はこれを変更しようとするときは、獣医事審議会の意見を聴かなければならない」と規定しているところ、獣医学部の新設は、同条第一項の規定に基づき定められた「獣医療を提供する体制の整備を図るための基本方針」(平成二十二年八月三十一日農林水産大臣決定)の変更を必要とするものではなく、同審議会の意見を聴かなければならないものではないため、同審議会において検討は行っていない。
五について
お尋ねについては、平成二十九年五月二十五日の参議院文教科学委員会において、松野文部科学大臣が「現在、大学設置・学校法人審議会において、教育課程、教員組織、施設整備等の教育環境の面から、入学定員の人数に必要な整備がなされる計画となっているかという観点から審査を行っているところであります。・・・文部科学省といたしましては、獣医学教育の充実が図られるよう、法令にのっとり適切に審査を進めてまいります。」と答弁しているとおりである。
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