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訪問介護における「生活援助」の提供回数の制限及び「生活援助」の「緩和した基準」に関する質問主意書

衆議院 第195回 第68号お答えすることは困難 ×2趣旨が明らかではない ×1検討してまいりたい ×2

提出者
希望の党・無所属クラブ
提出日
2017年11月29日
内閣転送 2017年12月4日
答弁書受領日
2017年12月8日
提出から9日
答弁の項目数
3
質問 2,420字/答弁 673字

質問本文

二○○○年度にスタートした介護保険制度は、二○一五年度現在、介護が必要と認定を受けた者は六二五万人、サービスを利用しているのは五一八万人と報告されている。

一年間に一度でもサービスを利用したことがある年間実受給者数でみると、利用者の八五パーセントは在宅サービスを利用している。

在宅サービスで最も利用されているのは、福祉用具貸与、通所介護及び訪問介護となっている。

介護が必要な者はひとり暮らし、高齢夫婦世帯が年々増加しており、ホームヘルパー(訪問介護員)が各家庭を訪ね、日常生活を支える「生活援助」は不可欠のサービスとなっている。

一○月二五日、財政制度等審議会財政制度分科会(以下、「財政審分科会」という)は、「社会保障について�A(各論)」において、「生活援助中心型」の利用状況の調査結果を示し、一人当たりの平均利用回数は月一○回程度だが、月三一回以上の利用者が二万四七四八人いるとして、なかには月一○○回を超えて利用しているケースをとらえ「必要以上のサービス提供を招きやすい構造的な課題」とした。

また、要介護一・二の利用者三六万七○○○人の「利用回数の分布」を示し、九割までが月二○回までの利用としている。

そして、「改革の方向性(案)」として、一定の回数を超える生活援助を提供する場合は、地域支援事業の包括的支援事業に位置づけられている地域ケア会議で、ケアプランの検証を行うことを要件とすべきとした。

しかし、月一○○回の訪問とは、一日三回程度となり、ホームヘルパーが食事介助と服薬管理に訪問するだけでも、当然の訪問回数と考える。

一一月二二日、社会保障審議会介護給付費分科会(以下「社保審分科会」という)第一五二回において、厚生労働省は財政審分科会の「改革の方向性(案)」に呼応する形で、「訪問介護(生活援助中心型)の回数が、通常の利用状況と著しく異なるケアプランは、市町村が確認・是正を促していくことが適当」とし、「一定の回数を超える生活援助中心型を位置付ける場合は、市町村にケアプランを届け出ることとし、市町村が地域ケア会議の開催等により届け出られたケアプランの検証を行う」とした。

また、届出対象の範囲を二○一八年四月に示した上で、六ヶ月の周知期間を設けて一○月から施行するとしている。

厚生労働省は第一五二回社保審分科会において、「訪問回数の多い利用者への対応(自治体調査結果)」を公表している。

調査対象は四八件と少ないが、うち四六件は「適切な利用」と自治体が判断している。

また、財政審分科会が指摘する要介護一・二は一五件で、三割に過ぎず、要介護一・二であっても、「認知症高齢者の日常生活自立度」が�Ubとなる者が四件ある。�Ubとは「服薬管理ができない、電話の対応や訪問者との対応などひとりで留守番ができない等」とされている。

また、調査では「独居」が八割で、家族がいる場合でも要介護認定を受けている高齢の配偶者がほとんどである。

七割を占める要介護三以上の者は、「認知症高齢者の日常生活自立度」が�Va以上となり、「常に介護を必要とする」者で、在宅生活を維持できていることこそが、評価に値すると考える。

政府は『ニッポン一億総活躍プラン』で「介護離職ゼロ」を掲げ、二○二○年代初頭までに介護のために離職する者をゼロにするため、介護保険サービスの充実をめざすとしている。

しかし、ひとり暮らしで重度の認知症の者が頼りとしている「生活援助」の訪問回数の制限をすることは、親の介護のために離職を決断する労働者を増やすことにしかならない。

また、身寄りのない認定者であれば、「生活援助」の制限は、セルフネグレクトを加速させ、孤立死やゴミ屋敷問題をこれまで以上に拡大する可能性が大きいと考える。

一 政府は、ひとり暮らしや重度の認知症で、在宅生活を営む者たちの「生活援助」に制限を加えることを適当と考えているのか。

二 二○一八年度の介護報酬改定に向けて現在、社保審分科会が審議を行っている。

一一月一日に開催された第一四九回社保審分科会において、厚生労働省は「訪問介護の報酬・基準について」として、「生活援助中心型の担い手の拡大(基準の緩和)」のため、生活援助中心型を担当するホームヘルパー(訪問介護員)を現行の初任者研修(一三○時間以上の研修)ではなく、「新研修」により緩和すると提案した。

研修条件を緩和した「新研修」であれば、受講者が増え、人材確保につながるとの説明だが、現行基準を緩和することは、介護報酬の引き下げに連動することが当然予想される。

介護人材が不足していることはかねてから指摘され、政府は『ニッポン一億総活躍プラン』で「介護離職ゼロ」を掲げ、介護保険サービスの充実のため、介護労働者の処遇改善をはかるとしている。

介護労働者は、認定者の自宅などを訪問するホームヘルパー(訪問介護員)と施設などで働く介護職員におおきく分けられるが、ホームヘルパーは初任者研修の修了者であることが要件とされ、在宅介護の質を一定程度維持してきた歴史がある。

ホームヘルパーは女性が八八・六パーセントと圧倒的であり、女性労働が在宅介護を支えてきた歴史的経過を踏まえ、『すべての女性が輝く社会づくり』をめざす政府へ以下質問する。

1 ホームヘルパーの養成研修を修了した者は累計三八三万人にのぼるにもかかわらず、実際に従事している者は四二万人で約一割に過ぎないが、この理由は何か。

2 ホームヘルパーは六○歳以上が三割を超え、後継者が育成できていない課題があるがこの原因は何か。

3 ホームヘルパーの任用条件を緩和する前に、なぜ、従事者が少ないのか、その理由を明らかにすることが必要であり、合理的な課題の解決を探ることが、今後も増え続ける在宅サービス利用者の安心・安全につながると考えるが政府の見解を伺いたい。

右質問する。

衆議院の原文・経過

政府答弁書

一について

お尋ねの「「生活援助」に制限を加えること」の意味するところが必ずしも明らかではなく、お答えすることは困難であるが、御指摘の「訪問回数の多い利用者への対応」については、社会保障審議会介護給付費分科会における議論を踏まえて検討してまいりたい。

なお、訪問介護サービスにおける生活援助(以下単に「生活援助」という。)については、個々の利用者の状況に応じて、適切なケアプランに基づき提供されることとしている。

二の1及び2について

お尋ねの「理由」及び「原因」について訪問介護員に特化した調査は実施していないが、公益財団法人介護労働安定センターが実施した「平成二十八年度事業所における介護労働実態調査」によると、介護保険法施行規則(平成十一年厚生省令第三十六号)第二十二条の二十三第一項に規定する介護職員初任者研修課程等を修了した者の中には訪問介護以外の介護サービスに従事する者が一定数存在しており、また、介護事業所における従業員の採用が困難である原因として「賃金が低い」や「仕事がきつい」等が挙げられているところである。

二の3について

御指摘の「合理的な課題の解決」の意味するところが必ずしも明らかではないが、政府としては、訪問介護員を含む介護人材の確保のため、その処遇改善のほか、職場環境の改善による離職防止など、総合的な対策を推進しているところであり、あわせて、生活援助が中心である介護サービスについては、その質を確保しつつ、多様な人材を確保する観点から、当該サービスに従事する者向けの研修を制度化することを検討しているところである。

衆議院の原文

この答弁書に出てくる定型句

お答えすることは困難 ×2趣旨が明らかではない ×1検討してまいりたい ×2

語の一致で数えたものです。答弁の評価ではありません。同じ型の答弁が過去にどれだけあるかは、型を押すと出ます。

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