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介護保険の訪問介護の「生活援助」に係る運営基準の改定に関する質問主意書
参議院 第196回 第51号趣旨が明らかではない ×2
質問本文
介護保険制度は、制度開始から十八年を経過し、制度開始時に比べ、介護サービスの提供量を大幅に増加させ、高齢者の介護に一定の役割を果たしていると評価できる。一方、介護保険制度の大きな目的である介護の社会化や、「施設から在宅へ」、「医療から介護へ」などの掛け声とは裏腹に、制度の複雑化、明確な根拠のない報酬基準の改定、介護保険財政による医療的サービス費用負担の増加、介護労働者の低賃金等を要因とする人手不足などが進み、利用者にとっても事業者にとっても分かりにくく、使いづらい制度になっている。
このような状況の中、平成三十年度において、在宅の要介護高齢者の生活の質を大きく左右する「生活援助」について定める「指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準」の改正が予定されていることから、次のとおり質問する。
一 前記基準の改正では、介護支援専門員(以下「ケアマネジャー」という。)が訪問介護の「生活援助」の提供回数が全国の平均利用回数より二標準偏差以上多い介護サービス計画(以下「ケアプラン」という。)を作成する場合には、そのケアプランを事前に市町村へ届け出るものとする(以下「ケアプランの事前届出」という。)とともに、市町村は届出のあったケアプランを検証し、必要に応じ、ケアマネジャーに対してサービス内容の是正を促す(以下「サービス内容の是正指導」という。)こととしている。
1 ケアプランの事前届出の目的は何か。
2 仮に、ケアプランの事前届出が、「生活援助」の提供回数が全国の平均利用回数から大きく離れたケアプランについては市町村が点検する必要があるため行われるのであれば、必要なサービスが提供されていない可能性がある、「生活援助」の提供回数が少ないケアプランについても市町村が点検できるよう、事前に届け出るものとする必要があるのではないか。
3 厚生労働省の指導により市町村が従前から行っているケアプラン点検事業と、ケアプランの事前届出及びサービス内容の是正指導との関係を明確に示されたい。
4 ケアプランの事前届出は行政指導であり、仮にケアプランの事前届出を行わなかったとしても、そのことを理由とした指定事業者への指導や指定取り消しなどの不利益な取り扱いは、行政手続法第三十二条第二項(又は同項の規定と同趣旨の内容を定める各自治体の行政手続条例の規定)により許されないものと理解するが、そのような理解で間違いないか。
5 サービス内容の是正指導は、どのような場合に、どのように行うのか明確にされたい。
6 ケアプランは、介護保険法上の居宅サービスの給付としてケアマネジャーにより作成されている。個別の給付内容をケアマネジャーに直接指導することは市町村(保険者)の権限には含まれないと考えるが、市町村がサービス内容の是正指導を行う法的根拠を明らかにされたい。また、サービス内容の是正指導により変更されたケアプランの内容が介護サービスの利用者が望まないものであったとしても従わなければならないのか、サービス内容の是正指導と介護サービス利用者の権利との法的関係について明らかにされたい。
7 仮に、ケアプラン点検事業による指導やサービス内容の是正指導に従いケアプランが変更された結果、そのケアプランに基づく介護サービスを受けた利用者に体調悪化などの居宅生活における不利益が生じた場合、不利益が生じたことに対する責任は誰が負うことになるのか、明確にされたい。
二 訪問介護の「生活援助」は、高齢者の自立を支えるために重要なサービスであり、「生活援助」の利用が制限されれば、その分は家族が世話せざるを得なくなる。これは、「介護の社会化」という介護保険制度の趣旨に反するだけでなく、政府が主張する「介護離職ゼロ」の実現の障害にもなると考えるが、いかがか。
右質問する。
政府答弁書
一の1について
御指摘の「ケアプランの事前届出」は、生活援助中心型指定訪問介護(指定居宅サービスに要する費用の額の算定に関する基準(平成十二年厚生省告示第十九号)別表指定居宅サービス介護給付費単位数表の1の訪問介護費の注3に定める生活援助が中心である指定訪問介護をいう。以下同じ。)について、利用者の自立支援及び要介護状態の重度化防止、地域資源の有効活用等の観点から、通常の介護保険法(平成九年法律第百二十三号。以下「法」という。)第八条第二十四項に規定する居宅サービス計画(以下「ケアプラン」という。)に定められる回数からかけ離れた回数の生活援助中心型指定訪問介護が定められたケアプランを市町村(特別区を含む。以下同じ。)に届け出ることを義務付け、当該ケアプランについて、市町村が地域ケア会議等において検証を行い、必要に応じて、ケアプランの内容の是正を促すことを目的としている。
一の2について
生活援助中心型指定訪問介護については、必要以上のサービス提供を招きやすい構造的な課題があるという指摘がある一方で、利用者の様々な事情により、その利用回数の多いことが必ずしも不適切とは限らないことを踏まえ、通常のケアプランに定められる回数からかけ離れた回数の生活援助中心型指定訪問介護が定められたケアプランを届出の対象とすることとしている。
一の3について
御指摘の「ケアプラン点検事業」の意味するところが必ずしも明らかではないが、市町村は、法第百十五条の四十五第二項第三号の規定により、ケアプランの検証その他の取組を通じ、被保険者が地域において自立した日常生活を営むことができるよう、包括的かつ継続的な支援を行う事業を行うものとされているところ、御指摘の「ケアプランの事前届出」により市町村に届け出られたケアプランについては、当該検証等の対象となるものである。
一の4について
御指摘の「ケアプランの事前届出」は、指定居宅サービス等の事業の人員、設備及び運営に関する基準等の一部を改正する省令(平成三十年厚生労働省令第四号)第二条の規定による改正後の指定居宅介護支援等の事業の人員及び運営に関する基準(平成十一年厚生省令第三十八号。以下「新基準省令」という。)第十三条第十八号の二の規定による基準に従い市町村が定める条例に基づく義務であり、市町村長(特別区にあっては、区長)は、指定居宅介護支援事業所(新基準省令第二条第一項に規定する指定居宅介護支援事業所をいう。)に置かれる介護支援専門員が当該義務に違反したと認める場合は、法第八十三条の二又は第八十四条の規定により、指定居宅介護支援事業者(法第四十六条第一項に規定する指定居宅介護支援事業者をいう。)に対する勧告、命令又は指定の取消し等を行うことができることとされている。
一の5について
市町村は、利用者の自立支援及び要介護状態の重度化防止の観点から、より良いケアプランとするため、地域ケア会議等において検証を行い、ケアプランの内容の見直しが必要と判断した場合に是正を促すものである。
なお、新基準省令第十三条第十八号の二の規定は、平成三十年十月一日から施行することとしており、厚生労働省においては、同日までの間に、市町村がケアプランの検証を適切に行うことができるよう、市町村向けのマニュアルを作成し、周知することとしている。
一の6について
市町村は、法第百十五条の四十五第二項第三号の規定により、ケアプランの検証その他の取組を通じ、被保険者が地域において自立した日常生活を営むことができるよう、包括的かつ継続的な支援を行う事業を行うものとされている。
また、当該検証等を踏まえたケアプランの変更を行う場合には、介護支援専門員は、新基準省令第十三条第十六号において準用する同条第十号の規定による基準に従い市町村が定める条例により利用者の同意を得る必要があり、介護支援専門員は、利用者又はその家族に対し是正の趣旨等について十分な説明を行う必要がある。
一の7及び二について
御指摘の「ケアプラン点検事業」及び「不利益が生じたことに対する責任」の意味するところが必ずしも明らかではないが、御指摘の「サービス内容の是正指導」は、通常のケアプランに定められる回数からかけ離れた回数の生活援助中心型指定訪問介護が定められたケアプランについて、多職種による幅広い視点で検証し、利用者の自立支援及び要介護状態の重度化防止の観点からより良いケアプランを提案するものであり、例えば、一定の回数を超える場合に一律に生活援助中心型指定訪問介護の利用を制限するといったものではないことから、「介護保険制度の趣旨に反する」等の御指摘は当たらない。
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件名と質問本文の冒頭の意味が近いものを、前もって計算しておいた表から近い順に8件並べました(multilingual-e5-large)。同じ言葉を使っていなくても出ます。論点が少しずれていることもあります。