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草津白根山の噴火の警戒体制に関する質問主意書

衆議院 第196回 第27号

提出者
立憲民主党・市民クラブ
提出日
2018年1月25日
内閣転送 2018年1月29日
答弁書受領日
2018年2月2日
提出から8日
答弁の項目数
8
質問 1,818字/答弁 870字

質問本文

平成三十年一月二十三日に群馬・長野県境の草津白根山の本白根山の山頂付近で噴火(「本噴火」という。)が起こった。火口は、従来、関係機関が警戒を強めていた白根山の「湯釜」ではなく、気象庁が三千年間も噴火していないとみている二キロ南の「鏡池」付近だったと考えられている。火山活動の高まりを示す事前の現象もなく、噴火直前の噴火警戒レベルは五段階で最も低い一(活火山であることに留意)としていた。

戦後最大の火山災害となった平成二十六年九月の御嶽山の噴火を契機に、「噴火速報」が導入されていたものの、本噴火に関して、発表は行われなかった。

本噴火を受け、記者会見した気象庁火山課長は、「噴火の前に火山活動の高まりを示すような観測データは見られなかった」と述べた。気象庁は、草津白根山と呼称される山域のうち、「湯釜」という白根山の山頂火口付近の浅い場所で地震活動が高まるなどした場合、住民らに発表する噴火警戒レベルを一から二(火口周辺規制)に引き上げるという基準を設けていたと承知しているが、このレベルを上げる根拠とするような変化はなかったとされる。火山課長は、「噴火前に警報のレベルを上げて被害を未然に防ぐという努力はしていきたいが、今回の観測データでは困難だった」とも述べた。

これらを踏まえて、以下質問する。

一 本噴火は、水蒸気噴火であるという認識でよいか。

二 本噴火の前に、「火山活動の高まりを示すような観測データは見られなかった」とともに、住民らに発表する噴火警戒レベルを引き上げる根拠となる観測データは得られず、「噴火前に警報のレベルを上げて被害を未然に防ぐという努力はしていきたいが、今回の観測データでは困難だった」との理解でよいか。

三 二に関連して、「今回の観測データでは困難だった」のは、過去の噴火事例の研究から噴火が想定され、重点とされていたのが「湯釜」付近であったため、本噴火の火口周辺にはそもそも観測拠点がなかったという理解でよいか。

四 気象庁火山課長は、「観測された火山性微動が噴火に伴うものか即座に判断できなかった。残念ながら速報が出せなかった」と述べ、気象庁の担当者も「データの蓄積がなく、噴火経験の少ない所だから難しかった。遠くから目視で噴煙なども確認できなかったので、噴火したかどうか判断が難しい状態のまま速報は出せない」と述べたことが報じられているが、観測拠点を増やすことも予算の都合上、容易ではないと思われる。今後、政府は、過去数千年の単位で噴火を起こしていないものの、噴火が生じる可能性が排除されない山域についてはどのような対処を行うべきと考えているのか。政府の見解如何。

五 噴火速報の対象は、日本全国の活火山百十一のうち、特に警戒が必要な「常時観測」火山五十であり、草津白根山もその一つと承知している。気象庁などは、地震計、マグマの上昇を山の膨張などから調べる傾斜計、噴火に伴う爆発の規模を調べる空振計、監視カメラなどを設置し、観測網を設置していると承知しているが、それにともなう政府機関の運営予算は年額どの程度か。

六 本噴火による当該山域での火山活動の活発化は、数年〜十数年の期間継続するものと思われる。今後、本噴火の生じた「鏡池」がある本白根山を監視するためのカメラを設置するなど、監視体制を強化する必要があると思われるが、政府の見解如何。

七 本白根山の山頂周辺にも大小十五以上の火口があり、過去に繰り返し噴火したことが知られている。気象庁は本白根山の前回の噴火は三千年以上前としているが、石崎泰男・富山大准教授(火山地質学)らはもっと新しい千五百〜千二百年前の痕跡を確認したと報じられている。本白根山での前回の噴火は、いつくらいであったと推定しているのか。政府の見解如何。

八 一月二十三日に、群馬県草津町の黒岩信忠町長は草津町役場で記者会見し、「白根山は気象庁や学者と協議して万全の態勢をとってきたが、本白根山については警戒するようにという声は一切なかった。なんでだろうという思いだ」と述べ、想定外だったことを示唆した。また、「予知は難しいと再認識した」と述べている。今後も本白根山付近での活発な火山活動は数年〜十数年の期間は継続すると考えられ、適切に噴火速報の発表を行う体制を整備すべきと思われる。政府は具体的にどのように取り組むべきと考えているのか。政府の見解如何。

右質問する。

衆議院の原文・経過

政府答弁書

一について

平成三十年一月二十三日の草津白根山の噴火による噴出物を調査した結果、水蒸気噴火である可能性が高いと考えられる。

二について

平成三十年一月二十三日に、気象庁地震火山部火山課長が、記者会見において、「今回の噴火については噴火前に火山活動の高まりを示す観測データがなかった」及び「噴火前に警報を発表し被害を抑えるため努力はしているところであるが、今回の観測データでは非常に困難であったと考えている」と述べているとおりである。

三について

活火山としての草津白根山は、白根山、本白根山等の火山の総称であり、これまで、気象庁及び研究機関等においては、噴火の可能性が最も高い白根山の湯釜周辺を中心に、火山全体を監視できるよう観測体制を整備してきたところである。

四について

平成三十年一月二十三日の草津白根山の噴火への対応における課題について、専門家等から意見を聴取し、検証を行った上で、全国の火山の警戒・監視体制の充実・強化を図ってまいりたい。

五について

気象庁及び研究機関等において、全国の活火山の観測体制を整備している。そのうち、同庁において全国の活火山の活動を観測・監視し、適時的確に噴火警報等の防災情報を発表するための機器の整備及び運用に係る平成二十九年度の予算は、約十五億千三百万円である。

六について

平成三十年一月二十三日の草津白根山の噴火を受け、気象庁等において、本白根山付近の監視強化のため、新たに監視カメラ、地震計及び空振計を設置したところである。

七について

御指摘の研究成果が出されていることは承知しているが、気象庁が、有識者、関係府省庁等により構成される「火山噴火予知連絡会」の協力を得て、平成二十五年三月に発行した「日本活火山総覧(第四版)」によると、本白根山における前回の噴火は約三千年前とされているところである。

八について

噴火速報は、登山中の方々及び周辺の居住者に、噴火の事実を端的かつ迅速に伝達することを目的に発表されているものであり、その目的にかなうよう、より一層適切な運用に努めてまいりたい。

衆議院の原文

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