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奨学金制度拡充に関する質問主意書
衆議院 第196回 第299号お答えすることは困難 ×1
質問本文
政府は、意欲と能力のある学生・生徒が、経済的理由により進学を断念することがないよう、安心して学ぶことができる環境を整備するために、大学等奨学金事業の充実を図る施策として、平成三十年度予算において一、給付型奨学金制度の着実な実施、二、無利子奨学金の希望者全員に対する貸与の着実な実施、三、所得連動返還型奨学金制度を着実に実施するためのシステム開発等、を掲げている。
さらに新しい経済政策パッケージによる消費税増税を財源とした高等教育無償化政策が検討されているが、現実には大学等の学費が高騰し、親の経済格差による子の教育格差が拡大している。喫緊の課題である奨学金制度の拡充について、以下、質問する。
一 平成三十年度より本格導入された給付型奨学金制度は、非課税世帯で、一定の学力・資質要件を満たす学生を高校等が推薦する制度であるが、一学年当たり二万人という極めて限られた枠のために、支援を受けるべき生徒同士を比較し、選別しなければならない制度となっている。本年一月段階で推薦基準を作れない高校が約一割存在していた事実は、教育を保障する制度としての事業規模に達していないことを証明している。平成二十年に給付型奨学金制度を創設した韓国では、現在約百二十六万人、三十九%の学生が受給する制度に拡大している。韓国より十年遅れで本格導入された給付型奨学金を今後どのように拡大し、我が国の奨学金制度の基盤としていくのか回答されたい。
二 無利子奨学金の拡充について平成二十九年度より低所得世帯の子供に係る成績基準の実質的撤廃と残存適格者の解消という方針の下で、これまで政府貸付金と返還金のみを財源としてきた無利子奨学金に、財政融資資金を活用した利子補給方式による対応が取られることになった。現下の超低金利政策の中で、奨学金事業における利子補給負担に係る予算が極めて少額化していることから、この利子補給方式を活用し、有利子奨学金の無利子化を検討すべきと考えるが、政府の見解を回答されたい。
三 平成二十九年度から導入した「新たな所得連動返還型奨学金制度」について、貸与終了者からの返還が平成三十一年度より本格的に開始される。所得に応じた月の返還額が柔軟に設定されることで、低所得者の返還の負担が軽減されることが期待されている。しかし、この制度には諸外国の同様の制度にある根本的な二つの制度がないことが、検討段階から指摘されてきた。一つは一定の所得に達するまでは返還を免除する閾値の設定であり、もう一つは一定の返還期間を過ぎた債権の返還免除制度である。この制度がないために我が国の制度では所得がないものでも返還義務が発生し、低所得者の返還期間が長期化することが予想される。無利子貸与で大学四年間月五万四千円(私立自宅生)貸与の場合、返還総額二百五十九万二千円を年収百四十四万円以下の最低月額二千円ずつで返還した場合、返還完了までに百八年かかる計算となる。本格的な返還が開始される前に、このような制度上の欠陥を改めるべきと考えるが、政府の見解を回答されたい。
右質問する。
政府答弁書
一について
給付型奨学金制度については、平成三十一年十月に予定されている消費税率十パーセントへの引上げを前提として、平成三十二年四月から、学生生活を送るために必要な生活費であって他の学生との公平性の観点も踏まえ社会通念上相当と認められるものが賄えるよう支給額を大幅に増やすとともに、真に支援が必要な住民税非課税世帯の意欲ある子供たちに支給することとしているほか、住民税非課税世帯に準ずる世帯の子供たちについても、住民税非課税世帯の子供たちに対する支援措置に準じた支援を段階的に行うこととしている。
二について
お尋ねの「利子補給方式を活用し」た「有利子奨学金の無利子化」については、将来的に金利が上昇した場合には国の財政支出が増加する等の課題があることから、その導入を新たに検討することは考えていない。
三について
平成二十九年四月から導入された所得連動返還方式(以下「本方式」という。)は、文部科学省の「所得連動返還型奨学金制度有識者会議」において平成二十八年九月に取りまとめられた「新たな所得連動返還型奨学金制度の創設について(審議まとめ)」(以下「審議まとめ」という。)を踏まえて設けられたものである。本方式については、審議まとめの「四.新たな所得連動返還型奨学金制度の設計」の「(五)所得に応じた返還額の設定及び返還を開始する所得額」において「年収三百万円から返還開始する条件では、所得にかかわらず最低二千円を返還する条件と比較して、回収額が著しく低減(約千二百億円)することが予測された。・・・返還金により次の世代の学生等への貸与が行われているという奨学金制度全体を維持する観点から、新制度では所得にかかわらず返還を行うこととすることが適当である。」との指摘がなされたこと等を踏まえ、お尋ねの「一定の所得に達するまでは返還を免除する閾値の設定」は行っていないところであり、また、審議まとめの「四.新たな所得連動返還型奨学金制度の設計」の「(九)返還期間」において「返還期間については、・・・返還完了又は返還不能となるまでとした場合の方が、・・・三十五年間又は・・・六十五歳まででその後の返還を免除するとした場合と比較して、回収額が多く確保されることが予測された。現行制度においても、年限や年齢によって返還途中で返還を免除する仕組みは設けられておらず、返還免除を行うためには法律改正が必要となることから、平成二十九年度からの導入は困難である。このため、新所得連動返還型奨学金制度においても、現行と同様に、返還期間は返還完了まで又は本人が死亡又は障害等により返還不能となるまでとすることが適当である。」との指摘がなされたこと等を踏まえ、お尋ねの「一定の返還期間を過ぎた債権の返還免除制度」を設けていないところであって、御指摘のような「制度上の欠陥」があるものとは認識していない。
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件名と質問本文の冒頭の意味が近いものを、前もって計算しておいた表から近い順に8件並べました(multilingual-e5-large)。同じ言葉を使っていなくても出ます。論点が少しずれていることもあります。