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資金決済法でいうみなし仮想通貨交換業者に関する質問主意書
衆議院 第196回 第60号
質問本文
平成二十九年四月、資金決済に関する法律(「資金決済法」という。)に新設された仮想通貨取引に関する部分が施行され、わが国は世界で初めて仮想通貨取引所を登録制にし、利用者の保護体制や分別管理体制などが適切であれば、業者として登録し監督する体制がはじまった。
資金決済法では、経過措置として、この施行以前に仮想通貨業者として営業し、同年九月末までに申請をすることで、登録業者と同じ条件で営業できる「みなし仮想通貨交換業者」を容認している。
一月二十六日、仮想通貨の取引所「コインチェック」から五百八十億円相当の仮想通貨「NEM」が流出した事件が発覚した。コインチェックはこのみなし仮想通貨交換業者に位置付けられている。事件後にコインチェックの和田晃一良社長は記者会見で、本来はオフラインの「コールドウォレット」でNEMを管理すべきところ対応が遅れていた、取引にはマルチシグと呼ばれる複数の取引コードを用いることなどを怠った、セキュリティーに不備があったと認めており、コインチェックのシステム管理体制が疑問視されている。
このようなみなし仮想通貨交換業者の制度は、仮想通貨取引が莫大な規模の市場に成長しているにもかかわらず、仮想通貨交換業者の自主性に期待した不十分な制度であると言わざるを得ず、消費者保護に欠けるとともに、金融市場の信頼性を損ないかねない。
このような観点から、以下質問する。
一 コインチェックからのNEMの流出により、約二十六万人の投資家が影響を受けたとされるが、現行の法令上、コインチェックには自社が「みなし仮想通貨交換業者」であると告知する義務もないという理解でよいか。
二 コインチェックは有名タレントなどを活用したCMで顧客を集めていたが、現行の法令上、「みなし仮想通貨交換業者」に、広告の禁止や自粛の規定はないという理解でよいか。
三 資金決済法でいう「みなし仮想通貨交換業者」であることに期限はあるのか。ないとすれば、期限の定めなく、その間、特段の制約なく仮想通貨交換業者として営業を行えるという理解でよいか。
四 資金決済法でいう「みなし仮想通貨交換業者」としてこれまで何社が該当し、それらの登録までの平均期間、最短期間、最長期間はどの程度か。
五 コインチェックのシステム管理体制の脆弱さは各種報道で明らかになってきているが、「みなし仮想通貨交換業者」であることの期間を限定すること、さらには自社が「みなし仮想通貨交換業者」であることを投資家に告知する義務を課していれば、今回の不正アクセスによるNEMの流出による被害が限定されていたと考えられる。仮想通貨の登録業者が厳しい審査を受け、高い水準のセキュリティーの維持、人材投資をしているのに、コインチェックのような「みなし仮想通貨交換業者」が投資を怠り、タレントを活用したCMで業界トップの取引高を誇っていたことは異常事態といえる。資金決済法でいう「みなし仮想通貨交換業者」の運用を見直すべきではないか。政府の見解如何。
右質問する。
政府答弁書
一について
お尋ねの「「みなし仮想通貨交換業者」であると告知する義務」については、資金決済に関する法律(平成二十一年法律第五十九号)には、当該義務を定めた規定はない。
なお、金融庁では、仮想通貨交換業者を利用する際は、登録を受けた事業者かどうか、金融庁又は財務局のホームページで確認するよう利用者に対して注意喚起を行うとともに、登録を受けた仮想通貨交換業者の一覧を金融庁及び財務局のホームページに掲載しているところである。さらに、「みなし仮想通貨交換業者」についても金融庁のホームページに掲載しているところである。
二について
お尋ねの「みなし仮想通貨交換業者」に関する広告の禁止や自粛の規定について、資金決済に関する法律には、御指摘の広告に係る規定はない。
なお、金融庁では、仮想通貨交換業に係る業界団体である日本仮想通貨事業者協会及び日本ブロックチェーン協会に対して、広告の取扱いに係る自主ルールの策定を継続的に促してきている。
これを受け、両協会では、平成三十年一月二十九日に、広告の取扱いについて、傘下会員に通知しているところである。
三について
お尋ねの「みなし仮想通貨交換業者」について、情報通信技術の進展等の環境変化に対応するための銀行法等の一部を改正する法律(平成二十八年法律第六十二号。以下「改正法」という。)附則第八条第一項において、改正法施行の際現に仮想通貨交換業を行っている者は、改正法施行後六月間の内に登録の申請をした場合には、登録又は登録の拒否の処分等があるまでの間、仮想通貨交換業を行うことができる旨規定されている。
なお、「みなし仮想通貨交換業者」に対しては、改正法附則第八条第二項に基づき、資金決済に関する法律における仮想通貨交換業に係る規定が適用され、仮想通貨交換業者と同様、システムの安全管理や利用者財産の分別管理といった業務運営態勢の整備などを求めている。
四について
お尋ねの「みなし仮想通貨交換業者」について、改正法の施行の日(平成二十九年四月一日)時点で、「みなし仮想通貨交換業者」に該当していた者(改正法施行後六月間の内に登録の申請をした者に限る。)は、二十八社である。そのうち、登録済の十二社について、改正法の施行の日から登録までの平均期間、最短期間及び最長期間は、それぞれ約百九十九日、百八十一日及び二百六十九日である。
五について
お尋ねの「「みなし仮想通貨交換業者」の運用」について、金融庁においては、「みなし仮想通貨交換業者」に係る登録審査に当たって、書面審査にとどまらず、システムの安全性の検証など、仮想通貨交換業を適正かつ確実に遂行する体制等が整備されているか審査を実施しているところである。
また、一について及び二についてでお答えしたとおり、登録を受けた事業者かどうか確認するよう利用者に対して注意喚起を行うとともに、仮想通貨交換業に係る業界団体に対して、広告の取扱いに係る自主ルールの策定を継続的に促してきている。
金融庁においては、今般の事案に係る原因究明や実態把握の結果を踏まえ、「みなし仮想通貨交換業者」について、引き続き、適切に対応してまいりたいと考えている。
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