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これまでの政府の政策スタンスと金融審議会市場ワーキング・グループ報告書「高齢社会における資産形成・管理」との関係等に関する質問主意書

衆議院 第198回 第228号

提出者
国民民主党・無所属クラブ
提出日
2019年6月14日
内閣転送 2019年6月19日
答弁書受領日
2019年6月25日
提出から11日
答弁の項目数
5
質問 1,284字/答弁 1,193字

質問本文

金融庁は、二〇一九年六月三日に、金融審議会市場ワーキング・グループ報告書「高齢社会における資産形成・管理」(以下、報告書という。)を公表しました。この報告書について、麻生副総理兼財務大臣兼内閣府特命担当大臣(以下、麻生大臣という。)は、六月四日の記者会見では、「きちんとしたものを今のうちから考えておかないといけないのですよという話を頭に入れておかれる必要があるのじゃないのか。それの手伝いをする金融機関というものもそれなりの対応や設計をしてやるというようなことを考えるのが、金融庁としての、そういったこともしてやらないと駄目ですよということを言っておいた方がいいというのが基本的な考え方。年金の話は厚生労働省の話であって金融庁の話ではありませんから、年金は年金、今のままできちんといろいろやっておられるのでしょうから、年金は年金で、プラスいろいろなことを考えなければいけないという話です。」と発言されました。一方、六月十一日の記者会見では、この報告書について、「これまでの政府の政策スタンスとも異なっている」と述べ、「正式な報告書として受け取らないと決定をした」と発言しています。

そこで以下の通り、質問します。

一 六月十一日の記者会見での麻生大臣の、「これまでの政府の政策スタンスとも異なっている」という発言について、「これまでの政府の政策スタンス」の内容を示して下さい。また、その内容と、この報告書のどの部分が、どのように異なっているのかについて、報告書の該当箇所を明示した上で、示して下さい。

二 「正式な報告書として受け取らないと決定をした」とのことですが、この決定により、この報告書の内容の全てを、一切、政策に反映することはありませんか。また、報告書の作成にあたり、貴重な時間を割いて議論に参加した有識者に、六月十一日の記者会見以降、「正式な報告書として受け取らないと決定をした」ことについて、政府から説明や謝罪を行いましたか。

三 麻生大臣は、この報告書が取りまとめられたことを踏まえ、六月四日の記者会見で、「金融庁としての、そういったこともしてやらないと駄目ですよということを言っておいた方がいいというのが基本的な考え方」と発言していますが、この「基本的な考え方」の内容を説明して下さい。

四 六月四日の記者会見で麻生大臣が言及した「基本的な考え方」は、この報告書の内容と異なっていますか。異なっているのであれば、どの部分が異なっているのか示して下さい。

五 六月四日の記者会見での麻生大臣の発言は、この報告書の内容に理解を示し、金融庁が取りまとめた報告書として認識していると考えられますが、六月十一日の記者会見では、「正式な報告書として受け取らないと決定した」と発言しており、矛盾することになります。この報告書に対する認識は、いつ変わったのですか。また、認識を変えた理由は、六月四日には、「金融庁の考え方」を誤解していたからですか、それともこの報告書の内容を誤解していたからですか。もしくは、世論の反応を踏まえ、認識を変えたのですか。

右質問する。

衆議院の原文・経過

政府答弁書

一について

お尋ねの「これまでの政府の政策スタンス」とは、公的年金は老後の生活をある程度賄うものであるというこれまでの政府の立場のことであるが、他方、御指摘の報告書においては、十ページに「高齢夫婦無職世帯の平均的な姿で見ると、毎月の赤字額は約五万円となっている」との記述が、二十一ページに「夫六十五歳以上、妻六十歳以上の夫婦のみの無職の世帯では毎月の不足額の平均は約五万円であり、まだ二十〜三十年の人生があるとすれば、不足額の総額は単純計算で千三百万円〜二千万円になる」との記述があり、総務省の家計調査年報(家計収支編)平成二十九年(二千十七年)における高齢夫婦無職世帯の実収入の月平均額と実支出の月平均額との差に基づき、あたかも、公的年金中心の生活では、生活費が月五万円足りず、老後三十年では二千万円足りないかのように述べられているところが、これまでの政府の政策スタンスと異なるところである。

二について

御指摘の報告書については、世間に著しい誤解や不安を与え、これまでの政府の政策スタンスとも異なることから、政府としては、正式な報告書としては、受け取らないということを決定し、今後の政策遂行の参考とはしないとしたところである。

また、ワーキング・グループ事務局を務める金融庁においては、御指摘の「六月十一日の記者会見」の後、ワーキング・グループの委員に対し、正式な報告書としては受け取らないことを決定したことを報告し、こうした状況に至ったことについてお詫びを行ったところである。

三について

お尋ねの「六月四日の記者会見」における「基本的な考え方」とは、高齢社会においては、個々人がしっかりと自らの人生設計を考え、金融サービス提供者はその手伝いをしていくということを考えながら行動していかなければならないのではないかという老後の資産形成についての麻生国務大臣の考え方のことである。

四について

御指摘の報告書については、その本来の趣旨は、三についてで述べた基本的な考え方と異なるものではないが、一についてで述べた記述により、世間に著しい誤解や不安を与え、これまでの政府の政策スタンスとも異なることから、政府としては、正式な報告書としては、受け取らないということを決定し、今後の政策遂行の参考とはしないとしたところである。

五について

御指摘の六月四日の記者会見での麻生国務大臣の発言については、三についてで述べたとおりであり、御指摘の六月十一日の記者会見での同大臣の発言については、御指摘の報告書が世間に著しい誤解や不安を与え、これまでの政府の政策スタンスとも異なることから、政府としては、正式な報告書としては、これを受け取らないということを決定し、今後の政策遂行の参考とはしない旨を述べたものであり、それぞれの発言の意図は異なるため、これらの発言が矛盾するとの御指摘は当たらない。

衆議院の原文

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