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新型コロナウイルスに関するインフォデミックの現状に関する質問主意書

衆議院 第201回 第157号お答えすることは困難 ×2趣旨が明らかではない ×1

提出者
立憲民主・国民・社保・無所属フォーラム
提出日
2020年4月3日
内閣転送 2020年4月8日
答弁書受領日
2020年4月14日
提出から11日
答弁の項目数
4
質問 2,486字/答弁 1,673字

質問本文

新型コロナウイルスを巡り、インターネット上には毎日のように不安を煽る情報や医学的に根拠のない対処法、信頼性を測りかねる陰謀論、政府配信とされる真偽不明な情報などが書き込まれている現状がある。

世界保健機関(WHO)はこの状況を「インフォデミック(ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)やウェブサイト(WEB)での情報の「大流行」)」と名付け、信頼できる情報源や情報を見つけることが困難になっていると警告している。インフォデミックに関して、以下質問する。

一 まず政府は、日本におけるインフォデミックの発生状況をどのように考察されているのか、見解を伺いたい。

二 新型コロナウイルスの感染が広がる中で、政府が二〇二〇年四月一日近辺に緊急事態宣言などに踏み切るとの臆測がインターネットを中心に広がった。安倍晋三内閣総理大臣は「そんなことは全くない。デマやフェイクニュースに気を付けなければならない」と事実関係を否定したと報道されているが、そもそも何故こうした情報が流れたと考察されているのか、政府の見解を伺いたい。

三 インフォデミックが起こる状況は、根本をただせば、政府の日頃からの情報発信に大きな問題があることを示している。

例えば中国においては、政府がきちんとした情報を公開せずに普段から情報を徹底的に管理・検閲していることが政府発信情報の信頼性を損ねている。日本においても、政府が今まで様々な事象に対して、隠蔽、改竄、捏造を繰り返してきた結果、国民が政府の情報を信頼できなくなっていることがインフォデミック発生の大きな原因の一つであると考えている。

二〇二〇年四月二日に報じられた日本経済新聞の記事によれば、新型コロナウイルスの感染拡大が続く中、日本が検査(PCR検査)で後れをとっており、百万人あたりの検査数はドイツの十七分の一となっている。また英オックスフォード大学の研究者らでつくるグループが三月二十日までの各国の検査件数をまとめたところ、人口百万人あたりでは、韓国やオーストラリア、ドイツなどが多く、ドイツは二千二十三人(三月十五日時点)と日本の百十七人(三月十九日時点)を大きく上回った。安倍晋三内閣総理大臣は三月中に国内の検査能力を一日あたり八千件に高める考えを示していたが、実際の検査数は一日二千件を超えることはなく、三月二十九日時点で合計五万四千件である。一方、ドイツは三月十五日時点で十六万七千件に達している。

このように、内閣総理大臣や政府が発信する力強い言葉と実態が乖離している不透明な現状に国民は不安となっている。新型コロナウイルスの対応について、結果として初動が遅く、その後の対応も後手に回り、場当たり的であったことが、残念ながら国民の不安に拍車をかけ、インフォデミックが発生する土壌が醸成されているのだと考える。

今、政府が行わなければならないことは、保身のために情報を誇張したり、矮小化したりすることではなく、専門機関や専門家からの信頼できる情報源からリスクのある人々にリアルタイムで情報が流れるように仕組みを整えることである。こうした観点から、新型コロナウイルス感染状況の実態を正確につかみ、きちんとした対応策を打ち出すには、検査の拡充と結果の公表、並びに症状の軽重に応じた医療体制の構築や正しい情報の発信を行うことが急務であると考えるが如何か。政府の見解を伺いたい。

四 政府は「新型コロナウイルス政府お役立ち情報」サイトを立ち上げたが、国民が必要とする情報がまだまだ足りていない。

その一方で、台湾ではオードリー・タンデジタル担当大臣のリーダーシップで、マスク不足の混乱を回避するために在庫マップを公開し、国民が安心してマスクを確保している現状が世界的に話題になった。

日本においても日用品や食料品などが不足するとの情報が広がっており、多くの国民が日用品等の入手が困難になるのではないかとの疑念を持っているので、流通状況データを、客観的に可視化し、情報発信する仕組みを実装することが必要であると考えるが如何か。政府の見解を伺いたい。

五 Google、Facebook、Twitter、YouTubeなどは、WHOやCDC(米疾病対策センター)と協力し、新型コロナウイルスに関する情報において、「漂白剤を飲めば新型コロナウイルスによる肺炎の治療になる。」といった明らかなフェイク情報などを上位に表示しないように設定したり、削除したりしているとのことだが、日本政府においても、各種メディアやSNS運営会社とこうしたコミュニケーションを取っているのか。取っているとすればどのような対策が講じられているのか。

六 人々が新型コロナウイルスのニュースに触れた際、一般的には「怖くて不安という感情による判断」と「様々な情報を集めた時に行われる知性による判断」がなされると想定するが、人々の不安が増大し、感情と知性のバランスが崩れた状況に陥った時には、専門知が軽視され、本来必要な情報が物理的にも心理的にも国民に届きにくくなる現状があると懸念する。

MIT(マサチューセッツ工科大学)メディアラボでは、「真実のニュースよりもフェイクニュースの方が早く拡散される」という趣旨の研究を発表しており、真実ではない発言の方が恐怖感や不快感などの感情を強力に刺激する可能性がある。

こうした状況下において、情報の受発信を行う者の心得として、真偽不明な情報が出回っているという事実認識を持ち、根拠のわからない情報をファクトチェックするといったことが求められると考える。

欧州連合(EU)では独立したファクトチェックを行う者を支援することやメディア・情報リテラシー教育に関わる取組を進めるなど様々な対策が講じられている。日本においても専門家によるファクトチェックを行う第三者機関への支援や、メディア・情報リテラシー教育を進め、インフォデミックが発生する根本を是正するような取組を進めるべきであると考えるが如何か。政府の見解を伺いたい。

右質問する。

衆議院の原文・経過

政府答弁書

一、二及び五について

お尋ねの「インフォデミック」及び「こうしたコミュニケーション」の具体的に意味するところが必ずしも明らかではなく、お答えすることは困難である。また、御指摘のような「臆測」が「インターネットを中心に広がった」理由については、様々な要因が考えられることから、一概にお答えすることは困難である。

いずれにせよ、新型コロナウイルス感染症対策の実施に当たっては、正確な情報の提供が重要と考えており、新型コロナウイルス感染症に関連する情報の発信については、「新型コロナウイルス感染症対策の基本的対処方針」(令和二年三月二十八日新型コロナウイルス感染症対策本部決定、令和二年四月十一日変更。以下「基本的対処方針」という。)において、「政府は、以下のような、国民に対する正確で分かりやすく、かつ状況の変化に即応した情報提供や呼びかけを行い、行動変容に資する啓発を進めるとともに、冷静な対応をお願いする。」、「広報担当官を中心に、官邸のウェブサイトにおいて厚生労働省等の関係省庁のウェブサイトへのリンクを紹介するなどして有機的に連携させ、かつ、ソーシャルネットワーキングサービス(SNS)等の媒体も積極的に活用することで、迅速かつ積極的に国民等への情報発信を行う。」等とされており、これらを踏まえて適切に行っていくこととしている。

三について

お尋ねの「検査の拡充」については、基本的対処方針において、「厚生労働省は、感染が急速に拡大する中で、必要な検査ができるよう、地方衛生研究所や民間の検査機関等の関係機関における検査体制の一層の強化を図る」こととされており、引き続き検査体制の強化に向けて取り組んでまいりたい。また、お尋ねの「結果の公表」については、御指摘の「PCR検査」が実施された人数及び「PCR検査」の結果、陽性が確認された者の人数について、厚生労働省ホームページにおいて公表しているところである。

お尋ねの「症状の軽重に応じた医療体制の構築」については、基本的対処方針において、「患者が増加し重症者等に対する入院医療の提供に支障をきたすおそれがあると判断する都道府県では、厚生労働省に相談の上、重症者等に対する医療提供に重点を移す観点から、入院治療が必要ない軽症者等は自宅療養とし、電話等情報通信機器を用いて遠隔で健康状態を把握していくとともに、医師が必要とした場合には電話等情報通信機器を用いて診療を行う体制を整備すること」等とされており、これらを踏まえて、政府としては、「新型コロナウイルス感染症緊急経済対策」(令和二年四月七日閣議決定)において、重症者への医療に重点を置く医療提供体制を早急に整備するため、「病床の確保や医療機器の整備、呼吸器疾患の専門医・看護師等の確保、ガウン等の医療資材の確保も含め、ヒト・モノ両面からの抜本的強化を図る」こととしている。

また、お尋ねの「正しい情報の発信」については、一、二及び五についてで述べたとおり、適切に取り組むこととしている。

四について

お尋ねの「流通状況データを、客観的に可視化し、情報発信する仕組み」の意味するところが必ずしも明らかではないが、いずれにせよ、新型コロナウイルス感染症対策の実施に当たっては、正確な情報の提供が重要と考えており、御指摘のような「日用品等の入手が困難になるのではないかとの疑念」を国民が抱くこと等がないよう、政府としては、引き続き、関係機関が連携して情報の内容と提供手段の充実を可能な限り図りながら、国民への情報の発信に努めてまいりたい。

六について

総務省が平成三十年十月から令和二年二月までに開催した「プラットフォームサービスに関する研究会」の最終報告書において、「ファクトチェックの活性化のための環境整備を推進していくことが適当である。」、「偽情報の拡散を防ぐためには、利用者が情報を適切に読み取るためのICTリテラシーを身につけることが必要である。」等が提言されている。政府としては、今後、これらの提言を踏まえた取組を進めてまいりたい。

衆議院の原文

この答弁書に出てくる定型句

お答えすることは困難 ×2趣旨が明らかではない ×1

語の一致で数えたものです。答弁の評価ではありません。同じ型の答弁が過去にどれだけあるかは、型を押すと出ます。

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