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温室効果ガスの排出を二〇五〇年までに実質ゼロにする方針に関する質問主意書

衆議院 第203回 第22号趣旨が明らかではない ×3

提出者
立憲民主党・社民・無所属
提出日
2020年11月20日
内閣転送 2020年11月30日
答弁書受領日
2020年12月4日
提出から14日
答弁の項目数
5
質問 1,176字/答弁 1,162字

質問本文

菅義偉首相は十月の所信表明演説で、二〇五〇年までに温室効果ガスの排出を全体としてゼロにすることを目指すと宣言した。こうした方針は、排出の「実質ゼロ」「ネットゼロ」もしくは「カーボンニュートラル」として大きく報じられている。その意味するところは、温室効果ガスの排出量と吸収量を均衡させるということだと理解する。

その上で、以下質問する。

一 政府としては、排出実質ゼロという時の「吸収量」で何を意味しているのか。そもそも自然界においては、森林や海洋などが二酸化炭素を吸収している。そうした吸収をすべて含んで吸収量と考えているのか。それとも排出実質ゼロというのは、新規植林などによって人為的に増やした吸収量の範囲内に排出を抑えることを意味しているのか。

二 パリ協定は第四条で、今世紀後半に温室効果ガスの人為的な排出量と吸収量を均衡させる旨を述べている。これは人為的な排出量と新規植林のような人為的な吸収量を均衡させることを意味しているのか。締約国である日本政府としての認識を示されたい。

三 第一次安倍政権の二〇〇七年五月に安倍晋三首相(当時)は「美しい星へのいざない(クールアース五〇)」として世界全体で温室効果ガスの排出量を二〇五〇年までに半減することを提唱した。そこでは現状の排出量は自然界の吸収量の二倍超なので、半減すれば自然界の吸収量と同等レベルになるとも述べている。

半減させると自然界の吸収量と同等レベルになるという根拠やデータの出典は何だったのかを示されたい。おそらく当時の最新の知見であったIPCC(気候変動に関する政府間パネル)第四次評価報告書などと推察されるが、具体的な数字と共に明らかにされたい。

またこの時に言及した「自然界の吸収量」は海洋や森林を含むすべての吸収量を指しており、人為的な努力の結果かどうかは関係ないと推察されるが、その点も明らかにされたい。

四 十三年前の「美しい星へのいざない」においても排出量を自然界の吸収量と同等のレベルに抑え込む必要性が説かれている。その点では、一見すると当時も「排出実質ゼロ」をうたっていたかのようにも見える。もちろん今回の所信表明の方が大きく踏み込んでいるはずだが、「美しい星へのいざない」と今回の宣言の相違点を、排出量と吸収量という点から説明頂きたい。

五 昨年六月に閣議決定した「パリ協定に基づく成長戦略としての長期戦略」は二〇五〇年までに温室効果ガスの八十パーセント排出削減をうたっている。そのため排出実質ゼロを宣言した今となっては見直しは必至と思われる。

現行の長期戦略には「六年程度を目安としつつ情勢を踏まえて柔軟に検討を加える」と書かれているが、六年も待つことなく見直すと理解してよいか。いつ頃から検討を開始して、いつ頃に改定する予定かも明らかにされたい。

右質問する。

衆議院の原文・経過

政府答弁書

一について

お尋ねの「排出実質ゼロという時の「吸収量」」の意味するところが必ずしも明らかではないが、我が国は、気候変動に関する国際連合枠組条約(平成六年条約第六号)第四条1(a)に基づく我が国における温室効果ガスの排出量及び吸収量に関する目録において、気候変動に関する国際連合枠組条約の京都議定書(平成十七年条約第一号)の第二約束期間の下での同議定書第三条3及び4に関する吸収源活動である新規植林、再植林、森林減少、森林経営等による温室効果ガスの除去量を吸収量としている。

二について

お尋ねの「新規植林のような人為的な吸収量」の意味するところが必ずしも明らかではないが、パリ協定(平成二十八年条約第十六号)第四条1においては、「今世紀後半に温室効果ガスの人為的な発生源による排出量と吸収源による除去量との間の均衡を達成する」ことを規定しており、これは、同協定第二条1(a)に定める長期的な気温に関する目標との関係で、その達成のために必要となる温室効果ガスの排出量の削減に関する目標を示したものであると認識している。

なお、現在の運用として、同協定第十三条7の規定に基づき定期的に提供する「温室効果ガスの人為的な発生源による排出及び吸収源による除去に関する自国の目録に係る報告書」においては、同協定の第一回締約国会合決定十八等に基づき、人の活動に起因する温室効果ガスの吸収源による除去を報告することとなる。

三について

お尋ねの「半減させると自然界の吸収量と同等レベルになるという根拠やデータの出典」については、気候変動に関する政府間パネル第三次評価報告書における、千九百九十年から千九百九十九年までの人為起源の二酸化炭素排出量が年間約六十三億炭素トンであり、海洋及び陸上の二酸化炭素吸収量がそれぞれ年間約十七億炭素トン及び年間約十四億炭素トンである旨の記載である。

四について

お尋ねの「排出量と吸収量という点から説明」の意味するところが必ずしも明らかではないが、御指摘の「美しい星へのいざない」は、世界全体の温室効果ガスの排出量と吸収量との関係について示したものであるのに対して、御指摘の「今回の宣言」は、我が国の温室効果ガスの排出を全体としてゼロにすることを目指す旨を表明したものである。

五について

御指摘の「パリ協定に基づく成長戦略としての長期戦略」の見直しについては、菅内閣総理大臣が、令和二年十月三十日の地球温暖化対策推進本部において、全閣僚に対し、「「成長戦略会議」や「国と地方で検討を行う新たな場」等において議論を重ね、「地球温暖化対策計画」、「エネルギー基本計画」、「パリ協定に基づく長期戦略」の見直しを加速してほしい」旨を指示したところであり、今後、そのスケジュールを含め、検討を進めていく考えである。

衆議院の原文

この答弁書に出てくる定型句

趣旨が明らかではない ×3

語の一致で数えたものです。答弁の評価ではありません。同じ型の答弁が過去にどれだけあるかは、型を押すと出ます。

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