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沖縄振興特定事業推進費等に関する質問主意書
衆議院 第204回 第17号お答えすることは困難 ×2
質問本文
沖縄振興特定事業推進費は、内閣府沖縄担当部局作成のパンフレット(内閣府ホームページに掲載)によれば、「沖縄振興特別推進交付金(ソフト交付金)は、県及び市町村が事業を計画的・継続的に実施するための財源として、客観基準に基づき、毎年度県及び市町村に安定的に配分されるものであるため、多様な地域課題・政策課題への迅速・柔軟な対応が困難なケースもあり得」るとして、「このようなケースに備え、事業を機動的に推進するための財源として、ソフト交付金を補完し、主に、臨機応変な財源捻出が困難な市町村に配分」することをその趣旨・目的としている。
一方、ソフト交付金を含む沖縄振興一括交付金は、沖縄振興特別措置法(平成十四年法律第十四号)の目的である「沖縄の自主性を尊重しつつその総合的かつ計画的な振興を図り、もって沖縄の自立的発展に資するとともに、沖縄の豊かな住民生活の実現に寄与すること」との趣旨を踏まえ、平成二十四年の同法の改正の際、沖縄振興計画の策定主体の国から沖縄県への変更等とあわせて、平成二十四年度に創設された。
この沖縄振興一括交付金は、沖縄振興に資する事業を沖縄県が自主的な選択に基づいて実施できる使途の自由度の高い交付金であり、県の自主性を尊重した沖縄振興策である。
しかしながら、近年の沖縄振興予算においては、予算の総額が四年連続同額であるにもかかわらず、ソフト交付金を含む沖縄振興一括交付金は年々減額され、令和三年度予算においては初めて一千億円を割り込み過去最少額となっている。その一方、県を通さずに国から市町村に直接配分される沖縄振興特定事業推進費は令和元年度の創設以降、約三倍と飛躍的に増額されている。このような状況は「沖縄の自主性を尊重」することを目的とした沖縄振興特別措置法の趣旨に沿うものでないばかりか、日本国憲法第九十二条に定める「地方自治の本旨」をも歪めるものと言わざるを得ない。
ついては、沖縄振興特定事業推進費等に関し、以下の事項について答えられたい。
一 沖縄振興特定事業推進費を令和元年度予算で新たに創設した趣旨・目的及びその根拠法令を示されたい。
二 沖縄振興特定事業推進費について、令和元年度の創設以降の、�@当初予算額、�A補正後予算額を、各年度の別に、総額及び新規事業分・継続事業分の別に示されたい。
また、令和元年度及び令和二年度については、市町村補助金事業・民間補助金事業それぞれの交付決定額を示されたい。なお、市町村補助事業においては市町村別の交付決定額も示されたい。
三 沖縄振興特定事業推進費について、令和元年度の、�@年度内執行額、�A年度内執行率、�B繰越額及び�C繰越率を示されたい。なお、�A及び�Cの率の算出に当たっては、それぞれ�@及び�Bの金額を、沖縄振興特定事業推進費を補正予算にて追加減少等した場合は補正後予算額、その他の場合は当初予算額で除することで求められたい。
また、令和二年度の執行額について、現時点で把握している実績及び見通しについて示されたい。
四 沖縄振興特定事業推進費について、「臨機応変な財源捻出が困難な市町村に配分」するとの趣旨・目的に鑑みれば、継続事業分を予算計上することは、その趣旨・目的と整合性が取れていないと考えるが、政府の見解を示されたい。
五 平成三十年十二月二十一日の沖縄担当大臣記者会見における大臣発言「(沖縄振興特定事業)推進費は沖縄振興特別措置法の理念の下で、ソフト一括交付金を補完するという性格の財源でありまして、いろいろな意味でソフト交付金の果たしてきた役割も大きいとは思うんですが、それだけでは十分に対応できていない事業もある」について、「十分に対応できていない」とは具体的にどのようなことを意味するのか、政府の見解を示されたい。
六 沖縄振興一括交付金は平成二十七年度以降、一貫して減額されているが、その理由を示されたい。
また、沖縄振興一括交付金が減額され続ける一方で、沖縄振興特定事業推進費は令和元年度の創設以降、増額が続いているが、その理由を示されたい。
七 沖縄県を通さずに国から市町村に直接配分される沖縄振興特定事業推進費が増額される一方、県の自主性を最大限尊重した沖縄振興一括交付金が減額されている状況は、「沖縄の自主性を尊重」するとした沖縄振興特別措置法の趣旨に沿っていないと考えるが、政府の見解を示されたい。
右質問する。
政府答弁書
一について
沖縄振興特定事業推進費(沖縄振興特定事業推進費市町村補助金(以下「市町村補助金」という。)及び沖縄振興特定事業推進費民間補助金(以下「民間補助金」という。)をいう。以下同じ。)は、沖縄の直面する課題に迅速、柔軟に対応するための事業等の実施に要する経費に充てるため、国が市町村等(沖縄県内の市町村及び地方自治法(昭和二十二年法律第六十七号)第二百八十四条第二項に規定する一部事務組合のうち、当該市町村のみで構成するものをいう。以下同じ。)及び民間事業者に対して、補助金を交付することにより、沖縄の実情に即した事業の的確かつ効果的な実施を図ることを目的として創設されたものである。
沖縄振興特定事業推進費は、予算に基づくものであり、法令上の根拠はないが、その交付に関しては、補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律(昭和三十年法律第百七十九号)、補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律施行令(昭和三十年政令第二百五十五号)等に定めるところにより行うこととしている。
二について
沖縄振興特定事業推進費について、令和元年度の当初予算額は三十億円、補正後の予算額は三十五億円であり、令和二年度の当初予算額は五十五億円、第三次補正後の予算額は七十億円である。また、今国会に提出している令和三年度予算(以下「当初予算案」という。)においては、八十五億円を計上している。
また、令和元年度においては、当初予算額のうち、新規事業に要する経費は三十億円、継続事業に要する経費は零円であり、補正後の予算額のうち、新規事業に要する経費は三十五億円、継続事業に要する経費は零円である。令和二年度においては、当初予算額のうち、新規事業に要する経費は三十億円、継続事業に要する経費は二十五億円を、第三次補正後の予算額のうち、新規事業に要する経費は四十五億円、継続事業に要する経費は二十五億円をそれぞれ見込んでいる。令和三年度においては、当初予算案の額のうち、新規事業に要する経費は三十億円、継続事業に要する経費は五十五億円をそれぞれ見込んでいる。
市町村補助金について、令和元年度の交付決定額は約三十一億円、令和二年度の交付決定額は令和三年二月一日時点で約三十七億円であり、�@令和元年度及び�A令和二年度における市町村等ごとの額をお示しすると、それぞれ次のとおりである。
那覇市 �@約三億五千七百万円 �A約八億六千百万円
宜野湾市 �@約七千六百万円 �A約二億七千百万円
浦添市 �@約三千七百万円 �Aなし
名護市 �@約千万円 �Aなし
沖縄市 �@約二十二億四千九百万円 �A約十九億三千六百万円
うるま市 �@約三億三千二百万円 �A約二億七千三百万円
国頭村 �@約四百万円 �A約千七百万円
今帰仁村 �@約四百万円 �A約六百万円
恩納村 �@約二百万円 �Aなし
伊江村 �@約百万円 �Aなし
八重瀬町 �@約八百万円 �A約三億四千九百万円
北部広域市町村圏事務組合 �@約五百万円 �A千六百万円
民間補助金について、令和元年度の交付決定額は約三億円、令和二年度の交付決定額は令和三年二月一日時点で約七億円である。
三について
沖縄振興特定事業推進費について、令和元年度における執行額(支出済歳出額をいう。以下同じ。)は約四億円、執行率(執行額を補正後の予算額で除して算出した割合をいう。)は約十二・八パーセント、繰越額(翌年度繰越額をいう。以下同じ。)は約二十九億円、繰越率(繰越額を補正後の予算額で除して算出した割合をいう。)は約八十三・七パーセントである。
令和二年度における執行額については、令和二年九月三十日時点で零円である。また、執行額の見通しについて、現時点において具体的にお答えすることは困難である。
四について
沖縄振興特定事業推進費について継続事業に要する経費を含めて予算を計上することは、事業を複数年度にわたり安定的に実施することを可能とするものであって、一についてで述べた沖縄振興特定事業推進費の目的である事業の的確かつ効果的な実施に資するものであり、御指摘は当たらないと考えている。
五について
お尋ねについて一概にお答えすることは困難であるが、例えば、年度途中に生じた政策課題への迅速な対応が困難なことが挙げられる。
六及び七について
お尋ねの「沖縄振興一括交付金は平成二十七年度以降、一貫して減額されている」理由及び「沖縄振興一括交付金が減額され続ける一方で、沖縄振興特定事業推進費は令和元年度の創設以降、増額が続いている」理由については、沖縄振興特定事業推進費及び沖縄振興交付金における継続事業及び新規事業に要する経費の額の推移等を勘案して、それぞれ所要額を推計し、計上したことによるものであって、いずれも、沖縄振興特別措置法(平成十四年法律第十四号)第一条の規定の趣旨も踏まえ、沖縄振興を推進するために必要な額を計上しているところである。
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