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改正労働契約法と有期雇用契約に関する質問主意書
衆議院 第208回 第54号お答えすることは困難 ×3趣旨が明らかではない ×4承知していない ×1個別の事案 ×2
質問本文
我が国において多くの有期雇用労働者が大量に雇い止めされている問題について、お尋ねする。
一 我が国の労働者の約四割を占める有期雇用契約による非正規労働者の雇用安定化を目的として、「労働契約法の一部を改正する法律」が平成二十四年八月十日に公布された。有期労働契約が反復更新されて通算五年を超えたときは、労働者の申込みにより、無期契約に転換できるルールが平成二十五年四月一日に施行された。しかし、無期転換できた労働者はわずかであり、無期転換権の発生直前の雇止めが常態化している。
1 改正労働契約法の趣旨どおり、無期転換権を得て無期雇用に移行した労働者の人数について、政府が把握するところをお示しいただきたい。
2 多くの独立行政法人、企業等では、無期転換権の発生を阻止するために、更新五年上限の就業規則を設けているが、違法ではないか。政府の見解を求める。
3 改正労働契約法の趣旨が無視され、無期転換が行われていないとすれば、この労働契約法が空洞化していると言わざるを得ない。この状態を放置するならば、その理由をお示しいただきたい。
二 厚生労働省は、参議院・厚生労働委員会(平成二十八年)、衆議院・厚生労働委員会(平成二十九年)において、「無期転換ルールを免れる目的で雇い止めをしているような事案を把握した場合には、都道府県労働局におきましてしっかりと啓発指導する」「無期転換申込権を行使しないことを更新の条件とする等、労働者にあらかじめ無期転換申込権を放棄させることを認めることは、法の趣旨を没却することなので、こうした労働者の意思表示については、公序良俗に反し、無効と解される」旨答弁している。
1 厚生労働省の啓発指導に対してどのような対応があったのか、お答え願いたい。
2 啓発指導に即した対応がなかった場合、政府は今後どのように指導するのか。
三 平成二十五年十二月公布の「研究開発システムの改革の推進等による研究開発能力の強化及び研究開発等の効率的推進等に関する法律及び大学の教員等の任期に関する法律の一部を改正する法律」(平成二十六年四月一日施行)により、大学等及び研究開発法人の研究者、教員等については、無期転換権発生までの期間を五年から十年とする特例が設けられた。
1 この特例に併せて二〇二二年度末の無期転換もしくは雇止めの状況について、政府が把握するところをお示しいただきたい。
2 加えて、どのような業務形態・業務内容の方が雇止めの対象となっているか、政府の把握するところをお示しいただきたい。
3 東北大学では約二百四十名が、理化学研究所では約六百名が、二〇二三年三月末に雇い止めされる可能性がある。無期転換権の発生直前の雇止めであり、労働契約法に反していないか。
4 二〇二三年三月末には、日本全国で数千名の教員・研究員が職を追われると推測される。雇い止めされるのは主に若手研究者である。日本の研究力の低下に拍車をかけ、科学技術力を損なう重大な事態である。これを放置することは、政府としての責任を問われることになるが、いかがか。
5 五年雇止めも、この十年雇止めも、労働契約法の潜脱であり、有期労働契約の労働者の雇用が法改正により不安定になっている。改善に向けた政府としての対応方針をお示しいただきたい。
右質問する。
政府答弁書
一の1について
お尋ねの「改正労働契約法の趣旨どおり、無期転換権を得て無期雇用に移行した」の意味するところが必ずしも明らかではないが、厚生労働省の「令和二年有期労働契約に関する実態調査(事業所調査)」等を基に推計すると、平成三十年度及び令和元年度の常用労働者五人以上の事業所における同調査にいう「労働契約法における無期転換ルールにより無期転換を申込む権利を行使して無期転換した人」の人数は、約百十八万人である。
一の2について
お尋ねの「無期転換権の発生を阻止する」及び「更新五年上限」の意味するところが必ずしも明らかではないが、就業規則に関し、有期労働契約の更新に関する事項について定めた法令はないことから、有期労働契約について、就業規則により有期労働契約の契約期間を通算した期間の上限等を設定することが直ちに法令に違反するものではないと考えている。なお、就業規則により当該期間の上限等を設定している場合において行われた御指摘の「雇い止め」が労働契約法(平成十九年法律第百二十八号)に違反しているか否かについては、個別の事案に応じて、司法において判断されるものである。
一の3及び三の5について
御指摘の「改正労働契約法の趣旨が無視され」、「労働契約法が空洞化している」、「この状態を放置する」、「労働契約法の潜脱」及び「改善」の具体的に意味するところが明らかではないため、お尋ねについてお答えすることは困難であるが、いずれにせよ、政府としては、引き続き、労働契約法第十八条の規定に基づくいわゆる無期転換ルールの周知等に取り組んでまいりたい。
二について
都道府県労働局による御指摘の「啓発指導」の個別の事案に関わることについて、具体的にお答えすることは差し控えたいが、今後とも、都道府県労働局において適切に対応してまいりたい。
三の1及び2について
お尋ねの「二〇二二年度末の無期転換もしくは雇止めの状況」については現時点で明らかではないため、お答えすることは困難である。なお、文部科学省が把握している限りにおいて、同省が所管する研究開発法人における雇用期間の定めがある労働者のうち、科学技術・イノベーション創出の活性化に関する法律(平成二十年法律第六十三号。以下「活性化法」という。)第十五条の二の規定による労働契約法第十八条第一項の規定の特例の対象者であって、令和四年度末において同項に規定する通算契約期間が十年となる者は、令和四年一月一日時点で、国立研究開発法人物質・材料研究機構において八名、国立研究開発法人防災科学技術研究所において九名、国立研究開発法人科学技術振興機構において三名、国立研究開発法人理化学研究所において六百三十六名及び国立研究開発法人海洋研究開発機構において一名であると承知している。また、これらの者の「業務形態」及び「業務内容」については、政府として網羅的に把握していない。
三の3について
労働契約法は労働契約に関する民事的ルールを明らかにするものであることから、具体的な事例が同法に違反しているか否かについては、司法において判断されるものであり、政府がお答えする立場にない。
三の4について
御指摘の「日本全国で数千名の教員・研究員が職を追われる」及び「これを放置する」の具体的に意味するところが明らかではないため、お尋ねについてお答えすることは困難であるが、いずれにせよ、政府としては、引き続き、活性化法第十五条の二及び大学の教員等の任期に関する法律(平成九年法律第八十二号)第七条に規定する労働契約法の特例の周知等に取り組んでまいりたい。
この答弁書に出てくる定型句
お答えすることは困難 ×3趣旨が明らかではない ×4承知していない ×1個別の事案 ×2
語の一致で数えたものです。答弁の評価ではありません。同じ型の答弁が過去にどれだけあるかは、型を押すと出ます。
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