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保育所等における医療的ケア児の支援のための看護師配置等に関する質問主意書

衆議院 第217回 第318号お答えすることは困難 ×2趣旨が明らかではない ×2承知していない ×4個別の事案 ×1

提出者
立憲民主党・無所属
提出日
2025年6月17日
内閣転送 2025年6月20日
答弁書受領日
2025年6月27日
提出から10日
答弁の項目数
15
質問 3,367字/答弁 4,254字

質問本文

政府は、保育所等(保育所、幼保連携型認定こども園、家庭的保育事業、小規模保育事業及び事業所内保育事業をいう。以下同じ。)において医療的ケア児の受入れを可能とするために、一定の措置を行っているが、特に一型糖尿病の子どもを受け入れるための保育所等における看護師等(保健師、助産師、看護師及び准看護師をいう。以下同じ。)の配置は十分とは言い難く、解決すべき課題が山積していると考えるところ、次の事項について質問する。

一 医療的ケア児及びその家族に対する支援に関する法律第六条第一項は、保育所の設置者等は在籍等している医療的ケア児に対して適切な支援を行う責務を有する旨を規定している。また、同法附則第二条第二項において、政府は、医療的ケア児の実態を把握するための具体的な方策について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとするとしている。

1 同法の施行後も、保育所等に看護師が配置されていない等の理由から、医療的ケア児が保育所等への入所を拒否されたり退所を求められたりする事例や、保育所等への入所に当たって保護者が常に付き添うことが条件になっている事例が存在する。政府は、このような事例の存在を認識しているか。また、このような事例が存在する現状に照らして、同法第四条が定める国の責務として必要十分な施策を措置していると評価しているか。

2 医療的ケア児が保育所等への入所を拒否されたり退所を求められたりする事例等を含め、同法附則第二条第二項に基づき、政府が求められている医療的ケア児の実態を把握するための具体的な方策についての検討状況及び検討の結果に基づいて講じられた措置の状況を示されたい。

二 医療的ケア児の支援については、令和元年地方分権改革に関する提案募集に対し、富山市、福井市等から、「医療的ケア児に対する訪問看護の適用範囲の拡大」として、健康保険法の訪問看護の適用範囲について、必要に応じて「居宅」以外の保育所等を訪問先として認めるよう提案されていたものと承知している。

このような提案に対し、関係府省からは、医療的ケア児の支援については、「医療的ケア児保育支援モデル事業」等による補助を行っているとした上で、「すでにこれらの事業による補助を行い、医療保険の給付対象とは重複のないよう制度設計を行っている」ことから、保育所等への訪問看護を医療保険の給付対象とするには、既存の事業では支払いの必要がなかった利用者及び保険者からの理解を得ること等の課題が考えられる旨の回答があったと承知している。

1 こども家庭庁は、令和七年度予算において医療的ケア児保育支援事業を措置しており、同事業による国の負担割合は原則として二分の一となっているが、その理由を示されたい。また、医療的ケア児の受入体制拡充のため、新たな保育所等において、医療的ケア児の受入れを開始する自治体について、国の補助割合を三分の二にかさ上げしている理由も、併せて示されたい。

2 保育所等への訪問看護を公的医療保険の給付対象とすることが現状においては困難であると考えているならば、医療的ケア児及びその家族に対する支援に関する法律第四条によって医療的ケア児及びその家族に対する支援に係る施策を総合的に実施することは国の責務とされていることに鑑み、医療的ケア児保育支援事業に係る経費に関しては、医療的ケア児の受入体制拡充のために、国による全額補助又は国の補助割合の大幅な引上げが必要であると考えるが、政府の見解を示されたい。

3 前述の令和元年の提案の追加共同提案団体の一つであった横浜市は、国の制度及び予算に関する提案・要望書(令和六年六月)においても、「医療的ケア児・者等の訪問看護利用について、保育所や学校、障害福祉サービス事業所など、居宅以外においても利用できる仕組みの構築」が必要としており、今もなお解決していない課題であると考えるが、政府の見解を示されたい。

三 こども家庭庁は、令和七年度予算において医療的ケア児総合支援事業を措置しており、医療的ケア児等コーディネーターの配置等について補助を行っている。

1 こどもまんなか実行計画二〇二五によると、医療的ケア児等コーディネーターを配置している市町村数が全市町村の約半数にとどまるところ、その原因について、政府はどのように分析しているのか。

2 医療的ケア児の家族が就労を継続するために医療的ケア児等コーディネーターが実施している具体的な施策及びその実績を示されたい。

3 医療的ケア児及びその家族に対する支援を全国的に進めていくに当たり、現在予算措置で行っている医療的ケア児等コーディネーターの設置を、都道府県等の努力義務とすべきという意見があるが如何か。政府の見解を示されたい。

四 社会福祉士及び介護福祉士法の平成二十三年の一部改正に伴い、所定の研修を修了し、喀痰吸引等の業務の登録認定を受けた保育士等が、一定の条件下で喀痰吸引等の特定の医療的ケア(以下「特定行為」という。)を実施できるようになった。

1 一型糖尿病患者が必要とする血糖測定、インスリン注射及び皮下注射の管理(以下「血糖測定等」という。)は、特定行為に含まれず、看護師等の免許を有する者のみが実施するとされているところ、この理由について示されたい。

2 特定行為に含まれる喀痰吸引及び経管栄養と、特定行為に含まれない血糖測定等との間には、医療事故の発生可能性に違いがあるのか、政府の見解を示されたい。

五 保育所における看護師等(助産師を除く。以下同じ。)の配置については、児童福祉施設最低基準等の一部を改正する省令附則第二項の規定(以下「特例」という。)により、経過措置として当分の間、看護師等を一人に限り保育士とみなすことができることとされている。

1 看護師等を配置している保育所等の数及び全保育所等に対する割合を示されたい。

2 保育所への看護師等の配置については、特例による措置はあるが、公立、私立の別を問わず義務付けられていない。その理由を示されたい。

3 特例を利用して保育所に看護師等を一人配置したとしても、当該看護師等が欠勤する場合等には医療的ケア児への対応ができなくなることから、医療的ケア児の受入れが困難であることに変わりはない。看護師等を二人以上配置するに当たっての支援策はあるか。また、医療的ケア児を受け入れている保育所等において看護師等が欠勤する場合等に、当該保育所等が代わりの看護師等を確保するための支援策を講じているか。

4 横浜市では、看護師等を複数配置し、常時、医療的ケア児の受入れが可能な園を「医療的ケア児サポート保育園」として認定し、医療的ケア児の保育所等での安全な受入れを推進している。保育所等での医療的ケア児の受入れを希望する家族に対して、適切な対応を迅速かつ確実に行うためには、あらかじめ受入体制を構築しておくことが重要であり、かつ、看護師等の安定的な確保に資すると考える。「医療的ケア児サポート保育園」のように医療的ケア児の保育についてノウハウを蓄積した地域の基幹施設に対しては、医療的ケア児の在籍の有無にかかわらず、複数の看護師等の配置に係る経費を国が補助すべきと考えるが、政府の見解を示されたい。

5 一般的に看護師等は保育士に比べ給与が高いことも、保育所等が看護師等を配置する上での障壁になっていると考える。地域の基幹施設以外の保育所等であっても看護師等の配置が進められるよう、看護師等の配置について、公定価格で措置すべきであるという意見があるが如何か。政府の見解を示されたい。

六 保育所等に看護師等が配置されていないことや、保育所等に看護師等が配置されていても当該保育所等において血糖測定等の前例がないことを理由に、一型糖尿病の子どもへの保育の提供が制限される事例が存在する。こども家庭庁成育局保育政策課事務連絡「保育所等における障害のあるこどもの受入れについて」(令和六年十二月五日)では、正当な理由なく、障害を理由として保育の提供を拒否する等の不当な差別的取扱いを禁じているところ、これらの理由は、同事務連絡が示す「正当な理由」に該当するか。

右質問する。

衆議院の原文経過

政府答弁書

一の1について

前段のお尋ねについては、国庫補助事業である「令和五年度こども・子育て支援推進調査研究事業」における「保育所等における医療的ケア児の受入れ方策及び災害時における支援の在り方等に関する調査研究」において、保育所等における医療的ケア児の受入れ状況等について調査を行ったところであり、御指摘の「医療的ケア児が保育所等への入所を拒否された」事例については承知しているが、「退所を求められたりする事例や、保育所等への入所に当たって保護者が常に付き添うことが条件になっている事例」については承知していない。また、後段のお尋ねについては、その趣旨が明らかではないため、お答えすることは困難であるが、いずれにしても、政府としては、医療的ケア児及びその家族に対する支援に関する法律(令和三年法律第八十一号。以下「医療的ケア児法」という。)第四条の規定を踏まえ、「医療的ケア児及びその家族に対する支援に係る施策を総合的に実施」しているところである。

一の2について

お尋ねについては、医療的ケア児法附則第二条第二項の規定に基づき検討した結果、例えば、国庫補助事業である「令和六年度子ども・子育て支援等推進調査研究事業」における「障害児保育の財政支援および受入れ方策等に関する調査研究」において、保育所等における医療的ケア児の受入れ状況等について調査を行ったところである。

二の1及び2について

お尋ねの「原則として二分の一となっている」理由については、「多様な保育促進事業の実施について」(令和六年三月三十日付けこ成保第百七十九号こども家庭庁成育局長通知。以下「局長通知」という。)における他の事業との整合性等を総合的に勘案した結果であり、御指摘の「国による全額補助又は国の補助割合の大幅な引上げ」は考えていない。また、お尋ねの「国の補助割合を三分の二にかさ上げしている理由」については、保育所等における医療的ケア児の新たな受入れに要する体制の整備に必要な費用の補助を行うことにより、更なる受入れ体制の拡充を図るためである。

二の3について

お尋ねについては、健康保険法(大正十一年法律第七十号)第八十八条第一項に規定する指定訪問看護は、居宅での療養を受けたいという在宅医療に係るニーズに対応するため、疾病又は負傷により居宅において継続して療養を受ける状態にある者であって通院による療養が困難な者に対する療養上の世話又は必要な診療の補助を保険給付の対象としていること等から、御指摘の「医療的ケア児・者等の訪問看護利用について、保育所や学校、障害福祉サービス事業所など、居宅以外においても利用」した場合を保険給付の対象とすることについては、慎重な検討が必要と考えている。なお、局長通知別添三「医療的ケア児保育支援事業実施要綱」(以下「局長通知別添」という。)において、「自治体や医療機関等において雇い上げた看護師等を定期又は不定期に巡回による方法により保育所等に派遣する」場合については、医療的ケア児保育支援事業(局長通知別添に基づく医療的ケア児保育支援事業をいう。以下同じ。)の補助対象としている。

三の1について

御指摘の「医療的ケア児等コーディネーターを配置している」市町村(特別区を含む。以下同じ。)の数については、令和四年度末時点で九百八、令和五年度末時点で千六十と着実に増加しているところであるが、お尋ねについては、例えば、医療的ケア児の支援に係る専門性を有する人材の不足等の様々な要因があると承知している。政府としては、現在、医療的ケア児等総合支援事業(「医療的ケア児等総合支援事業の実施について」(平成三十一年三月二十七日付け障発〇三二七第十九号厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部長通知)に基づく医療的ケア児等総合支援事業をいう。)において、市町村における「医療的ケア児等コーディネーター」の配置に要する経費を補助しているところであり、引き続き、当該事業を通じて、医療的ケア児に対する地域の支援体制の整備を進めてまいりたい。

三の2について

お尋ねについては、御指摘の「医療的ケア児等コーディネーター」は、例えば、医療的ケア児の就園及び就学が円滑に進むよう、保育所等を訪問し、その受入れについて助言する等、医療的ケア児とその家族が抱える課題に対し、保健、医療、福祉、子育て、教育等の必要なサービスの総合的な調整、当該サービスの紹介、関係機関との連絡調整等を実施しているものと承知している。また、お尋ねの「その実績」の意味するところが必ずしも明らかではないが、各地方公共団体における「医療的ケア児等コーディネーター」によるこうした支援の実施件数については、把握していない。

三の3について

御指摘の「現在予算措置で行っている医療的ケア児等コーディネーターの設置を、都道府県等の努力義務とすべき」の意味するところが必ずしも明らかではないが、各都道府県及び各市町村における「医療的ケア児等コーディネーターの設置」については、障害福祉サービス等及び障害児通所支援等の円滑な実施を確保するための基本的な指針(平成二十九年厚生労働省告示第百十六号)において、児童福祉法(昭和二十二年法律第百六十四号)第三十三条の二十第一項に規定する市町村障害児福祉計画及び同法第三十三条の二十二第一項に規定する都道府県障害児福祉計画で、「成果目標」を設定することが適当である事項について、「医療的ケア児等が適切な支援を受けられるように、令和八年度末までに、・・・各都道府県及び各市町村において、・・・医療的ケア児等に関するコーディネーターを配置することを基本とする。なお、市町村単独での設置が困難な場合には、都道府県が関与した上での、圏域での設置であっても差し支えない」としており、政府としては、こうした仕組み等を通じて、医療的ケア児及びその家族に対する全国的な支援を推進しているところである。

四の1について

御指摘の「喀痰吸引等」については、厚生労働大臣が参集を求めて開催していた、「喀痰吸引等」の安全性や技術等に関する専門的知見を有する有識者により構成される「介護職員等によるたんの吸引等の実施のための制度の在り方に関する検討会」が平成二十二年十二月十三日に取りまとめた「介護職員等によるたんの吸引等の実施のための制度の在り方について 中間まとめ」において、「介護職員等がたんの吸引等を行う上での安全確保に関する基準を設け、医師・看護職員と介護職員等の連携・協働の確保等、基準の遵守について指導監督の仕組みを設ける」とされたことを踏まえて、社会福祉士及び介護福祉士法(昭和六十二年法律第三十号)附則第十一条第二項の規定において、「介護の業務に従事する者に対して・・・必要な知識及び技能を修得させるため、都道府県知事又はその登録を受けた者・・・が行う研修・・・の課程を修了したと都道府県知事が認定した者」が、同法附則第十条の規定に基づき「診療の補助として、医師の指示の下に」行うとともに、安全確保のために「医師、看護師その他の医療関係者との連携を保たなければならない」とした上で、その具体的な行為については、社会福祉士及び介護福祉士法施行規則(昭和六十二年厚生省令第四十九号)において定めているところである。

一方、御指摘の「一型糖尿病患者が必要とする血糖測定、インスリン注射及び皮下注射の管理」を、「一型糖尿病患者が必要とする血糖測定」(穿刺を伴うものに限る。)及び「インスリン注射及び皮下注射」と解すれば、これらの行為を含め、同令に定めるものに含まれていない医行為(医師の医学的判断及び技術をもってするのでなければ人体に危害を及ぼし、又は危害を及ぼすおそれのある行為をいう。)については、医師法(昭和二十三年法律第二百一号)第十七条、保健師助産師看護師法(昭和二十三年法律第二百三号)第三十一条等の規定に基づき、御指摘のように「看護師等の免許を有する者のみが実施する」ものとされている。

四の2について

お尋ねについては、把握していない。

五の1について

お尋ねについては、把握していない。

五の2について

保育所については、児童福祉法第三十九条第一項において、「保育を必要とする乳児・幼児を日々保護者の下から通わせて保育を行うことを目的とする施設」と規定されており、当該保育を行うに当たって、必ずしも常に御指摘の「看護師等」を配置することが必要であるとは考えられないことから、「保育所への看護師等の配置」の「義務付け」を行っていないところである。

五の3について

お尋ねについては、いずれも、医療的ケア児保育支援事業において、御指摘の「看護師等」の配置に必要な費用の補助を行っている。

五の4について

御指摘のような「医療的ケア児の保育についてノウハウを蓄積した地域の基幹施設」については、市町村の関わり方も含め、地域の実情によって様々であること等から、政府としてこれに一律に補助するのではなく、「医療的ケア児の保育について」の「ノウハウ」の「蓄積」に資するよう、引き続き、局長通知別添に基づく医療的ケア児保育支援事業により、「自治体や医療機関等において雇い上げた看護師等を定期又は不定期に巡回による方法により保育所等に派遣」することや、「医療的ケア児の受入れを行う保育所等において、・・・保育士等及び看護師等が医療的ケア児の保育に必要となる知識及び技術の習得、維持及び向上を図る研修受講のため」の「保育士等及び看護師等の研修受講に係る費用の補助」等を行っていく考えである。

五の5について

お尋ねについては、政府としては、医療的ケア児保育支援事業により、保育所等における医療的ケア児の受入れを推進していく考えであり、保育所等における御指摘の「看護師等の配置」については、現時点において、「公定価格で措置」することについては検討していない。

六について

お尋ねについては、「保育所等における障害のあるこどもの受入れについて」(令和六年十二月五日付けこども家庭庁成育局保育政策課事務連絡)において示しているとおり、「正当な理由の判断に関しては、個別の事案ごとに、例えば、・・・安全の確保・・・などの観点に鑑み、具体的場面や状況に応じて総合的・客観的に判断していただく」べきものであり、一概にお答えすることは困難である。

衆議院の原文

この答弁書に出てくる定型句

お答えすることは困難 ×2趣旨が明らかではない ×2承知していない ×4個別の事案 ×1

語の一致で数えたものです。答弁の評価ではありません。同じ型の答弁が過去にどれだけあるかは、型を押すと出ます。

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