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国立病院・療養所における看護師配置に関する質問主意書

衆議院 第154回 第53号お答えすることは困難 ×7趣旨が明らかではない ×1承知していない ×1検討してまいりたい ×1

提出者
日本共産党
提出日
2002年3月26日
内閣転送 2002年3月27日
答弁書受領日
2002年5月14日
提出から49日
答弁の項目数
23
質問 3,525字/答弁 4,025字

質問本文

木島日出夫    小沢和秋

国立病院・療養所における看護師配置に関する質問主意書

国立病院・療養所は、高度先進医療や急性期医療に加えて、神経・筋疾患や重症心身障害など全面介助や人工呼吸器が必要な長期重症患者の医療を担い、国民医療に対して重要な役割を担っている。

ところが、国立病院・療養所の一〇〇床当たりの看護師配置は、他の公的病院(大学病院、自治体病院、日赤病院など)に比べて少ない。三人以上の夜間看護体制が主流になっているなかで、大半が二人夜勤であり、三人以上の夜勤は全体の約二割にすぎない。二人夜勤では一人の患者が急変すれば、一人の看護師で残りの数一〇人の患者に対応しなければならず、患者の安全に重大な事態が懸念される。このような看護師配置は早急に改善されるべきである。

さらに、夜勤は「複数月八日以内」という人事院夜勤判定が出されてすでに三六年以上経つが、いまだに九日以上の夜勤が多く、一〇日を超える夜勤を余儀なくされている病棟も少なくない。「看護職員の需要に関する検討会」報告書(厚生労働省)では、離職防止の観点からも、「産前・産後休業、育児休業の全員取得、年次有給休暇、介護休暇等に必要な需要を見込む」としている。家庭と両立して働きつづけられる労働条件の整備という点からも、すべての看護師の「月八日以内」夜勤を早急に達成すべきである。

国立病院・療養所の看護師配置の現状について、厚生労働省は「自治体病院や赤十字などの病院に比較して少ないことは間違いない」(二〇〇一年一二月五日衆議院厚生労働委員会、大臣答弁)との認識を示し、改善に向け最大限努力する旨の答弁をしている。

そこで、国立病院・療養所の看護師配置の改善に関する具体的対策について、以下質問する。

一 看護師配置について

�@ 国立病院・療養所では、医療の複雑・高度化、入院日数の短縮が進むなか、看護助手も削減されて、看護師の業務は非常に過密になっている。政府は、国立病院・療養所の看護師増員の緊急の必要性を認識しているか。

�A 厚生労働省は、国立病院・療養所の再編成の推進や病棟集約による定数の再配置で増員効果をあげるとしているが、定数削減が大きく、再配置による機能強化はほとんどされていない。定数削減を差し引いた、実質的な看護師配置の改善について、各年度ごとの状況を明らかにされたい。また、統合新病院でさえ大半が二人夜勤体制になっているが、これで機能強化を図ることができると考えているか。

�B 疾病構造の変化や社会の要請にこたえて、療養所においても病院と同様に外来診療などを行っている施設が多い。しかし、療養所の外来・手術室に看護師定数がなく、応援勤務で対応しているのが現状である。これでよいと考えているか。外来・手術室にも看護師定数を確保すべきでないか。

�C 少なくとも他の公的病院並に看護師配置を引き上げるために、特別の措置をとり、計画的に看護師を増員すべきでないか。

二 夜勤体制について

�@ 夜間看護体制について、国立病院・療養所と他の公的病院を比較し、その違いを明らかにされたい。

�A 国立病院・療養所の夜勤体制を少なくとも他の公的病院並に三人以上に強化する必要があるのではないか。

�B 現在二人以下で夜勤をしている病棟をすべて三人に改善した場合、「月八日以内」夜勤として、何名の看護師増員が必要になるか、明らかにされたい。

�C 全面介助や人工呼吸器の必要な患者が多数入っている病棟や、急変や夜間の緊急入院が多い急性期の病棟でも、多くの場合二人夜勤となっている。こうした病棟については、特別の措置をとり、早急に夜勤体制を三人以上に強化すべきではないか。

�D 厚生労働省は、「看護の必要度の高いところについては、二人夜勤を超えて三人夜勤も目指していく」(二〇〇一年一二月五日衆議院厚生労働委員会、国立病院部長答弁)と答弁している。夜勤体制強化の具体的な改善計画を明らかにされたい。

三 人工呼吸器使用病棟について

�@ 国立病院・療養所において、人工呼吸器に関する重大な事故が相次いでいる。人工呼吸器使用病棟における看護師の配置、夜勤体制について、明らかにされたい。また、改善策についての考え方、計画を明らかにされたい。

�A 人工呼吸器の管理は多くの場合看護師任せになっている。これが重大事故の背景にある。臨床工学技士の増員が必要であると考えるがどうか。現在の配置状況と今後の配置計画を明らかにされたい。

�B 国立病院・療養所それぞれについて、人工呼吸器の購入年次別、機種別台数及び更新状況と今後の更新計画を明らかにされたい。

四 重症心身障害児(者)病棟、筋ジストロフィー病棟について

�@ 国立病院・療養所における重症心身障害児(者)病棟、筋ジストロフィー病棟について、一九七四年の厚生省の配置基準では、一病床当たり看護師は二一人(婦長を含まず)配置となっているが、現在の配置状況はどうか。

�A この配置基準は現在達成されていないが、その理由を示されたい。また、今後、配置基準に満たない病棟の改善は、どうすすめるのか。

�B これら病棟の看護師配置基準は、三人夜勤(夜勤稼働人員は最低二四人必要)が実施できるように改善すべきでないか。

�C 人員不足のために、かけもちで食事介助をせざるを得ないなど、ゆきとどいた看護ができない状態を改善すべきでないか。対策を示されたい。

五 ナショナルセンターについて

�@ 厚生労働省は、ナショナルセンターを「高度先進医療の実施、臨床研究、教育研修、情報発信の全国の中心機関」と位置付けているが、このナショナルセンターでさえ他の公的病院と比較して看護師の配置が少ない。深夜・準夜とも三人以上夜勤の比率は約二五%しかない。ナショナルセンターとしての機能を発揮できるよう、早急に看護師配置を改善すべきでないか。

�A ナショナルセンターは、月九日以上の夜勤従事者が約四割にのぼり、非常に過酷な勤務実態となっている。ナショナルセンターにおける夜勤改善の具体的な計画を示されたい。

六 「複数月八日以内」夜勤の実現について

�@ 厚生労働省は、毎年一〇月に国立病院・療養所の夜勤実態調査を行っている。一例として、国立水戸病院、国立栃木病院、国立埼玉病院、国立横浜病院における病棟毎の夜勤実態(九日以上夜勤者の割合を含む)について、明らかにされたい。

�A 夜勤は「複数月八日以内」とする人事院夜勤判定が出てから三六年以上も経過しているが、いまだに「複数月八日以内」夜勤が達成されていない。これでよいと考えているのか。

�B 厚生労働省は、労働条件の改善の立場からも、「複数月八日以内」夜勤の実現について「最大限の努力をしたい」(二〇〇一年一二月五日衆議院厚生労働委員会、大臣答弁)と答弁している。すべての看護師の「複数月八日以内」夜勤を達成するための具体的な改善計画を示されたい。

�C 年度途中の退職者の補充が速やかに行われないなどの実態がある。年度を通して、必要な夜勤稼動人員を確保するに足る予備人員を年度当初に確保すべきでないか。

�D 国立病院・療養所には四〇〇〇人を超える賃金職員看護師がいる。この賃金職員は、日々雇用の非常勤職員という不安定身分のまま、夜動を含めて定員職員と同じ勤務を行っている。「複数月八日以内」夜勤の実現に必要な人員は、すべて定員職員として確保すべきではないか。

�E 賃金職員看護師への育児休業の適用について、総務省は「常勤的な勤務をしている日々雇用の職員は、仕組みとしていない。本来そういう人は常勤職員を入れればよい」(二〇〇一年一一月二九日参議院総務委員会、総務大臣答弁)旨の答弁をしている。現に、定員職員と同じ勤務を行っている賃金職員は、この際定員職員化すべきでないか。少なくとも、育児休業・介護休暇の適用を行うべきでないか。

七 妊産婦の夜勤免除、産前・産後休暇、育児休業について

�@ 国立病院・療養所における妊産婦の夜勤免除について、妊娠・出産した看護師数、実際に夜勤免除された看護師数、夜勤代替要員として確保した看護師数について、実態を明らかにされたい。

�A 産前・産後休暇及び育児休業取得者の代替要員の確保状況についても明らかにされたい。

�B 実際には、代替要員が確保されず、九日以上の夜勤を余儀なくされている職場も少なくない。その改善策を示されたい。

�C 二〇〇二年四月から育児休業が三年に延長される。実効ある代替要員の確保策を示されたい。

右質問する。

衆議院の原文・経過

政府答弁書

一の�@及び�Cについて

国立病院及び国立療養所(以下「国立病院等」という。)における看護師、准看護師及び助産師(以下「看護師等」という。)の増員については、国家公務員全体の定員の削減が求められている中で、国の医療政策として国立病院等が担うべき医療等を適切に実施するために必要な人員の確保に努めてきたところであり、今後とも、病院の移譲、統合等の再編成に伴い生じた定員を再配置すること等により、必要な人員の確保に努めてまいりたい。

一の�Aについて

国立病院等における平成十年度以降の各年度ごとの看護師等の増員数、削減数及び増員数から削減数を差し引いた人数は別表第一のとおりであり、平成十四年度までの五年間で千二人の定員を新たに確保したところである。

また、平成十三年度に再編成を行った病院の統合後の看護師等の夜勤体制については、統合前に比べ、三人体制の病棟が二病棟増加し、四人体制の病棟が三病棟増加したところであり、各病院の診療機能に応じた必要な人員を配置し、その機能強化を図っているところである。

一の�Bについて

国立療養所においては、国家公務員全体の定員の削減が求められている中で、各病院の診療機能、患者数、患者の重症度等を勘案し、外来部門及び手術部門においても、必要に応じて看護師等の定員の確保や非常勤看護師等の配置を行っているところである。

二の�@及び�Aについて

国立大学附属病院と国立病院等における平成十三年度の看護師等の夜勤体制を比較すると、別表第二のとおりである。なお、地方公共団体及び日本赤十字社が開設する病院における看護師等の夜勤体制については把握していない。

国立病院等における看護師等の夜勤体制の充実については、特に看護の必要度の高い病棟において三人以上の体制を確保することを目指しているところであり、引き続き、病院の移譲、統合等の再編成に伴い生じた定員を再配置すること等により、必要な人員の確保に努めてまいりたい。

二の�Bについて

国立病院等のすべての病棟において、午後五時から午前八時半までの時間帯に看護師等を三人以上配置し、一月当たりの夜勤回数が八日以内となるような体制を実現するには、約七千二百人の看護師等の増員が必要である。

二の�Cについて

御指摘の「全面介助や人工呼吸器の必要な患者が多数入っている病棟や、急変や夜間の緊急入院が多い急性期の病棟」の範囲が必ずしも明らかではないが、人工呼吸器を一か月以上にわたって二十四時間連続して使用している患者が十人以上いる国立病院等の病棟における看護師等の夜勤体制は、ほとんどが三人体制となっており、急性期の患者を受け入れる救命救急センターにおいては、すべてが三人以上の体制となっている。

今後とも、各病院において提供される医療、患者の状況等に応じ、看護体制の強化を図ってまいりたい。

二の�Dについて

国立病院等における看護師等の配置については、従来から、各病院において提供される医療、患者の状況等に応じた定員の確保に努めてきたところである。お尋ねのような具体的な改善計画を示すことは困難であるものの、今後とも病院の移譲、統合等の再編成に伴い生じた定員を再配置すること等により、看護体制の強化を図ってまいりたい。

三の�@について

人工呼吸器はすべての国立病院等の病棟において使用される可能性があり、お尋ねのように「人工呼吸器使用病棟」という形で病棟を特定することは困難であることから、「人工呼吸器使用病棟」における看護師等の配置及び夜勤体制について回答することは困難である。

国立病院等における人工呼吸器に関する事故の防止については、各病院において人工呼吸器の使用マニュアルを作成し、人工呼吸器の取扱いに関する研修を実施するとともに、平成十四年度から医療安全管理者を約半数の病院に配置したところである。

今後とも、研修の充実、更なる人員の確保等により、人工呼吸器に関する事故の防止に努めてまいりたい。

三の�Aについて

人工呼吸器の管理は、診療の補助として看護師等の業務に含まれるものである。平成十三年度の国立病院等における人工呼吸器に関する事故は十一件であり、そのほとんどは人工呼吸器が脱落したことによるものであるが、人工呼吸器の接続の確認を看護師等が行っていること自体がこれらの事故の直接の原因となったとは考えていない。

国立病院等における臨床工学技士の配置人員は平成十三年度末現在五十二人であり、今後とも、各病院において提供される医療、医療機器の使用の状況等に応じ、必要な人員の確保に努めてまいりたい。

三の�Bについて

国立病院等が現在保有している人工呼吸器の購入年次別及び機種別の台数並びに更新状況は、別表第三のとおりである。

お尋ねのような今後の更新計画を示すことは困難であるものの、個々の人工呼吸器の状態や使用頻度を考慮して、順次更新していく予定である。

四の�@について

平成十四年三月一日現在、重症心身障害の患者が入院している病棟と進行性筋ジストロフィーの患者が入院している病棟(以下「重心・筋ジス病棟」という。)との合計二百五十病棟のうち、一病棟当たり二十一人以上の看護師及び准看護師(看護師長を除く。)を配置しているものは百十八病棟である。

四の�Aについて

各国立病院等の重心・筋ジス病棟における看護師及び准看護師の配置については、各病院の長が当該病院の定員の範囲内で、重心・筋ジス病棟以外の病棟の患者数、患者の重症度等も勘案しつつ、総合的な判断により決定しているものであり、御指摘の配置基準を上回っている病棟もあるが、下回っている病棟もある。

今後とも、各病院において提供される医療、患者の状況等に応じ、必要な人員の確保に努めてまいりたい。

四の�Bについて

重心・筋ジス病棟における看護師及び准看護師の夜勤体制については、各病棟の患者の重症度等を踏まえて、三人体制とする必要性の有無を検討してまいりたい。

四の�Cについて

食事介助については、看護師及び准看護師以外にも看護助手等が従事することにより適切に実施されており、特段の支障は来していないと考えている。

五について

国立高度専門医療センター(以下「センター」という。)における看護師等の配置数及び夜勤体制については、お尋ねのような具体的な改善計画を示すことは困難であるものの、センターの役割である高度先駆的医療等の提供を適切に行うため、個々のセンターの機能にふさわしいものとなるよう、必要な人員の確保に努めてまいりたい。

なお、平成十四年度においては、七十五人の看護師等の増員を行ったところである。

六の�@について

平成十三年十月に実施した調査によれば、国立水戸病院、国立栃木病院、国立埼玉病院及び国立横浜病院の病棟ごとの看護師等の夜勤の実態は、別表第四のとおりである。

六の�A及び�Bについて

平成十三年十月に実施した調査によれば、国立病院等全体で看護師等の一月当たりの平均夜勤回数は七・九回となっており、昭和四十年五月の人事院判定で約八日を一応の目標とすることが適当であるとされた点については、おおむね達成されたものと考えている。しかしながら、病棟によっては一月当たりの夜勤回数が八日を上回っているものもあり、お尋ねのような具体的な改善計画を示すことは困難であるものの、今後とも、更なる夜勤体制の充実に努めてまいりたい。

六の�Cについて

看護師等については、他の職種に比べ離職率が高いこと、免許を要する職種であるため年度途中での採用が困難であること等から、年度途中の退職者に対応するための措置として、年度当初にこれらの退職者も見込んだ必要な人員を確保することとしているところである。

六の�D及び�Eについて

国立病院等における非常勤職員の常勤職員への任用については、新たな定員の確保及び欠員の状況に応じて、非常勤職員であった期間の勤務成績、経験年数等を総合的に勘案した上で、適切に対処してまいりたい。

育児休業及び介護休暇については、長期に任用される職員の任用の継続を図るために設けられている制度であり、日々任用され、任用予定期間が定められている非常勤職員はこれらの制度の対象とならないものである。

七の�@について

国立病院等の看護師等のうち平成十二年度に出産した者は、九百三十三人(外来等夜勤を伴わない部門に勤務する看護師等を含む。)である。

妊産婦である職員の深夜勤務については、本人からの免除請求があった場合にはすべてこれを認めることとしており、平成十二年度において国立病院等の看護師等のうち深夜勤務を免除された妊産婦は五百十六人であり、その代替要員百六十二人を確保したところである。

七の�Aについて

平成十二年度においては、国立病院等の看護師等で産前及び産後休暇を取得したものの代替要員として五百三十三人を、育児休業を取得したものの代替要員として臨時的任用により五百六十六人を、それぞれ確保したところである。

七の�Bについて

産前及び産後休暇の代替要員については、非常勤職員を確保するための予算措置を講じているところであり、育児休業の代替要員については、臨時的任用により対応しているところである。今後とも、各病院における看護に支障を来さないよう、代替要員の確保に努めてまいりたい。

七の�Cについて

育児休業を取得する職員の代替要員については、従来から都道府県ナースセンター、公共職業安定所等を活用し、その確保に努めているが、今後は、国家公務員の育児休業等に関する法律及び一般職の職員の勤務時間、休暇等に関する法律の一部を改正する法律(平成十三年法律第百四十二号)により創設された任期付採用の制度も活用することにより、代替要員の確保に努めてまいりたい。

衆議院の原文

この答弁書に出てくる定型句

お答えすることは困難 ×7趣旨が明らかではない ×1承知していない ×1検討してまいりたい ×1

語の一致で数えたものです。答弁の評価ではありません。同じ型の答弁が過去にどれだけあるかは、型を押すと出ます。

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